働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3664 開催期間 2021年11月12日- 11月19日
unagiさん、グループセッション参加事例をありがとうございます。もう少し研修内容を伺いたいですが、グループで互いに無意識の偏見に気付き合うというワークショップでしょうか。unagiさん以外、研修については具体的な体験が寄せられないところを見ると、企業でのアンコンシャスバイアス研修は、まだまだ進んでいないのでしょうか。 例えば、おがわさんは「立ち止まって考えてみる」、blueberry53さんは「経験が大切」、真打ちさんは「無意識の偏見を持たない努力」、ゆりえってぃさんは「男性らしさに近付く」などとあげていただいていますが、これらは個人がそれぞれ意識を高める、努力をするということで相手の無意識の偏見に対して、対応能力を高めようと、自分の無意識の偏見を改良しようとしているという事例ですね。どれも大切なことで、私たちは、それらをしっかり続けていく必要がありますが、ダイバーシティ組織を作るためには、やはり会社など組織として全員にトレーニングをしていく事が重要でしょう。 シンゴパパさんは「KPIとして性別、国籍などによる管理職比率を設定し、到達しない組織の査定を下げるなど、改善を促すことが必要」と、クオータ制の考え方を指摘されていますね。クオータ制とは、例えば女性役員を40%にするなどと目標数値を決めることを言います。賛否両論ありますが、世界の多くの国で採用され始めています。理由は、これまでの無意識の偏見で出来上がってしまった経済・政治・社会の是正するための手段だからでしょう。数値目標だけでなく、罰則をセットにする国も多いです。ノルウェーは女性取締役の数が40%に満たないと上場廃止。カリフォルニア州は今年2021年12月から約1000万円の罰金付きの法律が施行されています。自然には女性が増えていかない、というこれまでの歴史があります。私自身、日本もクオータ制は15-20年間の時限法で必要だと思います。 そして、未来の日本、未来の世界を作るために、アンコンシャスバイアス研修を普及させることが大切ですね。イー・ウーマンでも、これまで企業などに向けてアンコンシャスバイアス研修を提供して来ています。必ず存在し続ける無意識での判断や思い込みに、「気付く」こと。そして、それが差別となっている場合は、自分の力で是正することができるスキルを身につけること、とても大切な研修です。 まおにゃんさんは「具体的に、数字を入れる」という事で無意識の偏見が入らないようにするということですね。とても良い案ですが注意も必要です。例えば「同じ成果を出せば、男女の差なく昇格できる」ということで売り上げ金額などを設定することは重要ですが、実はここも、無意識の偏見が潜んでしまう可能性があります。この時の要注意は「メリトクラシー(実力主義)」です。「我が社は成果主義」という場合、「では、全員が同条件で競い合うことができるスタートラインにつけるよう、企業は環境を整えているか」という課題です。 身長が低い人と高い人がいたとしましょう。そして、壁の向こうに公園があり、たくさんの花が咲いている。二人に「実力主義」で「平等」に接しようとすると、「素早く正しく向こう側の絵が描けたら評価する」と伝えることになります。すると、背の高い人は、塀の向こうが簡単に見えるので「素早く正しく絵が描ける」が、背の低い人は、塀の向こうが見えないので、ジャンプして覗きながら描くので時間もかかるし、正確さに欠ける。「成果主義」だと、背が高い人が成果をしたと評価され、背の低い人は遅いので評価が下がります。これが、実力主義でよくある落とし穴です。 性別や年齢では差別せず、実力主義だと言っている企業の多くが、「平等にしている」と言って、時間短縮で働く女性や、育児や介護がある人たちにも、障害がある人も、それぞれ「各自が頑張ってください」という姿勢で、健康で長時間労働できる男性を標準にして実力を比較しているのです。 そこで今、世界が注目しているキーワードは、「イクイティ(Equity)=公平」という考え方です。「ダイバーシティインデックス」でも、ダイバーシティ、イクイティ、インクルージョン、そしてガバナンス&イノベーション、の4つを柱にし、企業を分析することをしています。多様な人財が集まった(ダイバーシティ)上で、公平な環境を提供すること(イクイティ)が重要なのです。上記のケースであれば、会社が、背の低い人に踏み台を提供し、二人が同じように壁の向こうが見えるようにしてから、絵の出来栄えで評価を決める。これがイクイティです。 では、最後のディスカッションです。無意識の偏見が人事面で悪影響を及ぼさないように、また、組織にいる人たちが一番力を発揮できるようにするために、どんな環境や制度が必要でしょう? 例えば女性、障がい、年齢などで差別されることなく、皆が実力を発揮できるイクイティの考え方、対応はどんなものがありますか。時短で働く人が公平に「成果」を評価されるために、組織が提供できる仕組みや環境はどんなことはなんでしょう。ぜひ、皆さんが考えるイクイティ、皆さんの周囲の職場に存在しているイクイティ、を教えてください。あるいは、「あ、これがないから不公平感を感じていたんだ!」という具体的気づきや事例があれば、そちらでもいいです。投稿、お待ちしています。★企業が取り組んでいるダイバーシティ経営を可視化する「ダイバーシティインデックス」詳しくはこちら★佐々木議長の過去の円卓会議より・あなたの職場、「ダイバーシティ」が進んでいますか?・オンラインでの集い、重要ですか?・時間管理、できていますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.