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会議番号:3527 開催期間 2019年01月18日- 01月25日
ブレグジットを巡る大混乱を見ていると「英国は民主主義の先進国だな」と感じます。国の針路に関わる大事な決定を「円卓会議」に委ねている。でも民意は「正しい」とは限らない。「これはヤバイ」と気付いた時、どう修正するか。英国は難しい課題に取り組んでいます。 「合意無き離脱に突入したら英国のGDPは最大8%落ち込む」。中央銀行・イングランド銀行(BOE)は警告しています。EU貿易に関税、物流大混乱、工場操業停止、ポンド急落、輸入品値上がり、物価上昇、住宅価格急落などのリスクを警告しています。 政治家、官僚、企業経営者などの間では「離脱あり得ない」が大多数でした。しかし、民意は「離脱」を選んだ。メイ首相は「残留派」でしたが「民意に従う」として秩序ある離脱を模索しました。EUも英国に出ていかれては困る。双方とも妥協を重ね「協定書」が出来た。しかし火がついた「自国第一」は妥協を受け付けませんでした。 「一度離脱して頭を冷やしたら」(Futachanさん)は正論です。一度抜けてしまったら再加入は現実的に難しい。英国は瀬戸際に立っています。多分、離脱日が後ろ倒しになり数カ月の猶予が与えられるでしょう。政府の本音は「残留」あるいは形式離脱・実質残留という「妥協策」でしょう。貿易の半分近くをEUから抜ける選択は英国にはない、という判断です。 本音は「再投票」でしょうが、国民投票は軽いものでない。「望む結果が出るまで国民投票を繰り返すことになりかねません」(DiamondBarさん)の指摘とおり、民主主義の根幹にかかわる。 私たちの円卓会議はどんな結果がでようと「模擬投票」であって、国政に責任を持つものではありませんが、英国は「円卓会議」で国の針路を決める。さすが民主主義の先進国。すごい度胸です。 実施したキャメロン政権は「国民はブレグジットを選ぶわけはない」と高をくくっていたようです。行政サービスの低下、格差拡大という政策がもたらす有権者の怒りを「ガス抜き」するつもりで実施した、と私は見ています。それが予想外の結果になった。 同じことがアメリカでも起きていました。トランプ政権の誕生です。目を凝らすと欧州大陸でも起きている。ドイツではネオナチが勢力を伸ばし、フランスは極右のルペン氏が大統領選の決選投票に残った。日本でもネトウヨが増え、安倍政権の支持が高い。 こうした流れの中で英米の政局が突出しているのは、グローバリズムの母国であることと無関係ではないしょう。社会主義が倒れ、競争原理と自己責任の旗を振ったのがアングロサクソンの国家です。 英国も日本も代議制ですが、政治家に任せば間違いない政治が出来るかといえばそうでもない。歴史を見れば政治は誤りの連続でした。英国は「円卓会議」に委ねましたが、素人も誤りを犯します。英国は大混乱ですが、その中で「政治を自らのことと考える人」が増えることでしょう。 大事なことは「誤り」が分かった時、どう修正するか。民主主義の課題は「誤り」を自己修正する力ではないか。政治の誤りを放置すると、悲惨な目に逢うのは国民です。 日本でも、沖縄で辺野古基地建設を巡る県民投票が近く行われ、憲法改正国民投票も浮上し、他人事ではありません。自己決定と自己修正。自信ありますか? 円卓会議で鍛えましょう!! この一週間、傾聴に値する意見を沢山頂きありがとうございました。★山田議長の過去の円卓会議より・危険覚悟の記者を政府は救う必要あると思いますか?・沖縄知事選、注目していますか?・米朝会談。期待すること、ありますか?
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