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会議番号:3466 開催期間 2017年10月27日- 11月03日
みなさま、最終回も沢山のご意見ありがとうございました。 情報源について、いろいろ検討しているようですね。匿名性が高くかつ簡単に自分の意見を世界中に発信できる時代なので、知識が乏しくても個人の価値観でいかようにもワクチン評価を論じることができてしまいます。あさーかすさんの投稿のように、根拠のないデマと思われるニュース記事には、本当に注意が必要です。 nekosaurusさんは、かかりつけ医を情報源としているようですが、一方で、いぬいるかさんは、そうではないようですね。これは、かかりつけ医の先生の専門性の違い、たとえば循環器や消化器、もしくは感染免疫などが理由ではないかと思います。そういった場合は、是非、この円卓会議でいろいろなご意見をいただき、理解を深めていただければと存じます。 kyoko004さんは、複数の論文や学会等のニュースを判断材料としているようですね。やはり、情報の出どころは、しっかりと確認したいです。 通常、私たちが参考にする医学論文は、連日、電子版や紙媒体で世界中に出版されています。すべての論文は、数字化された上でランキングされます。この評価の代表的なものにimpact factor(IF)というものがあります。これは、その論文が、どれだけ他の論文に影響を与えたかというものです。 みなさんもNatureやScienceといった有名な論文雑誌名を聞いたことがあるかと思います。これらは論文雑誌の頂点に位置し、IFは30~40程度です。高ければ高いほど、その医学雑誌が世界的に高い評価を得ているという証拠です。 そもそも、IFの対象となる論文は英語のみですが、日本の医学学会が発行している英語版の論文雑誌は、ほとんど1、もしくはそれ以下です。IFの付いている論文雑誌には、論文の内容を評価する審査員がおり、その論文の実験解析の正確性や社会インパクト、そして重要性を審査して雑誌への掲載を決めますが、IFが高ければ高いほど、その審査は厳しく、科学的に重みのある論文として評価されています。 個人的には、twitterやFacebookで拡散するような情報は、やはり、かなりbiasがかかっており、あまりお勧めできません。そのため、IFの高い医学論文を確認することは確実ですが専門的で分かりづらい表現もあるため、テレビや新聞で取り上げられるニュースや、円卓会議で取り上げた有効性の考え方、そして米国CDC等のHome pageを参考にしてください。 marco302さんのように、海外でのワクチン接種になると日本と医療保険制度やインフルエンザワクチン接種の概要が変わる可能性もありますね。でも、集団接種にて、集団予防をしていくとのこと。素晴らしいと思います。 さて、御質問をいただいた投稿もございます。おがわさんは、接種するタイミングについて、困られていますね。一般的には、ワクチン接種後、抗体産生は約半年程度、持続します。そのため、10月ごろ接種しても、翌年の3月ごろまでは、十分に抗体産生が持続しますので、接種タイミングは10月でも問題ありません。 また、13歳以下の場合、2回接種しますが、1回目と2回目を、3~6週間程度空けていただくと2回目接種後の抗体産生は、高くなることがわかっています。1回接種の成人の場合には、接種後、抗体産生に3~4週間は必要です。 推奨する接種時期は、10月~11月に1回、2回目が必要であれば、その4週間後が良いと思います。 ちゅまさんは、卵アレルギーの質問をされました。現在のところ、国内では季節性インフルエンザワクチンの製造には卵が必須ですが、新型インフルエンザ対策のワクチンは、動物の細胞でも製造可能です。そのため、将来的には、卵以外の材料による季節性インフルエンザワクチンも商品化されると思います。 また、現時点で、卵アレルギーのある方全員が、インフルエンザワクチン接種ができないわけではありません。アレルギーの症状により接種方法は変わりますので、アレルギー専門医にご相談ください。 unagiさんのように、まだ接種を迷っている方は、5年前と今回の円卓会議を参考に、しっかり考えて自分の答えを出してください。 今回は、いまが旬のインフルエンザワクチンについて議論してきました。今回も、やはり、接種率は、50%でした。ワクチン後進国から脱しつつある日本です。これからも、正確な情報をもとに、timelyな医学の話題を議論したいと思います。みなさま、1週間ありがとうございました。★田村議長の過去の円卓会議より・RSウイルス、知っていますか?・アニサキスやサルモネラ菌など、食中毒の予防。実践していますか?・ノロウイルス感染症に備えていますか?
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