働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3406 開催期間 2016年09月02日- 09月09日
最後日となりました。これまで個人的な体験談をお伝えくださった方、大切なお気持ちをお書きくださりありがとうございました。また、上司として経営者としてのスタンスで検討を開始されたとのコメントも大変嬉しく拝読しました。「私は男性ですが、昨日、この円卓会議の画面をみんなで読みながら、少し話をしました」とのあさーかすさんのフロンティア精神に感謝です! また、mayupyonさんからは「妊娠初期の友人に今日この円卓会議のことを教えてあげました」との嬉しいコメントをいただきました。1週間にわたり、女性の継続就業支援対策として、これまで議題として上がりにくかった「流産」のテーマで会議を進めてきました。結果、相談できている人は35%にとどまり、悩める当時者の潜在数の多さが顕在化しました。この円卓会議に参加された皆様からの多様なご意見やご提案が、各社の女性活躍推進の新体制構築モデル創りのお役に立てることを、心から願いながらまとめていきます。 ひるねさんは「既婚、未婚、子どもの有無に関わらず地域や職場で共有しておきたい」とコメントくださいました。おっしゃるとおり、企業社会からバースフレンドリーな風土を醸成すれば、電車内で妊婦さんがマタニティマークをつけるだけで押されたり危険な目に遭うという社会を変えられるかもしれません。誰もが生まれてきている時は新生児で、乳幼児、児童、学童と、社会に出るまで20年間ほどは保護下に置かれます。家庭環境や養育環境は多様であれ、今働いている人の誰もが、保護されてきた時期があることは共通です。 働く女性が当たり前の社会となる女性活躍推進時代、最近は女子高校生未来会議のメンバーからも「5年後に就職する会社は、2人産んでからも復帰しやすい会社がいい。産める会社はどこですか?」と聞かれました。今は約35%しか流産の心配を相談できていない状況や妊娠判明後の退職が約60%である現状を、次世代に伝えられる環境に変革する責任をいっそう感じました。 女性からしか始まらない「新しい命」のはじまりの不安定な時期の課題を共有し、各社の職場が対応可能とすれば、産後も働き続けたい優秀な女性社員を獲得できるかもしれません。もちろん、誰もが妊娠出産を希望するライフデザインではありませんし、多様性を大切にした制度設計が望まれます。 私は養子縁組で家族になる方々のサポートも継続しているのですが、養子縁組をとりまく法律も改正が続き、0歳児を授かるのはこれまで専業主婦以外は許可が出にくかったのですが、今は働く夫婦も、子どもを授かるケースが増えています。この場合、企業は養子縁組で親になる社員も育児休業を取得可能となる制度設計が必要になります。養子縁組のテーマは別の機会にお伝えしますが、家族の誕生も多様な時代に入っているのですね。 「守秘義務のある専門家の存在を求める」Lin0313さんは、クライアントに妊娠の事実を隠すのは至難の技な中、上司とは、お互い初めての経験で不安な状態だったとのこと。 これまでの会議でも出ていた社内マタニティコンサルタントのような、労務と妊娠中のメンタルサポートの両方に精通した人材が、守秘義務を守りながら仲介する仕組みが、各社求められます。にしひがしさんも、学校のように、産休要員を職場に配属させることを提案してくれました。産休要員の子どもも託児できる体制をとの案で、このような柔軟な働き方で互助できる会社が増える社会こそ、成熟した社会なのかもしれません。 男性も女性もLGBTの方々もどんな方々も、キャリアデザインを検討するときには、養子縁組も含めた妊娠出産・子育てのライフデザイン・リテラシーを学ぶ機会が社内であれば、チームとして「産む・産まない」を越えて、新しい命に優しい、豊かな社内風土と社会風土を構築できるのではないでしょうか。 「働く」とは、「人として動く」と書きます。戦場のような職場で、妊娠出産する社員を危険な目に遭わせたくないからと、これまでは妊娠退職も少なくない時代が長く続きました。人口減少社会で、成果を出しながら志気高く働き続けるチームを創るとき、妊娠出産リテラシーの共有は経営戦略となると考えます。経営陣や男性管理職層も共有することで、真の健康経営が実現してゆくのではないでしょうか。 「新しい命」は、妊娠7週までは「胎芽」妊娠8週から「胎児」と呼びます。新しい命の芽が摘まれることのない職場が増えることが少子化の歯止めにもなります。バースフレンドリー企業が増えるよう、各社の新しい働き方制度と風土改革が進みますように、これからも社会の一員として、皆様とともに前進したいと存じます。 会議へのご参加、ありがとうございました。★大葉議長の過去の円卓会議より・働く女性と出産タイミング。考えたこと、ありますか?・10代の出産、毎週250名。知っていましたか?・養子縁組に、興味がありますか?
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