働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3377 開催期間 2016年01月29日- 02月05日
10代が予期せぬ妊娠をする前に、大人たちが始められるアクションプランの投稿をありがとうございました。「誰にも言えなかった」という状況を防ぐために、「広い知識とオープンな環境」(おがわさん)や「一つ一つの選択を支えること」(銀木犀さん)をはじめ、各家庭で子どもに話すポイントや方針、タイミングや悩みなどを共有いただきました。10代サポートに、リアリティが高まっている方も多いのではないでしょうか。 「認識する機会」(おれんじ78さん)のおっしゃる通り、「体を大事にしなさい」と抽象的に説明されても、望まない妊娠の予防にはあまり役に立たちません。初めての海外旅行前に「気をつけるのよ」と伝えても身を護ることができないのと同義でしょう。 「男性の取り組みも」(Zonnetjeさん)のご提案のように、1組の男女からしか妊娠が起こりえない事象である以上、男女に「知っていたら防げる」と未来地図を渡すことが重要です。日本では小学4年生の保健の授業で二次性徴期と身体の変化から学びますが、2001年より男女が同室で学ぶ授業に変わりました。 1985年にAIDS第一号の報告が出たこと、1995年北京女性会議で「リプロダクティブヘルス&ライツ=性と生殖の健康と権利」が提唱され、知識を得ることは権利だと主流化されてきました。しかし、解剖学的な性器名称を学んでテストで満点をとるだけでは、将来、新しい命を迎えるライフスキルを得ることにはなりません。 「男性側への知らせ」(jeniさん)は25歳。私が特に重要視している課題を書いてくださいました。 「最近、身近な男友達(学生)が結婚しました。相手は20歳になったばかりの女の子で妊娠しています。彼が彼女の妊娠を知らされたのはもうおろせなくなったあとだと聞き、少しこわく思いました。若い女性の妊娠、相手も若く社会に出ていない場合も多いはずです。」 今年一月には3歳児の虐待死の報道が2件あり、その両方とも母親が10代の出産、加害男性は23歳と20歳でした。このたびの議題は「10代の出産が週250件」で、年間約13000人ですが、これが24歳以下ですと10万人弱になるのです。若い母親は無業状態が多く、子どもの非社会化も想定されます。子どもの6人に1人が貧困と危惧されていますが、実は女性の貧困なのです。24歳以下の妊娠先行結婚の場合は、その後60%が離婚となるという報告があります。未婚のままもあるでしょう。結婚を約束して妊娠経過しても臨月の前に離婚となる場合もあります。今こそ、20代前半の非安定的な状況下での妊娠出産を安全にする対策が急がれると考えます。 jeniさんも危惧される「男性側に知らせない、知らせるのが遅い等、女性主導すぎる話を聞くと疑問に思います」というケースが多い現状を変えるためには、男女ともに学ぶ機会が必要です。20代前半でのそのような状況を未然に防ぐためにも、10代からのアプローチが重要でしょう。 10代の頃から、デートDV予防や不安定なパートナーシップでの妊娠を未然に防ぐためには、命の尊さを感得する機会提供以外にも具体策が必要になりそうです。家庭状況が困難な10代をも包括支援でき、未来を守るライフスキル提供は、学校での展開が一番好機となるのではないでしょうか。 男子も女子も未来の親たちだとしたら。未来の母は、今の少女たちだとしたら。ネット上での、性暴力に近い映像情報も過剰な今、10代の妊娠が年間約13000件、10代の中絶が年間約17000件の今、学校では、男女に、どの時期に、どのような機会があるとよいでしょうか。 性暴力被害による中絶もあることは悲しい現実です。多くの子が、親には言えません。知識だけでは防げないようです。中絶を希望して妊娠する女子は0人、ということを前提に議論したいと思います。10代に「安全な性」を伝える好機が、学校生活の中にあるとしたら、最良の形とは何でしょうか。★大葉議長の過去の円卓会議より・働く女性と出産タイミング。考えたこと、ありますか?・10-20代に、妊娠・出産のこと教えられますか?・養子縁組に、興味がありますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.