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会議番号:3318 開催期間 2014年11月14日- 11月21日
1週間議論をしてきました。先延ばし賛成、反対の比率はほぼ6:4で、議論の間変わりませんでした。世の中の意見はおそらく7:3で延期賛成ではないかと思います。 先延ばし論の中で、「経済が回復しないと税収も回復しない」という意見がありました。これはもっともなご意見です。問題は、どうすれば経済が回復するのか、アベノミクスで本当に効果が上がるのだろうか、副作用はないのだろうか、この辺りの議論を今後深める必要がありますね。 先延ばし反対の議論は、「財政再建といいながら選挙で無駄使いするのが理解できない」「中長期的な社会保障の健全性を考えると先送りは良くない」「負担だけでなく受益に注目していきたい」「増税=悪という形で議論する国からは卒業しよう」というもっともな意見でした。 私自身は、増税再増税の先延ばしというのは、負担を先送りする安易な政策だと思います。ましてやそれを大義に、衆議院解散・総選挙という理屈は全く理解できません。つまり今回の解散は、消費税の問題より、政治的な利害(今解散した方が、与党有利)を考慮した結果だと思います。 しかし、消費税引き上げが先送りされた以上、それを前提に、今後のわが国の財政や税制をどうすべきか考える必要があります。 まず、消費再増税先送りによる財政への影響です。社会保障財源が減るわけですが、一体改革の原点である、高齢者から子育て家庭へという社会保障の中身のシフトは断固として継続すべきでしょう。そのためには、年金や高齢者医療、介護に回る経費を厳しく見直す必要が出てきます。それが本当にできるかどうか、それとも赤字国債の増発になるのかどうか、これが今後の焦点です。 次に、財政目標を堅持することです。安倍総理も、「2020年度プライマリーバランス黒字」という目標は断固守る、と明言しています。しかし、17年4月に消費税率を10%に引上げ、アベノミクスが成功するケース(名目成長率3%)でも、2020年度のプライマリーバランスは未だ10兆円以上の赤字です。 つまり、2020年の財政目標を達成するには、もう一度増税という重い課題をこなさなければならないのです。もっとも、10兆円の全てを消費税で賄うわけではなく、半分程度は歳出削減で賄うとしても、依然5兆円程度、つまり消費税率に直して2%程度(消費税率は12%)の引上げが行われなければつじつまが合わなくなります。ずっと先のことだと考えられているかもしれませんが、そんな先の話ではありません。 また、少子高齢化の中で、活力ある社会にするためには、人口減少を防ぐような政策を次々に打ち出す必要があります。それは、税制でいえば、配偶者控除を廃止して、児童税額控除に衣替えすることや、新たにワーキングプアへの支援、具体的には、フルタイムで最低賃金で働いても、年収200万円そこそこで結婚もできない、子ども持てないような世帯への支援策を考えていくことです。 16年1月からマイナンバーが始まります。それを活用して、効率のよい社会保障制度、本当に支援すべきところに支援の手が届き、勤労のインセンティブとなるような制度を作っていくことが必要です。番号制度については改めてこの場で議論したいと思います。 1週間ありがとうございました。★森信議長の過去の円卓会議より・消費税8%。価格は、総額表示がいいですか?・女性の社会進出のために配偶者控除を廃止し、財源を子育てに使うことに賛成ですか?・消費税の「軽減税率」導入、賛成ですか?
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