イー・ウーマン（ewoman）

東電に任せるレベルの話ではない（kemkem・岡山県・54）

原発事故以降2年半、東電のやってきた汚染水対策は延々タンクを作り続ける事。この事実をみれば、これ以上原発問題を東電に任せられないことは明らかだと思います。私も営利企業で働く身ですから、どんな危機的な状況であろうと企業が利益に影響する情報は出さない、投資はしない、東電のその姿勢はよく理解できます。でも核燃料のメルトダウンなのですから、事は東電の利益と天秤にかける話ではない。原発はさっさと国有化して、東電には相応の賠償金を支払わせてほしいと私は考えます。

政府の責任で処理するしかない（Ａ６Ｍ２・愛知県・57）

ここまで大きな事故になったにも関わらず、東電だけの責任と言うことでは済まないと思います。この問題は東電の経営責任とは別に、政府の福島事故処理機関を設置し、情報公開だけでなく、税金と専門家を投入して課題を解決してほしいと思います。また、福島第一は東電から切り離し、東電自体は電力自由化の枠組みの中で新しい会社として再生するのがいいのではないでしょうか。

東電≒政府（Jerryb・東京都・46）

政府がどこまで責任を持つか。それは、「日本という国が国際社会で責任を果たすのに必要な程度まで」だと思います。そもそも１企業が背負いきれるものではない非常事態。加えて、東電は原子力行政の申し子を法人化したような存在ですよね。民間企業の位置付けなのにカネも口も出すというのはおかしいですが、100歩譲って、それでうまくいくなら構いません。それくらい切羽詰まっているのに「アンダーコントロール」などと、どの口が言えるのでしょう。

東電は解体、政府が全責任を。（asuka0921・東京都・39）

そもそも、東電を始めとする電力会社に原発を進めさせてしまったのは自公政府の責任です。産学連携で安全神話とムラ社会を作り上げ、利益を独り占めさせ、そこから献金を受け、正に一体だったのですから、政府が全責任を負い、福島への対応と、東電の解体を進めるのが筋だと私は思います。税金を使うことには大変腹が立ちますが、自民公明に投票して来た国民にも責任があると私は思います。未だ、ドイツのように脱原発を決めず、海外輸出まで狙うとは、筋が通りません。

企業責任を追及しつつ（真打ち・栃木県・44）

総合的に考え、一企業だけの問題では既にないことは明らか。しかし、政府が公言したにせよ、並行して企業責任を問う姿勢は崩してほしくないと考える。政府の対応や、大企業である事にあぐらをかくような事は断じてあってはならないと私は思う。企業は継続的に責任の負い方に向き合ってこそ、「再発防止に努める」と、苦しんでいる人々に誓う、せめてもの資格が生じるのではないだろうか。

政府が全面に立つ（mieuxxx・神奈川県・44）

最早、東電という一企業で対処できる範疇を超えているのではないでしょうか。現実的に可能かどうかは不明ですが、東電の一部を国営化して、福島の対策については国が全面に出るとしたほうがよいではと思ったり。財源をどうするのかという別の問題がありそうではありますが……。

責任の取れない事業から手を引く（Ai・兵庫県・40）

汚染水の問題はわからないことが多く、自分が理解しているとはとてもいえません。ただ、首相が国際社会に公言した「under control」とは、タンクの汚染水の最終処理まで責任持って行えるということではないのでしょうか。それができないのであれば、地球を汚染し人間を含めた生物の健康と生存を脅かす放射能汚染水を垂れ流すような原発事業からは手をひき、それを国際社会に推奨する脱原発の動きについてリーダーシップを取ることが、日本政府の責任だと私は思います。

汚染拡大防止に全力を（buba・海外・その他・44）

日本への移住を検討中で春より0・3・6歳の子どもと関東（北部）に滞在しました。将来子どもたちに説明できるようまず私が理解したいのですが、「原発につきまとう体質」「首相のオリンピック招致でのパフォーマンス」等を考えると、誰・何を信じていいか難しい。まず、汚染拡大をストップさせてほしい。事故後、汚染が続いているということは信じがたい。世界にも協力を求め、「最短」で汚染拡大防止に取り組んで欲しい。

原発問題、国がどこまで関与したらいいのか、悩ましい問題です。私が思い出すのは、水俣病の救済問題です。
 
当時、化学産業担当だった私は、この問題を取材しました。原因企業のチッソに補償能力がないと判断した政府は、県債を発行してチッソに融資するという仕組みをつくりました。公害の補償は原因企業に負担させるという原則を維持するためですが、チッソを倒産させてしまうと、公害批判の矛先が政府に来ることを恐れたこともあります。いま振り返ると、この仕組みは機能したように見えますが、企業が倒産しない範囲での補償という制約が暗黙のうちにできてしまったのではないでしょうか。今も、救済を求めている人たちが大勢いるのは、ご承知の通りです。
 
今回の汚染水問題で国際社会が驚いたのは、今も海洋汚染の可能性が続いていることです。地球の海はひとつですから、海洋汚染は地球市民にとって私たちの問題です。東電のこれまでの対処方法は、モグラたたきで、表面化した問題を取り繕う「対策」をするだけですから、世界を安心させることはできません。そう考えると、少なくとも汚染水問題は、政府が全責任を負って、抜本的な対策を講じないと、世界の信頼を得ることはできないでしょう。オリンピック誘致の方便ではすまされません。みなさんからのコメントを読みながら、そういうことなのだ、と思いました。
 
そこで発生する費用は国民が背負うのか、東電に支払わせるのか、という費用の問題、さらには、東電という企業をどういう形にするのか、という問題が残りますね。そして、みなさんからのコメントにもあった原発の輸出問題があります。途上国は、増大する電力需要に応えるとともに、核兵器につながるウランやプルトニウムを手にしていたいという「国家の本能」から、原発を求めています。世界の原発ビジネスをみれば、東芝・米ウエスティングハウス、米ゼネラルエレクトリック・日立、三菱重工・仏アレバといったグループが獲得競争を繰り広げていますし、日本を含め、途上国援助や支援とからめて自国の原発を売り込むこともしています。
 
よそ様に売るなんておこがましいし、どうしても売るというのなら、まず、自分の庭をきれいにしてから、という意見、原発ビジネスの世界的な需要を考えれば、より安全で技術の高いものを出すために参画するほうが世界のため、という意見、輸出問題をめぐっては、いろいろな意見が出ています。みなさんは、どう考えますか。


★高成田議長の過去の円卓会議より
・尖閣諸島、国有化に賛成ですか？
・東京電力による電気料金値上げ、仕方ないですか？
・震災復興、進んでいると思いますか？

• 2013.09.18
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員