働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3258 開催期間 2013年09月13日- 09月20日
「汚染処理 五輪種目に入れようか」 友人の川柳作家、晴一郎の近作です。安倍首相がブエノスアイレスで、国際オリンピック委員会(IOC)の委員を前に、福島原発の汚染水問題について、”the situation is under control”と大見得を切ったのは、オリンピックを呼び込む政治的パフォーマンスとしては見事でした。でも、現状は、どうなのでしょうか。 原発の汚染水が海に漏れている、という疑いは以前からあったのですが、東京電力と政府が認めたのは、参院選挙のあとで、安全よりも政治を優先する、という原発につきまとう体質が改善されていないことが明らかになりました。オリンピックの招致にからみ、汚染水問題が注目されると、汚染水対策に政府が前面に出ることになりました。 福島県沖の水産物の放射能汚染の値は下がり、最近では「検出せず」がふえているようです。しかし、原発周辺では、異常に高い放射能の魚が捕獲されることがあり、地元の漁業者は「汚染水が海に漏れている」と語っていました。ですから、今回の問題についての私の感想は「やっぱり、そうだったのか」というものです。 汚染水問題を考えるには、汚染水はどこから来たのか、ということを考えることが最初です。ひとつは、壊れた原発を冷却したため汚染された水を蓄えるタンクから300トンの汚染水が漏れたことがあります。これはタンクに問題があったためで、この汚染水が地下水に達して、海に流れ込んでいるようです。東電の対策は、漏れていないタンクに移し替えることをしているようです。 それでは、タンクに入っている汚染水は、どこから来ているのでしょう。というのは、原子炉などを冷却するために使われている500トンの水は、汚染を除去して再び使う循環系になっているため、新たにふえることはないからです。タンクの汚染水は、山側から来る地下水が原発の建屋内に浸透するためで、東電は毎日400トンにもなる汚染された地下水をくみ上げて、タンクに貯蔵しているのです。 タンクから汚染水が漏れた問題は、タンクを取り換えれば、とりあえずの対策としては、これですむかもしれません。しかし、タンクを永遠に増やし続けることはできませんから、政府は、地下水を原発内に入らないように遮断する方法を検討しています。これが「凍土法」と呼ばれているものです。地下水を原発よりも山側で遮断できれば、その水を迂回させて海に流せば、地下水の汚染はなくなるというわけです。 こうした対策が機能すれば、「制御している」ということになるのですが、それぞれの対策には、いくつもの問題が残されているようで、「現在も、これからも制御しているとは言えない」という見方をするひともいます。また、地下水が原子炉の建屋内で汚染されるのは、建屋の床がこわれているからで、それが地震によるものなら、すべての原発を再点検しなければなりません。また、燃料棒のメルトスルー(溶解して外部に流れ出す)によるものなら、その対策が必要です。 汚染水の問題をおさらいする形で説明をしたつもりです。汚染水問題が心配な方は多いと思いますが、ただ不安に思うだけでは答えは導きだせません。今回は漏れた原因や現状をきちんと理解しながら、解決策などを議論していきたいと思います。 あなたは原発の汚染水問題、理解していますか? たとえば、上記の話で初めて知ったこと、疑問などがあれば教えてください。★高成田議長の過去の円卓会議より・尖閣諸島、国有化に賛成ですか?・東京電力による電気料金値上げ、仕方ないですか?・震災復興、進んでいると思いますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.