働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3451 開催期間 2017年08月18日- 08月25日
たくさんの投票とあたたかい投稿をありがとうございます。 「通報した後はどうなるのか」(知世khさん)という投稿をいただきました。 全国の児童相談所が虐待の通告を受けると、原則として48時間以内に家庭訪問を行って子どもの安全を確認することになっています。まずは子どもの安心安全を守ることが優先されています。子どもの安全が脅かされていれば一時保護され、子どもを児童養護施設などの社会福祉施設で育てながら親のサポートを行うなど、その後の方針を検討することになります。 この最初の訪問段階や、その後の方針を検討するところでも、いろいろな角度からの情報提供がとても重要です。児童相談所も保育所や幼稚園、学校、医療機関、地域の支援団体などと連携していますが、「だれかが通告するだろう」ということではなく、いろいろな方が「虐待かも」だったり、「心配な親子がいる」ということを「189(いちはやく)」児童相談所全国共通ダイヤルに通告くださることによって情報量が増え、親子をどうサポートしたらいいのかの判断や計画をよりよくできることになります。 「負の連鎖は断ち切れる」とviolet-mさん。ご自身のつらい体験を通して、「子どもを別人格として尊重し、良い家族関係を築いている方に出会えて嬉しく感じています」と投稿くださいました。子ども虐待は連鎖すると言われていますが、私は連鎖ではなく、環境だと思っています。親から虐待を受けて育っていても、ご自身はとても丁寧にお子さんと向き合って子育てしている方がたくさんいらっしゃいます。暴力や暴言がない環境、そして親子が温かく受け入れられ、支えられる環境を整えていくことがとても大切と思っています。 「認識を、メディアや日々の教育現場で知らせていく必要がある」(にしひがしさん) 「何が虐待なのか、どうすればよいかを含めて子育ての基本を教える」(Jerrybさん)という投稿もいただきました。そもそもしつけとは何か? 虐待とはどういうことかを知る場所が増えるといいですし、できるだけ子どもが生まれる前に、そのような情報提供をしていかれたらと思っています。 私事ですが、昨年度から浦安市の「プレパパママ講座」で、今年は葛飾区でもプレパパママ向けの「ハローベビー講座」を持たせていただき、その中で「虐待とは」と直接的には強調しませんが、子どもへの向き合い方を伝えさせていただいています。「親のストレスが暴言・暴力になって、目の前の子どもに向かってしまう可能性がある」こと、「子どもを親の言うとおりにコントロールするのではなく、子どもの気持ちをキャッチし尊重して次の行動を考えさせたり、困難を(一緒に)解決していくように対応していきましょう」とお伝えしています。 「日本でも始まった「ネウボラ」のような切れ目のない子育て支援制度がスピード感をもって広く一般に普及することによって、母親の心理的ストレスを軽減」(いぬいるかさん)という投稿もいただきました。「ネウボラ」はフィンランドが発祥。ネウボラはアドバイスの場という意味です。妊婦さんがいる家族にネウボラおばさん(おじさん)の担当がついて、妊娠から出産、育児までを支えていく制度です。日本でもこの考え方を取り入れていこうということで、「妊娠・出産包括支援モデル事業」をスタートしており、いくつかの自治体が先進的に取り組み始めています。これは子育て支援包括支援センターとして法定化され、平成32年までに全自治体設置の方針が出されています。 各自治体が手探り状態であるため、仲間と共に先日「にっぽんネウボラネットワーク研究所」を立ち上げ、情報提供や啓発を進めているところです。 みなさんの投票や投稿を読ませていただき、やはり啓発と温かい目が大事ということを再認識しました。もちろん国や自治体としての制度は必要ですが、暴力や暴言が起こらないような支えや環境作りはとても大事だと思っています。近所の親子に「おはよう」「こんにちは」のあいさつをしたり、駅の階段でベビーカーの移動を困っている親子がいたらサポートするなど、温かい目で支えられているという実感は、子育て中のママパパの心を前向きに強くします。ぜひ今日できることから、はじめてみませんか。★高祖議長の過去の円卓会議より・「ワンオペ育児」。母親の負担を減らす方法、ありますか?・「189」。虐待通報したことありますか?・しつけのつもりが行き過ぎる。理解できますか?
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