働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3406 開催期間 2016年09月02日- 09月09日
職場での流産や死産、妊娠出産と仕事の両立対策として、制度・風土づくりへの多様なご意見やご提案をいただきました。ご自身の体験をお伝えくださる方もあり、感謝しています。 みもざさんは、ご自分の体験とともに「このテーマを扱ってくださったことに感謝です」と書いてくださいました。国家資格を持ち、専門性高く働く女性グループでも半数の方が流産経験を持っていて、驚いたとのことです。 真打ちさんが「制度の存在は、説明や理解を得る上で"強い見方"のはず」とおっしゃるように、まずは社内制度作りが不可欠です。出産経験者の上司がいたとしても、個人的経験からの情報提供で誤りがあってはいけないでしょう。妊娠初期12週までは流産のリスクが高い時期であること。胎盤が完成する妊娠15週まで体調不良であることは生理的であり、個人でマネジメントできる課題ではないこと。流産を防ぐ薬剤や治療はないことなど、上司が基礎知識を共有するだけでメンタルサポートになるはずです。marco302さんからの意見のように、妊娠初期は直属の上司だけに報告し、周囲には安定期後に周知するのが良いでしよう。上司とは「安定してからは同じ仕事がしたい」と協議できる風土が必要です。 実際に私自身は15年間で5回の流産を経験しました。胎児側の原因が60~70%で流産となるといわれ、防ぐ策はないにせよ、安定期までの安静を求められるたびに退職していました。契約社員ではありましたが、40代で出産する女性も5万人を越え、働く女性が多い今の時代、プロフェッショナルの働く女性が流産退職せざるをえない構造が継続していては非建設的です。 まず、労働環境を整えるためのリテラシーとして、妊娠出産職場復帰後の育児に関して、職場の管理層が基礎知識を持つことが、妊娠後離職予防のためにも、最優先課題かもしれません。業界、業種、職能ごとに多様ですが、各社で協議されるべきことでしょう。厚生労働省も、不妊治療をする社員を応援するように、またはファミリーフレンドリー企業を目指すようにと、職場の風土醸成のための仕組みづくりを進めています。 ナカサワさんの提案「人事部に結婚報告があった際に、妊娠出産関連の待遇や制度を説明する、資料を渡す、また産休育休の経験者をメンターのように紹介できる制度」や、mayupyonさんの「妊娠出産を経験した女性でカウンセリングの基礎的なスキルも身につけた社員をカウンセラーとして置き」のように、社内で経験を持つ人財を、カウンセラーやメンターとして配置する提案が目立ちました。 私が設立した一般財団法人のベビー&バースフレンドリー財団でも、この課題解決のために「バースフレンドリーマネージャー」の育成研修のパイロット版を実施中です。大企業では妊娠出産経験者の復帰も実現しており、暗黙知でカウンセラー的存在が上司にいるかもしれませんが、99%の中小企業や社歴の短いITベンチャー企業などでは、まだ産後職場復帰した女性人財が多くはありません。 妊娠出産経験者でなくともサポート体制を社内に構築する必要性があるのではないでしょうか。妊娠出産は非常にデリケートな問題で、人事部は男性も女性も、妊娠出産の基礎知識とサポート技術は、職場管理のリテラシーとして保有するべきでしょう。宣伝のようで申し訳ありませんが、9月末発刊となる私の新刊「キャリアと出産~働く女性とワーク・バース・バランス」(河出書房新社)も参考にされてください。職場流産予防対策は、妊娠判明後に退職してしまう60%の女性正規社員の離職予防になるかもしれません。代替要員の豊富な、公立機関や大企業だけではなく、すべての職場で“新しいいのちが犠牲にならないこと”が、真の女性活躍推進社会となるでしょう。女性活躍推進社会が、命に優しい改革となるために、あなたが働く職場やコミュニティで今日から始められることは何ですか?★大葉議長の過去の円卓会議より・働く女性と出産タイミング。考えたこと、ありますか?・10代の出産、毎週250名。知っていましたか?・養子縁組に、興味がありますか?
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