イー・ウーマン（ewoman）

むしろ教育研究の質確保では（costas・東京都・50）

議長ご指摘の「高校無償を後退させた側」が「自政権が後退させた前政権の政策を憲法で復活・永続化させる」奇妙さが気になりますが、一旦離れ純粋に政策とすれば、子どもを社会全体で育てる理念には賛成です。ただ将来の社会変化への政策での柔軟対応を逆に妨げる懸念も。むしろ教育研究予算の削減傾向、短期の結果重視の近視眼化（武器開発研究への誘導も）、教育研究内容への国家介入など、現実に指摘される高等教育環境の質の低下を百年の計で押しとどめることのほうが憲法の役割と考えます。

教育こそが個々の自衛（violet-m・神奈川県・46）

教育の有無が格差を生み、格差が争いを生んでいる中、「お金が無くて高校、大学に行けない」という層は無くなって欲しいです。反面、高校の無償化については、財源確保が難しい中、憲法にせずに所得制限等の幅を持たせ、時代に合わせていく方が現実的に思えます。国内外の情勢が刻々と変化する中、適切な判断力を持つことが大事。判断力の基礎となる知識を個々に持つことは、非常に重要だと思うので、理想としては教育の無償化はどんどん進めて欲しいのですが。

無償化は憲法で規定して欲しい（morning1967・東京都・49）

高等教育の無償化は、人権として規定して欲しいです。「義務教育」の解釈を高等教育まで拡大解釈することも可能かもしれませんが、それでは、中学卒業後の職業選択の自由を奪うことになります。ですから、勉強したい子どもがひとしく高等教育を受けられるよう、無償化を明記して欲しいと考えます。そして、今回の改憲ですが、最後は国民投票で決せられるものです。9条・26条の各論も重要ですが、改憲とはどういうことなのか、立憲主義そのものを国民全体にもっと伝えて欲しいと思います。

国が教育を受けさせる義務を負う（シンゴパパ・静岡県・50）

高等教育の無償化には賛成です。但し、「すべて国民は、。。。保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」は「国は、すべて国民に普通教育を受けさせる義務を負ふ。」として欲しいです。子どもたちは、親の状況に関わらず、教育（や医療）を受ける権利があり、国はそれを保証する義務があると思います。子どもの教育（や医療）が無償化されれば、子どもたちのためにも、この国のため（少子化）にも効果があると考えます。

改憲せずとも無償化はできる！（いぬいるか・東京都・57）

高等教育の無償化が現行憲法で禁止されているわけではないので、改憲しなくてもできる。それなのに、安倍政権は憲法にこれを明文化し、その財源はどうするつもりなのか。憲法学者の木村草太氏が「国民投票には1回850億円かかる。それを奨学金に充てたほうがいい」という主旨の発言をされており、私も賛成だ。高等教育無償化など響きの良い言葉で改憲へと国民を誘導したり、曖昧なまま数の力で押し切るのは止めて欲しい。

憲法改正とは無関係で議論を（あさーかす・大阪府・44）

貧困家庭が問題となっている今、高等教育無償化は憲法改正よりも先に取り組んでほしい課題です。憲法改正は、国民投票までする一大事業です。その前に取り組めることをなぜ今いうのか。私は9条改正のとっかかりを探っているとしか思えません。「義務教育はこれを無償とする。」と憲法でうたっているのだから、義務教育の定義を変えて高校までにしたうえで、制度を整えていけばよいのではないでしょうか。

今言い出している理由を危惧（unagi・東京都・56）

私は、民主党政権時代に高等教育無償化に猛反対していた自民党政権が、憲法改正を打ち出した今になってまったく逆のことを言い出したことを非常に危険だと思っています。高等教育無償化という甘い言葉で、自分たちに都合のいいように憲法を改正するチャンスを伺っていると考えます。私は護憲派ではありませんし、無償化を憲法に加えることは検討してもよいと思いますが、自民党政権時代に改憲に踏み切ることは止めたいと思っています。

高等教育の無償化には賛成でも、その「動機」が不純だと考える方もおられるようですね。私もまったく同じような気持ちでいます。しかし動機が不純であれ何であれ、憲法をいい方向に変えられるのなら、少なくとも国会の憲法審査会でまじめに議論をすればいいのだろうと思います。
 
憲法のどこを何のために変えるのか、自衛隊の明文化は必要か、高等教育の無償化は必要か、非常事態条項は必要か、改憲発議の3分の2の要件を緩和することが必要か、国民にも徹底的に議論を投げかけたらいいのではないでしょうか。
 
私たち一般国民は憲法そのものをきっちり理解しているとはとても言えないでしょう。国会の憲法審査会でどのような議論が行われているかフォローをしている方もきっと少ないはずです。
 
憲法は私たちの国家作りの基本ですから、そこに何を盛り込むのか、条文を変えるのかで、少なくとも近い将来の日本の姿が変わる可能性があるのです。
 
憲法の条文そのものはネット上でお金をかけずとも読むことができます（ちなみに私はKindleで読んでいます）。また衆参両院の憲法審査会も議事録がきちんと公表されています。衆議院はこちら、参議院はこちらで見ることができます。私も丹念に全部を読んだわけではありませんが、やはり憲法という重大な問題を議論するためには、参考資料も含めてチェックしたほうがよいと改めて感じます。
 
1週間、ありがとうございました。


★藤田議長の過去の円卓会議より
・経済記事、読んでますか？
・中国の南シナ海進出、脅威ですか？
・集団的自衛権行使容認、あなたは賛成ですか？

• 2017.05.19
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹