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会議番号:3258 開催期間 2013年09月13日- 09月20日
原発の輸出は、前政権も現政権も熱心で、閣僚の途上国への訪問には、援助を見返りにした原発ビジネスが見え隠れしています。「汚染水解決のめどすら立っていない」現状で輸出は無理という意見、逆に、「万が一のことも考慮できる技術」「最悪の事態に対処した福島の経験」を生かすために輸出を進めるという意見、賛否とも、説得力のある意見ばかりでした。 私は昨年、震災復興について講演するためにベトナムに行ったのですが、ハノイでもホーチミンでも、「ベトナムは原発を受け入れるべきか」と尋ねられ、言葉に窮しました。ベトナムは10以上の原発を建設する予定で、すでにロシアに発注、震災前に日本への発注が合意されていました。 「ベトナムは地震が少ないと聞いているので、原発即危険とは言えないが、建設するなら幾重にも安全に注意をしてほしい。また、運転や保全などの維持管理については、外国人にまかせず、ベトナム自身が取り組んでほしい」といった趣旨の発言をしました。ハノイで質問した老人が、新聞記者がよくやるような議論のための質問ではなく、真剣なまなざしで「私たちの次の世代を考えたときに、本当に必要なのか」と語る姿が印象に残っています。フクシマ以後、原発の安全性は世界の問題になっていると思いました。 民主党の議員が2年前の時点で、地下水を遮断しないと海洋汚染が広がるとの認識を持っていたことを明らかにしたのは、前政権の無責任さを象徴するとともに、現政権を含め、重要な問題は先延ばしをして、そのことは語らないようにしていることを示しているように思えます。汚染された地下水の濃度が高いのは、原子炉建屋で、本当は想像以上にメルトスルー(炉心溶融)が進んでいるのではないでしょうか。 安倍首相は福島第1原発の5号炉と6号炉の廃炉を東電に要請することを明らかにしました。これで福島第1全体の廃炉の方向がはっきりしましたが、地下水の汚染問題ひとつをとっても、最終的な廃炉までの道のりは長く続きそうです。また、福島に限らず、全国の原発では、再稼働問題を抱えています。原発はもはやどこか遠いところの問題ではないことが、今回の震災で明らかになりました。政府や大手メディアからだけでなく、いろいろなチャンネルから情報を集め、さまざまな原発問題への理解度を高めることは、「次の世代」に安全な生活を伝えるための国民の責任だと思います。 一週間、お付き合いいただき、ありがとうございました。個別には引用しませんでしたが、コメントはどれも自分たちの問題として語っているものばかりで、大いに勉強になりました。そのことについてもお礼を申し上げます。★高成田議長の過去の円卓会議より・尖閣諸島、国有化に賛成ですか?・東京電力による電気料金値上げ、仕方ないですか?・震災復興、進んでいると思いますか?
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