イー・ウーマン（ewoman）

株価が上昇しています。ニューヨークも2万4000ドルと史上最高値を超えました。日本のバブル時のピークは1989年12月29日 の終値38915.87円が史上最高値です。日本の株価は、現在は2万4000円前後というところでしょうか。長らく低迷していた株価がようやく戻ってきたのは確かなことのように思えます。落ちた幅の半値まで戻したというところでしょうか。市場関係者の中には、「半値戻しは全値戻し」として、バブル時の最高値3万9000円弱を付き津抜けて4万円時代がくると言っている人もいます。
 
でもそこまで楽観できるかどうかは、私はかなり疑問に思っています。株価はともかくとして日本経済そのものがいろいろ問題を抱えているという気がしているからです。まず挙げなければいけないのは、何と言っても財政の問題でしょう。日本の公的な借金はざっとGDPの2倍を超え、先進国中最悪の水準となっています。2020年までにこの財政を再建する（少なくとも新たな借金を上乗せしない）というのが安倍内閣の目標でしたが、達成はほぼ不可能になっています。しかも安倍首相は、2019年秋の増税（8％→10％）分を借金の返済ではなく教育の無償化に回すという方針を打ち出しました。
 
もちろん2020年のオリンピック・パラリンピックの準備もありますから、多くの企業が懸命に仕事をこなさなければならないほどの仕事があるでしょう。しかしそれも2019年にはほぼ終わってしまいます。オリンピック特需が終わったとき、企業を取り巻く環境は厳しくなります。
 
そして誠に残念なことに、東芝や神戸製鋼、日産自動車、三菱マテリアルなどさまざまなコンプライアンス違反がでています。品質を売り物にしてきた日本企業にいったい何が起こっているのでしょうか。なぜこんなことが起きているのか、その病根は私たちが考えているよりも深いのかどうか。とても気になります。
 
今後1週間、なるべく具体的に、日本の経済の良い点、悪い点を議論していきましょう。よろしくお願いします。
 
株価上昇。日本経済は良い方向に動いていますか？





★藤田議長の過去の円卓会議より
・総選挙、投票先は決めましたか？
・経済記事、読んでますか？
・アベノミクス、まだ期待できますか？（2013年6月）

• 2017.12.01
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹