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会議番号:3647 開催期間 2021年07月02日- 07月09日
こんにちは。婦人科医の鈴木美香です。 皆様いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウイルスの流行でマスク生活など様々な制限がある中で、梅雨に入り、心身ともに体調管理がより難しい時期かと思います。 身体は気圧の変化に敏感であり、特に梅雨の時期は、自律神経が乱れやすく、頭痛・めまい・むくみなど様々な症状が出現しやすくなります。こうした自律神経が乱れやすい時期こそ、基本的なことですが、規則正しい生活・適度な運動・バランスの良い食事をより心掛けるようにしてください。 私たちの身体は、こうした気候の変化など外的環境要因によっても様々な影響を受けますが、身体的要因、特に女性においては女性ホルモンの変動によっても影響を受けます。 女性ホルモンがきちんと分泌されて周期的な月経がある年代においては、月経前症候群や月経困難症など月経サイクルに伴う不調、更年期以降の世代においては、女性ホルモンの分泌の乱れや低下による更年期症状など、女性ホルモンの分泌量の変動は、様々な体調の変化をもたらします。 また、そのような女性の不調の社会的経済的影響として、月経困難症だけを取り上げても年間約6800億円の損失(うち約70%が労働損失)という報告(J Med Econ, 2013)もあり、個人だけの問題ではなく社会にも影響を及ぼします。そうした背景もあり、最近では企業などにおいても、女性のヘルスケアに関する勉強会などを開催し、女性特有の疾患やホルモン変化、その予防や対処法について学びの場を提供しているところも増えてきたように思います。 女性ホルモンの変動に伴う不調に対しては、症状にあわせた対症療法(鎮痛剤、安定剤、抗うつ薬等)や漢方薬治療、子宮内に薬を放出する小さな器具を挿入するIUS(黄体ホルモン放出子宮内システム)などに加え、月経前症候群・月経困難症にはピル、更年期障害にはホルモン補充療法のように女性ホルモン製剤を用いた治療もあり、治療の選択肢が増えてきました。 また主に更年期障害の治療に用いるエストロゲン製剤は飲み薬だけでなく、肌に塗るジェル剤、貼り薬(パッチ、テープ)のように治療薬の選択肢も広がっています。 そこで今回は女性ホルモン製剤を用いた治療について皆さんと考えていきたいと思います。「女性ホルモン薬」ピル・ジェル等、使っていますか? YESの方は、女性ホルモン製剤を知ったきっかけや、使用している目的、使用前後での体調面・生活面などの変化等を教えてください。 女性ホルモンの変動に伴う心身の変化を、自然な身体の変化、仕方がないものとして受け入れている方もいれば、より積極的に管理・調整している方もいると思います。 今回の円卓会議を通じて、ピアの皆さんの経験も共有しながら、より快適にパフォーマンスを落とさず活躍できる方法を考えるきっかけとなれば、と思います。 1週間、よろしくお願い申し上げます。
★鈴木議長の過去の円卓会議より
・女性ホルモンについて、学んでいますか?
・気象の変化。体調に影響ありますか?
・相談できる婦人科医、いますか?
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