働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3284 開催期間 2014年03月21日- 03月28日
世帯単位課税への移行には、圧倒的に多くの方が反対でした。皆さんのご意見を私なりに総括すると、以下のようです。 「世帯」というものが流動的になりはっきりしない中では、課税単位としては個人の方がよい、世帯単位に変えると専業主婦家庭が優遇されたり、歳入が減るなどの問題がある、税制で少子化対策という発想そのものが間違い、というご意見までありました。 私も、個人単位で定着しているわが国の税制を世帯単位に変える理由はないと思いますし、出生率を高めるために世帯単位課税に変えるというのは、いかにも「国家主義的な発想」のような気がします。 それより、女性の勤労インセンティブを損なっている配偶者控除の問題は、一日も早く手をつけるべき課題だと思います。この税制のために6000億円の歳入(税収)が失われています。なにより、所得控除なので、高所得専業主婦家庭ほど多くの利益を受けていることはおかしいので、税額控除に直すことなどの抜本的改革を検討する必要があるでしょう。 しかしこのような損得が生じる税制改革は、政治的にはホットイシューです。安倍政権では期待できそうにありません。そこで、最もマイルドな案としての「家族控除」を提言してみました。個人単位の中で家族の要素を高めるというものでもあります。 確かにこの案は、幾人かが指摘されているように、配偶者の所得をあるところまでは正確に把握する必要があるので、それをどうするかという問題があります。マイナンバー(番号)を活用するということでしょう。税制改正というのは、どうしても複雑になりがちですので、じっくり考えてください。経済財政諮問会議でも今後議論が続いていきます。 私の好きな米国の有力な経済学者の言葉があります。「みんな今年のアカデミー賞は誰が受賞するかについては大変大きな興味を持っているが、あなたにアカデミー賞を選ぶ投票権が与えられているわけではない。しかし、税制については、われわれに、税制を選ぶ1票が与えられている。」(J.スレムロッド)という言葉です。 また議論しましょう。★森信議長の過去の円卓会議より・消費税8%。価格は、総額表示がいいですか?・女性の社会進出のために配偶者控除を廃止し、財源を子育てに使うことに賛成ですか?・消費税の「軽減税率」導入、賛成ですか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.