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会議番号:3370 開催期間 2015年11月20日- 11月27日
東アジアの平和と安定は、日本の繁栄にとって必要条件で、かつては、「一つの中国」をめぐる中国と台湾の対立、朝鮮半島での韓国と北朝鮮の対立が最大の懸念材料でした。ところが最近は、尖閣をめぐる中国との対立や、「慰安婦」をめぐる韓国との対立など、日本自身がこの地域における不安定要因になっています。 1980年代の日米貿易摩擦を記者として取材した経験がありますが、国と国とが対立するときには、双方にそれぞれの主張と正当性があり、そして関係悪化は双方に原因があります。東アジアの安定という大局的な見方に立てば、政府間の関係悪化に同調して双方の国民がけんか腰になるよりも、市民レベルでの交流を深めることのほうが、結局は双方の国家にも国民にも利益になると思います。 前回の議論で、「いぬいるか」さんは、米国に追従する日本としては、台湾にTPP参加を促す必要もあると述べていますが、今回のコメントの「あさーかす」さんの言うように、中国の参加を誘いながら台湾も誘う、というスタンスで臨めば、米国の思惑とは別の構図が描けるかもしれません。「うそも方便」ですし、「うそから出たまこと」ということもあります。 「blueberry53」さんも「mayupyon」さんも「にしひがし」さんも、台湾との交流の深化を提案しています。政府に限らず自治体でも「公」がからむと、中国から文句が出るようですが、経済や観光だけでなく、文化的な交流なども広げる必要があると思いますし、自治体レベルでも姉妹都市など検討する余地はあると思います。日本の10程度の自治体が台湾と姉妹都市になっているようですが、サンフランシスコは上海と台湾と姉妹都市になっているそうで、もっとふえてもいいのかもしれません。 今年は戦後70年で、中国では「抗日戦争勝利70周年」行事が大々的に行われたと報じられていますが、台湾での記念行事は静かに行われたようで、このあたりの「温度差」は、日本人としてもっと認識する必要があると思います。 歴史を言えば、抗日戦争を主導したのは国民党(もちろん共産党も抗日に加わっていますが)であり、戦後、「恨みに報いるに徳をもってす」という言葉で、日本兵を中国大陸から速やかに帰国させ、戦後賠償を求めなかったのは国民党の蒋介石です。「しろえちゃん」は、台湾を「穏やかな中にも強さがある」と評していますが、歴史を思い起こせば、その通りだと思います。 今回の歴史的な首脳会談で、中台の距離が近くなったのなら、日本も中国に遠慮せず台湾に近づく範囲が広がっているかもしれません。「真打ち」さんは、「今回の出来事を追い風に、歩みを止めず具体的な行動をすることが大切」と述べていますが、いろいろなレベルでの交流など具体的な行動の時だと思います。 さて、私たちに残された最後の宿題は、中国とどう向き合うか、ということです。中台会談や日本との対話姿勢など、中国側の変化を日中関係という文脈で前向きにとらえていけるのかどうか、それとも本質は変わっていないと見たほうがいいのか、悩ましいところです。中台のトップ会談を期に、いろいろと考えさせられた一週間でした。ご協力ありがとうございました。★高成田議長の過去の円卓会議より・東日本大震災から4年。風化したのでしょうか?・東北の復興支援、続けていますか?・最近の世界経済、気にしていますか?
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