イー・ウーマン（ewoman）

ダイバーシティは進んでいるか（Ｔｏｈｋｏ・東京都・50）

いろんなテーマで言われることですが、日本の教育とか社会とかは、正解や皆で意見が一致することが価値が高いと考えられる傾向にあると感じます。そういう文化の中では、「自分の価値観」より「正しいことを見抜く力」の方が大事のように思われてしまうので、自分は自分でいいんだという考え方が育たない、自己肯定感が子どもの中で育たないのはある意味当然と感じます。私は大人になってから、あれこれ経験する中でそのままの自分を認めるようになりましたが…。

自己肯定感があればこそ（りょうききあきら・千葉県・49）

私は寧ろ、日本の伝統的な風習や道徳観とのギャップで論じられることが多すぎるのが気になっています。影響がないとは言いませんが、日本人の美徳である「謙虚さ」や「謙遜」の文化は自分を卑下することではありません。真の謙虚さや美しい振舞いと捉えられる謙遜は、自己肯定感が強くなければ生まれないので、本質的に両立する概念だと捉えています。また、私自身は子どもの頃に形から入り、大人になる過程でバランスよくどちらも自分のものになってきたと考えています。

未来（le petit prince・千葉県・27）

私は、自己肯定感が高いと思います。フランスで生活した事があり、自分の事をまず肯定し考え行動することを知りました。日本にいた時は、否定的に考えていましたが、この経験で自分の事を好きになりました。今は、日本で生活してます。浮いてしまうこともありますが、学校とは違い、社会は受け止めてくれています。今、世界と簡単に繋がってるからこそ協調性より個人の能力や個性が求められている気がします。この流れが、少しでも日本の考え方、文化をいい方向へ変えて欲しいと思います。

「できて当然」の圧力（walk714・北海道・44）

海外で働いていた時は、資料の整理やグラフ作成など、社会人ならごく当たり前にできる事が高評価され、面はゆかったです。嬉しいけど、甘やかさないでほしいと思っていました。今は、日本式に「あれも、これも達成していない」と悩み、自己嫌悪が多い毎日。反省、と言えば聞こえはいいですが、自己肯定感とは対極にいます。できて当然なのは分かっているけど、評価してくれたらモチベーションも上がるのでは、と思います。自己肯定より他者からの評価の方が日本では重要に思います。

女性の社会進出にも影響（黒船・神奈川県・52）

私は、上手くいかない時に「自分はダメな存在なんだ」と思ってしまう癖を直したいと思っています。周りの外国人女性は総じて自己肯定感が高く、自分の存在自体を価値あるものと認め、同じく他者をも認めている気がします。子どもの頃からお互いの存在を価値あるものとして認めることを、家庭で日常的に伝えているのが日本と大きな違いだと思います。日本女性は相手を立てることを意識して自己主張が苦手、集団の中で引き立て役に廻ってしまう傾向があり、社会進出度の低さに表れていると私は思います。

中・高時代の部活動経験（Linden・海外・その他・44）

中学・高校と体育会系の部活動を通し、勝つことばかりが目標の日々で褒められることはない経験をしました。その頃勉強も偏差値アップを目指して学校、塾とその当時、自分でゆっくり状況を省みる時間もなくただ勝つ、もっと上へという状況で大人になってしまいました。日本を出て会社員となり、粘り強い、頑張り屋と仕事や勉強を通して言われうれしい反面、学生時代から立ち止まって自己肯定することを全くせずに過ごしてきたことがとても残念です。

算数のテストで挫折してから（marco302・海外・その他・48）

今思い返すと、小学生のころ自己肯定感の強い子どもだったと思うのですが、小学6年の算数のクラスで学力別のグループ分けが行われ、下位のグループに入ったころから挫折し、諦めの早い、自己肯定感の低い人格が形成されたように思います。学力が秀でている子を伸ばすことは大変プラスに働くと思うのですが、小さなころに一回のテストで「学力が低い子」と自覚させてしまうような教育はマイナスに働きます。現在も行われていないとよいのですが。

本日も多くの投票、投稿をいただきました。投票結果もyes,noほぼ半数ずつを維持しています。海外在住の方、または海外で暮らしたことのある人からも、国際比較ということでいろいろな投稿をいただきました。

果たして日本人の自己肯定感は低いといえるのか？　この問いに対して、さまざまな調査方法・結果を統計学的に分析した研究では、答えはyesということでした。同じような分析で、日本人の自己肯定感はここ数十年で低下傾向にあること、年齢別変化では、日本人の場合50歳以上になり上昇トレンド、と言われています。本日はこの結果をふまえて会議を進めていきたいと思います。

りょうききあきらさんの、「謙虚さは、本来は自分自身を肯定することで、他者も肯定的にみることができ、自分を卑下することではない」、というご意見が本来の日本の伝統とすれば、近年になり崩れてきているのかもしれません。

walk714さんの、「自己肯定より他者からの評価の方が日本では重要」、Ｔｏｈｋｏさんの、「正解や皆で意見が一致することが価値が高いと考えられる傾向」が顕著となり、黒船さんのおっしゃるように、「周りの外国人女性は総じて自己肯定感が高く、自分の存在自体を価値あるものと認め、同じく他者をも認めている」が日本ではそうではないこと、これらの要因が日本人の自己肯定感を育めない現状なのかもしれません。

「自己肯定感が低いと抑うつ度が高い」こと、これは、私たちの子どもを対象とした調査結果です。そのことから、日本人は抑うつ度が高く、近年それがより顕著になっているのではないかと危惧しております。抑うつ度が高いと、すべての物ごとを否定的にとらえてしまいます。情報が豊富になり便利さを享受していますが、「常に他者と比較される」「目標に到達しない」「休む暇がない」など、精神面では対応できていないのかもしれません。

自己肯定感が上昇トレンドとなっている中高年の層が増えることで、日本の子育て世代や青少年は圧迫感を感じていないでしょうか？　元気な中高年と疲弊した若年者。少子高齢化と結びつけるのは早計かもしれませんが、そのバランスが崩れることが関係しているのかもしれません。私自身も、自分が自己肯定感が上昇トレンドの年齢層であることを自覚して、より若い世代の人話も聴くように心がけています。

皆さまからは、すでに自己肯定感が低いことの問題や、その対応についてもご意見をいただいております。最終日に向けて、現状と対応について、引き続きご意見をさらにお寄せいただきたいと思います。私からは、「情報が増える≒否定的な出来事が増える」ことについての対応、についても、ご意見もいただければと考えています。まずはご自身の自己肯定感が高いかどうかyes,noでお答えいただき、ご意見をお寄せください。投稿をお待ちしています。


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『自己肯定感で子どもが伸びる
　　12歳までの心と脳の育て方』（ダイヤモンド社）



★古荘議長の過去の円卓会議より
・行き過ぎた教育は虐待？と思うことはありますか
・自分は発達障害かも、と思ったことありますか？
・自信をなくしている子どもを元気づける方法、ありますか？

• 2020.02.12
• 古荘純一 青山学院大学教授、小児精神科医