イー・ウーマン（ewoman）

たとえ有害でも避けては通れない（Jerryb・東京都・50）

現在の北朝鮮や中韓漁船の海域侵犯の対応のように、自衛隊や海上保安庁は有事の国防の役割をすでに担っています。これが不要という人はいないでしょうが、現在は違憲。私は9条に防衛のための軍事力は妨げないという一文を入れることのみ賛成です。デメリットは国際的に反発を招くことですが、受け入れられるかどうかは中韓、東南アジア諸国に対して言葉できちんと説明し、理解を得る努力ができるかどうかにかかっています。そのためにも思考停止をやめて、国内の議論がまずは必要だと思います。

有害になる場合もある（レッズ・埼玉県・36）

有害になる場合もあると思います。存在を認めることでアメリカの戦争に道連れになる可能性があるためです。北朝鮮が脅威でも平和国家の理念は捨てないで欲しいと思います。戦力不保持からすると自衛隊の存在はおかしな解釈かもしれませんが、私はこれまでの自衛隊の活動を高く評価しているため違憲とは思っていません。改正するにしても、これまでの自衛隊の活動が明文化されるレベル内ならば有益だと思います。9条を改正しても北朝鮮の脅威は変わりません。

改憲は有益（れあれいん・滋賀県・39）

自衛隊は、国防の要です。時の政府による解釈によって、存在が左右されるなど、あってはならないことだと考えます。中国や韓国などが日本を脅威とみなすことになったとしても、実際に、中国による尖閣諸島への接近や、北朝鮮のミサイルと核開発などが現実としてある以上、当事国以外の理解は十分に得られると考えます。日本は島国であっても、中国、北朝鮮、だけではなく、ロシア、韓国、台湾とも接していることを自覚する必要があると私は思います。

自衛を正しく認識する（DiamondBar・東京都・48）

自衛隊は軍隊ではないというおかしな説明よりも、「他の国の軍事的攻撃や災害から国民を守るための組織」ときちんと明記することで、自ら戦争を起こすためのものではないということを他の国にも知ってもらえると思います。「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」という1項は引き続き残すことで、平和を望む気持ちが伝わると思います。

曖昧さを修正したら国内外に有益（地球交響曲・大阪府・40）

「戦力はこれを保持しない」と書かれている9条2項の部分が、「自衛の為の必要戦力（近隣国の戦力データに基づいて）」のように、軍と外から見られる部分を自衛隊に見合う形にするだけでもはっきりして良いと思いますし、災害の際には特に活躍が見られるように有益な面の方が大きいと感じています。

日本の自衛のため（kyoko004・神奈川県・40）

自衛隊の存在を憲法上認めることは、国防、国を守るという観点からは有益と考えます。日本は過去の歴史や、現在のアメリカに守ってもらっている現状から、他国を侵略することや戦争を始めることには敏感になる一方、自国を侵略をされることに関しては危機意識が無いと私は思っています。アメリカが今後も守ってくれる保証はあるのか、守ってくれなくなった場合、自国の軍備を整えるのにはどのくらいの時間がかかるのかを考えると、自衛のための軍隊は保持することを明確に内外に示してほしいと私は思います。

不勉強が故のシンプルな感想（メヌエット・兵庫県・58）

私は、自衛軍という位置づけは有害だと思います。憲法は不勉強ですが、地球の何処にどんな国があって、誰がいるのかよくわからなかった時代、科学技術が未発達だった時代と今では、戦争の形も自衛のあり方も違い、軍隊（武器）による自衛の意思表示は有害だと思います。一方、災害（人災・天災）救助隊としての自衛隊はとても有益です。仮想敵国からの自衛ではなく、人災・天災からの自衛としての自衛隊という位置づけが、憲法の基本的人権の尊重にもつながると思います。

安全保障という日頃あまり馴染みのない話題にいきなり入ったため、皆さんの意見には相当ばらつきがあるように見えます。また軍事活動と、国境や領海を守る警察活動とをいっしょにしないようにご注意ください。たとえば尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵犯にしても、中国が出している船はいわゆる「海警」の船で、軍艦ではありません。軍艦による領海侵犯は敵対行為と受け取られる恐れがあるので、そこは中国も一線を引いています。
 
Jerrybさんの、「中韓漁船の海域侵犯」というのは「領海侵犯」なのか、それとも昨年話題になった小笠原諸島周辺での「不法操業」のことなのか。「自衛隊や海上保安庁は有事の国防の役割をすでに担っています」とありますが、漁船の不法操業に自衛隊が出て行くことはないし、海上保安庁の活動は「警察活動」であって、軍事行動ではありません。ここには憲法上の疑義は存在しません。
 
私たちは戦後72年間、平和について語ってはきたものの、どうやって平和を獲得するかについては語ってきませんでした。平和憲法があるからという理由だけで、日本が平和であったわけではないと思います。憲法改正論議のときに、安全保障についてしっかり議論したいと思います。
 
さて話題は打って変わって、教育です。現在の憲法には、普通教育について触れられています。それが無償であることもきちんと謳っています。安倍首相は今回の談話の中で、高等教育の無償化について触れました。子どもが親の経済格差によって高等教育を受けられないということを減らすというのが目的です。
 
それは別に憲法に書き加えなくても、法律で実行できるという、2日目のcostasさんのご意見もあります。ただこういう事例があります。民主党政権時代に高校の無償化はいったん実現しました。しかし自民党政権になって、支給に所得制限がつきました。つまり法律にすれば、政権によってそれを変えることは比較的容易にできるということになります。その意味では憲法に書けば、そう簡単に変えることはできません。
 
皆さんに伺います。高等教育の無償化についてはどうお考えになりますか。現在の憲法では、第3章の国民の権利及び義務の第26条にこう書いてあります。「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」。そして第2項に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育はこれを無償とする」。これが日本の経済発展に大きく寄与したことは事実でしょう。皆さんのお考えをお聞かせください。


★藤田議長の過去の円卓会議より
・経済記事、読んでますか？
・中国の南シナ海進出、脅威ですか？
・集団的自衛権行使容認、あなたは賛成ですか？

• 2017.05.17
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹