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会議番号:3443 開催期間 2017年06月23日- 06月30日
投稿には、第三者委員会に懐疑的な意見が目立ちました。粉飾決算やいじめ問題などで期待され役割を果たさないケースが目立つからでしょうか。全ての第三者委員会がそうだとは思いませんが、周囲のチェックが弱いと、当事者が都合のいい人選をして責任逃れの道具に使うことがあります。 しかしそうしたことも含め、私たちは行政や企業活動を判断し、次の選挙や投資判断につなげる、というのが今の社会です。 今回「総理の意向が反映されたと思うか」と問いかけたのは、たとえ水掛け論であろうと、皆さんは自分なりの判断をしていると思うからです。他人を説得できる証拠はないけど、状況や経過から自分なりに判断するのです。 新聞記者をして、残念でたまらないのが、自分では「こうに違いない」と思うことを書けないことです。圧力が掛かり没にされる、ということはありませんでした。書けない理由は、裁判になった時、勝てるだけの証拠が集められない、ということです。 取材は「任意」です。関係者が重要な証言をしても記事にすると名誉棄損で訴えられる恐れがあります。取材源は明かせないことがほとんどです。居酒屋の私的な会話では「本当はこういうことなんだ」と明かせても、新聞に書けない。デスクは「裏を取れ」という。検察のような捜査権があれば解明できるのに、と思うことはしばしばです。 40年余記者をして感ずるのは、重要なことは裏で決まる、審議会や政策協議など表の論議は決まった結論を正当化する手順に過ぎない、ということです。国権の最高機関である国会は、決まった政策を追認させる関所でしかない。大事なことは「密室」で話し合われ、役所の調整は水面下です。 抵抗する文科省の事務次官が官邸に呼ばれ「総理が言えないから変わって言うが」などと総理補佐官から言われた、などという証言を聞くと、「やはりそうか」と妙に納得してしまいます。 総理の指示があってもいい。しかし、行政にはルールがある。それを歪めるのは「ルール違反」です。今回の一件では、「総理が関与したか」が大問題になっていますが、私の関心は「行政のルールが歪められたか」です。 私は、第三者委員会を設けて検証すべきだと思います。それは「誰が指示したか」を調べるのではない。加計の獣医学部が行政のルールに従って決まったのか、決定過程を明らかにして正しい決定だったか、をきちんと明らかにすることです。 前回書きましたが、特区での認定は、「国際競争力の強化、国際経済拠点の創設」のためです。特区で試してうまくいけば全国に広げる。獣医学部には、不足が起きているか、新技術の開発に不可欠か、既存大学の増員では間に合わないか、などの条件がありました。これらの条件がきちんと議論され、確認されたのか、調べることが必要でしょう。 最終場面で「広域的に存在しない地域に限り」という特区の条件と関係ない基準がいきなり示されたのはなぜか。誰がなぜこの基準を入れたのか。 国民が見守る中で検証が行われれば、今回の一件は、「正当な議論を踏まえて」といいがたい無理筋だった、と分かるのではないでしょうか。 検証に耐える行政を行うことが民主視主義の根幹です。ルール違反がまかり通っていたとしたら、誰がルールを歪めたのか。国会で議論し、有権者が判断すればいいと思います。 公文書とは、政策を後で検証するために保存されるものです。日本では、政策過程の検証に必要な「裏のやり取り」を示す文書が「個人のメモ」にされ、公文書の扱いになっていない。そのことが政策の検証の妨げになっていることを私たちは学びました。 「ある」ものを「ない」と言い張る政治が見えたことも、今回の貴重な成果ではないでしょうか。★山田議長の過去の円卓会議より・米大統領選。この選び方、いいと思いますか?・おカネが動く五輪、仕方ないですか?・本土の人は、沖縄に冷淡だと思いますか?
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