イー・ウーマン（ewoman）

どう動いたら良いか考える（banana5・神奈川県・38）

ぱっと思いつくのは、今後住宅ローンを組む人にとってはメリットがあり、住宅購入の需要が増えるかもしれないということでしたが、他の投稿にもあった、年金への目減り影響は気になります。今回のこのニュースを機に、改めて資産運用について考える、興味を持つ人が増えると思うので、企業がそのニーズをうまく捉えたサービスを出そうと頑張り、結果的に消費者にとってより良いサービスや新たなサービスが出ることにも期待したいです。

気分はマイナス（くみboo・51）

マイナス金利が始まったばかりですが、これが長期化すれば何かしら影響があると思っています。ローンはないので恩恵を受けるよりも、マイナス面が出てきそうです。持っている銀行株は大幅下落中ですが、この機会に買い増ししました。

元本保証の投資が…（marco302・海外・その他・44）

長期預金、株、投資信託で老後資金を増やしています。唯一元本割れしない長期預金がこれではどうしようもありません。株価も下がり続ける中、金利まで下がっては、年金が期待できない40代世代はどうやって老後資金を増やしたらよいのでしょう。この状況では箪笥預金でも同じ。投資もせず放っておくのが得策かもしれません。

どんな影響があるかはまだ不明（mayupyon・東京都・44）

ローンを組む予定はなく、もともと低金利の預金を貯蓄しているだけの私に、どんな影響があるのか。今回の会議を読んでもなおよくわからずにいます。今朝の新聞に「金融機関は運用難に苦しみそう、利用者へのサービス低下につながるおそれも」とあり、金庫の売り上げが3割増とも。これが景気回復につながるとは思えず、景気の「気」は気分の気でもあるのに、良いイメージが全く出来ません……。

政策の見通しは（SallyChan・東京都・45）

オリンピック開催地のブラジルは景気後退とインフレがおきているようですが、日本もオリンピック後の景気減退を想像すると、もっと世界経済の動きに目を向けないといけない時代だなと思います。低金利でお金が借りやすくなっても、長いデフレ体質の企業（や個人）が投資体質にかわるにもはなかなか時間がかかりそうです。物価目標達成も先送りになったまま、政策の見通しは不透明でもプラスの結果になるためにはどう動くことがベストなのかも気になります。

実体経済とのずれ（ゆみ子・愛知県・34）

マイナス金利を発表した時、金融機関は、そんなにも投資先に困り、日銀に資金が集中しているのかと不思議に思いました。ただ、以前からECBがマイナス金利政策を行っていたのに、日本は超デフレ時にもマイナス金利を発表することはありませんでした。日本で前例がないにも関わらず、思い切った舵取りをした黒田総裁を、私は評価しています。これで、融資を必要とするところにお金が行くことを願っています。

影響の実感はありません。（じゃすみん・東京都・49）

あまり良くわかっていない事もありますが、マイナス金利の影響を実感する場面にまだ遭遇しておりません。住宅ローンについては2年ほど前のこれ以上金利が下がらないであろうというタイミングで見直しをしていますので、今だったらもっと得したのかしら？などと思ったりもします。経済が立ち行かなくなるのでは？といった負のイメージが大きいのですが、マイナス金利を行うメリットなど経済の素人にも解る様な説明が欲しいところです。

金利とリスクは比例しない（DiamondBar・東京都・47）

金利が低くなれば企業や個人が金融機関から借りやすくなるのかもしれませんが、信用リスクや事業リスクが金利同様に低下するわけではないので、貸出金利はすでに最低水準になっていると思います。むしろ返せる能力のない人に低金利を前提に貸してしまうことで返せなくなり、米国のサブプライムローン問題のようなことが起こらないか心配してしまいます。

皆様、毎回たくさんの投票・投稿をお寄せいただきまして誠にありがとうございました。
 
今回は「マイナス金利」の話題を取り上げましたが、実際には「よくわからない」、「経済の素人にもわかるような説明が欲しい」などといったご意見も少なくなかったように思います。それは至極ごもっともなことで、実のところマイナス金利導入の影響というのは非常に複雑なプロセスを経て発覚するものが少なくありませんし、良い効果が期待できるとしても、それが実感できるのは相当先のことになるものと思われます。
 
たとえば、住宅ローンの金利が下がることは事実ですが、それで直ちにマンション購入の契約に結びつくわけではありませんし、結果的にマンションの販売が伸びたとして、それをデータ上で確認できるようになるのは少なくとも半年ほど後のことになるでしょう。つまり、そうしたデータを確認することで人々が「景気は上向いてきている」などと実感するのも相当先のこととなるわけです。
 
おわかりのように、日銀がマイナス金利を導入した目的は一つではありません。個人の消費を喚起するという目的もあれば、企業の設備投資意欲を刺激するという目的もあるでしょう。どちらかと言えば後者の方が重要であると考えられ、結果的に企業の設備投資が増加すれば、それに伴って企業の収益が拡大し、賃金が上昇傾向を辿り、個人消費が活発化し始めることに結びつく可能性も大いにあります。もちろん、そうしたプロセスを辿って本来の目的が果たされるまでには相当な時間が必要です。
 
預貯金の金利が下がり、場合によっては「預かり賃（口座管理料）」を求められる可能性もあるとして、金庫が売れたり百貨店「友の会」の入会が増えたりしているといった話題も世間を賑わせていますが、当然、誰もがそうした行動をとっているわけではありません。安くなった株価や投信の基準価額に注目している人もいれば、比較的小口から不動産投資が行えるリート・ファンド（複数の不動産投資信託を対象に運用する投信）に新たな資金を振り向けはじめた人も実際に少なくありません。
 
様々なルートを通じて、少し時間をかけながらも経済の活性化に結びつくように働きかけるというのが、本来のマイナス金利導入の目的であろうと思います。それに加えて「日銀が金融政策でこれだけ動いたのだから、次は政府が財政政策で動いてくださいよ」といった政策要求の意味合いもあるのだろうと思います。それは単に財政の出動規模を拡大するということだけではなく、たとえば消費増税計画の見直しや投資関連の優遇税制導入などといった選択肢もあります。とにかく今は政府・当局が一丸となって政策総動員で臨まねばならないときです。その成功の可否は誰にもわかりませんが、大いなる期待を抱きながら見守って行きたいものです。
 
今回、皆様からたくさんの投稿や投票をいただきましたことに対しましては、どれだけ感謝してもし切れないものと存じております。また、いずれ皆様と活発に議論させていただける機会を与えていただきたいと思っております。このたびは本当にありがとうございました。


★田嶋議長の過去の円卓会議より
・最近の金融市場の動きに関心ありますか？
・あなたの生活、景気が良くなってきましたか？
・金（ゴールド）、持っていますか？

• 2016.02.19
• 田嶋智太郎 経済アナリスト、日経CNBCコメンテーター