イー・ウーマン（ewoman）

政治に対する無関心が大きな原因（レッズ・埼玉県・38）

政治は悪くなっていると思います。今回の一件が良い例です。与党も野党もお粗末。とにかく政治家の質が落ちていていると感じます。政治家全体として勉強が不足していて、これからの日本をどの様な国にしたいのか明確なビジョンを描けていないと感じます。国民の質がその国の政治の質を決める、という言葉を聞いたことがありますが、国民の政治に対する無関心が大きな原因だと思っています。私はこの円卓会議も活用しながら、自分が暮らす日本がどの様な国であるべきか考え続けていきたいです。

個別の施策に終始しすぎでは（おれんじ７８・神奈川県・41）

議長が提案された「高福祉・高負担」か「低福祉・低負担」かというような議論がなされないまま、個別論点ごとに国民に受けやすい政策を出してきていることの積み重ねが大きな財政赤字の一因と思います。選挙でも、施策とともに財源・期待効果を明示するなど、パッケージとして政策を訴える場になってほしいと思います。そして報道メディアもあげ足取りにならないように議論をリードしていただきたいと思っています。

政治だけでなくマスコミも（yukodeluxe・東京都・48）

私が以前に試算したところ、今の生活では老後のために2000万くらいでは到底足りないことが明らかになりましたので、今回の結果には特段の驚きはありませんでした。そういった現実を直視し、どんな福祉のあり方にしていくのかを建設的に議論し、国民に理解を得るのが本来の政治の役割であるならば、日本の政治は機能しておらず、また、政治と国民を正しくつなげる役目であるはずのマスコミも今は機能していないと思います。

野党のレベルが低すぎる（DiamondBar・東京都・50）

実現性の薄い耳触りのいいことを言うのは野党のほうが圧倒的に多く、揚げ足取りばかりで期待されているチェック機能になっていないと思う。一党独裁を防ぎ、クリーンな政治を進めるためには野党の質も高くなければいけないがこの国にはまともな野党がない。同じくらい与党も覚悟を以て国民を説得しようという人がほぼいない。身を挺して消費税導入を行った竹下元首相のような政治家が必要だと思う。

軟体化（真打ち・栃木県・49）

方向性は、悪化の一途だと私は思う。例えば、多用が気になる「丁寧な説明」には、本質を捉えず、後にいかようにも事実が歪曲できてしまう都合の良さを感じる。非難回避を意識するあまり、自分の言葉を持たない政治家が増えた表れではないだろうか。最近は、改元や五輪招致で例年とは異なる渦中で、社会が高揚気味であり、窮状に関心が向きにくい懸念がある。何より、人物や制度には、確固たる骨が欲しい。

皆さんの投稿を拝見すると、今回の老後2000万円報道にびっくりしなかったというご意見がほとんでしたね。つまりは年金だけで暮らせるはずもないし、それ以外に金融資産が必要というのはほぼ常識であるということだと思います。
 
今回の騒動は、そういった実態に対して不都合な報告書が出たときに、とりあえず蓋をしたいという自民党の体質が露わになったということでしょうか。「不安を与える」からと説明されても、国民はそもそも不安を抱えているのだと思います。それが個人消費がなかなか伸びない理由だと思っています。思えば、バブル崩壊後の失われた20年も、問題の本質を解決しようとするよりも安易に財政出動で景気を維持してきた結果です。1990年まではいわゆる「赤字国債」の発行は禁止されていたのです。
 
政治はなぜかくも「劣化」しているのでしょうか。フランスでマクロン政権が誕生したときには、まだフランスの良識が残っていると期待したものです。しかし、それもEU議会の投票ではやはりポピュリストたちが票を伸ばしました。北欧でも同じ傾向が見られます。アメリカはもちろんトランプ大統領が再出馬を表明しました。その一方で民主党には有力候補がいないのが実情です。有り体に言ってしまえば、レッズさんが言われるように、政治家がビジョンを語ることなく人気取りに終始してしまっているのでしょうか。ビジョンを語れる政治家は、有力2世議員や3世議員しかいないのかもしれません。それは、票のことで頭がいっぱいになることがないからでしょう。
 
でも日本社会の問題は、現実のほうからどんどん迫っています。オリンピック・パラリンピック景気で造られるインフラも、その後はどうなるのでしょう。負のレガシーにしないと言いますが、本当にそうならないのか。いくらかけても2020年を成功させればいいのか。右肩上がりの社会であればそれでも耐えられるでしょうが、基本的にこれからの日本は右肩下がりの社会です。しかし政治家やメディア、国民のマインドセットはまだ変わっていません。そこが基本的に大きな問題だと思っています。
 
こういった場で、もっともっと意見を交換することによって、私たちのマインドセットは変わっていくことと思います。1週間、ありがとうございました。




★藤田議長の過去の円卓会議より
・衆参ダブル選挙、いいと思いますか？
・統計の不適切調査。再発防止策ありますか？
・トランプ大統領の貿易政策、気になりますか？

• 2019.06.21
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹