イー・ウーマン（ewoman）

職種によると思います（le petit prince・千葉県・26）

私は、女性、シニア、移民の働きは職種によると思います。私の仕事場は、接客業ですが、商品などの搬入もあり体育会系でまた、外国人の方の来店が多く、どうしても移民の方の働き手が必要となります。しかしながら、別の職種では、女性やシニアの方が活躍しているところを目にします。臨機応変に対応していくことも大切ではないかと思います。

日本の潜在労働力（Piwo・36）

外国人労働者の受入れは、受入れ体制の整備が整った段階でのみ賛成です。受け入れた側と受け入れられた側双方がwin-winになれる制度が理想ですよね。同時に日本の元気なシニアとポテンシャルのある女性の労働力。保育園や学童等の若い女性の就業を後押しする制度の充実と拡張がカギだと思います。しばらく仕事から離れていた女性たちへの復帰支援には行政だけでなく、民間企業の投資も労働力確保には必須だと考えます。

目先の労働力確保移民はダメ（unagi・東京都・58）

目先の労働力を確保するための移民制度は良くないと思いますが、労働力不足をシニアや女性に補ってもらう事には大いに賛成です。将来を見据えると、人口減少に歯止めがかから無い状況が根底にあると思いますし、日本に帰化して日本人として生きたい人たちをどういう基準で受け入れて行くかを真剣に考えなくてはいけないところに来ていると思います。ただその基準が2号の定住型という政府案では無いように思います。

通訳と安全管理（真打ち・栃木県・49）

日本で労災死した外国人労働者は、10年間(2017年迄)で125人いるという。数字の背景には、日本語の理解不足を感じる。操作手順・安全への理解度は、雇用側が認識する度合を実際は下回っていた可能性があるのでは。業種にもよるが、通訳の有無は事故防止に直結する。シニアや女性の活用を同時に考えた場合、移民への通訳やメンタルケアの分野でも活路があると思う。ただ、予算を考慮すると労災死者数を、政府や企業がどこまで重く受け止めているかに判断は委ねられそうだ。

相乗効果で多様性が進む（ひるね・東京都・51）

入管法改正案には多々疑問がありますが、定住型の移住者、受け入れ自体には賛成です。女性や高齢者の活躍推進とは同時に進めて欲しいと考えます。直近の課題の労働力不足解決のためにはどちらか片方では間に合わないだろうというのもありますが、日本のダイバーシティが、移民売け入れと女性やシニア活躍の相乗効果によって推進すると考えるからです。楽観的かもしれませんが、多様な人が活躍する職場は次世代の意識も変え、日本の様々な課題を解決できると思います。

体力的に無理な仕事も（DiamondBar・東京都・49）

女性やシニアを活用といっても、農業、建設、介護、サービスなどどれも担い手のいない状況です。やりたくない、もしくは体力的につらい仕事ばかりです。若者もしかり。賃金を上げれば人が集まるということでもないでしょう。すでに多くの外国人に頼っている状況であり、外国人なしには今後も難しいと考えます。むしろ、将来介護される可能性のある人は英語を勉強するなどの必要が出てくるかもしれません。

同時に改善（綾ooo・東京都・41）

建築関係の仕事をしているので、人手不足や外国人の増加を身近に感じることが多いです。建設現場では、日本人の労働者は高齢化が進んでいます。外国人の受け入れだけ、女性やシニアの活用だけを議論していては遅いと、私は思います。全ての人が働きやすい環境整備を今から行うことで、労働力不足を補う必要を感じます。

女性やシニアに加えて（くみお・岡山県・49）

活用できていない労働力の中に、ニートやひきこもりといった人々も含めてもらいたいです。女性もシニアも外に出づらい若者も、自立して活躍できる社会であってほしいです。移民を受け入れる体制を整えることによって、今よりも寛容な社会が実現するといいと思います。

外国人労働者の受け入れを拡大する前に、高齢者や女性などの潜在労働力をもっと活用すべきではないか、という円卓会議の参加者からの問題提起をみなさんに投げかけてみました。「le petit princeさん」は、自分の職場の周りを見て、女性やシニアが活躍している職場もあるし、外国人が必要な職場もあるとして、「臨機応変に対応していくことも大切」と述べています。 「DiamondBarさん」も、外国人労働力を必要としている職種は、人気がなかったり、体力的につらい仕事ばかりだとしたうえで、「すでに多くの外国人に頼っている状況であり、外国人なしには今後も難しい」と言います。
 
今回の外国人労働者の拡大策は、14業種に限っているようですが、女性やシニアだけでは対応できない職種では、臨機応変で外国人を受け入れていくしかないし、そこから長期定住という意味での移民がふえるのも仕方がないのかもしれませんね。
 
「仕方がない」と、私は言いましたが、そんな意識では、これからの時代に対応できない、という意見もありますね。「ひるねさん」は、「日本のダイバーシティが移民受け入れと女性やシニア活躍の相乗効果によって推進する」と主張しています。これからの社会を発展させるのは、多様性（ダイバーシティ）であり、労働力の不足を補完するのが外国人か女性・高齢者かではなく、そうした人々を包摂する多様性がなければ社会は発展しない、というわけですね。
 
「くみおさん」は、十分に活用できていない労働力というなら、ニートや引きこもりも含めてもらいたい、という意見です。「女性もシニアも外に出づらい若者も、自立して活躍できる社会であってほしい」からだと言います。まさに社会の多様性ですね。「綾〇〇〇さん」も、外国人の受け入れとか、女性やシニアの活用とか、個別に議論するのではなく、「全ての人が働きやすい環境整備を今から行うこと」の必要性を訴えています。文化や性、年齢、障がいの有無などを問わないことを目指した建築や製品などの設計をユニバーサルデザインといいますが、ユニバーサルな労働環境の整備が必要ということでしょう。
 
多様性のある社会をつくる、という観点からみると、これまでの政府の対応は鈍いというかお粗末というか、なんともまどろっこしいですね。「Piwoさん」は、とくに女性の労働力を生かすという点で、「保育園や学童等の若い女性の就業を後押しする制度の充実と拡張」など、仕事から離れていた女性たちへの復帰支援が必要で、それには「行政だけでなく、民間企業の投資も必須」だと語っています。「unagiさん」は、「日本に帰化して日本人として生きたいという人たちをどういう基準で受け入れていくかを真剣に考えなくてはいけないところまで来ている」という認識のもと、今回の入管法改正による「特定技能2号」のみに家族帯同を認めるといった方策では不十分だとみているようですね。
 
「真打ちさん」の問題提起も重要ですね。日本で労災死した外国人労働者が10年間で125人いたという問題で、「数字の背景には、日本語の理解不足を感じる」として、移民への通訳やメンタルケアとして、女性やシニアの活用を提案しています。
 
政府は、外国人が多くいる市町村など100か所に外国人支援の相談窓口を設けると表明しています。私が1980年代に、家族帯同で米国勤務をしたときに、子どもたちは公立の各学校に向けられた「英語を第二言語としている人たち」（ESL）のクラスで英語を学びましたし、妻はコミュニティの同じような”学校”で、英語を学びました。米国はそれだけのコストと人材を外国から移住してきた人たちにかけていたのですね。
 
外国人労働力を労働力としてだけではなく生活者として受け入れるしかない、と考えた場合、英語教育などの生活支援のコストや人材をだれが提供するのか、あらためて考えてみたいと思います。最終日に向けて、みなさんの意見をお寄せください。
 


 
★高成田議長の過去の円卓会議より
・自民党総裁選、安倍首相の続投がいいですか？
・平昌五輪。朝鮮半島の平和と安定につながりますか？
・東北産の農林水産物。食べていますか？

• 2018.12.19
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員