働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3668 開催期間 2021年12月10日- 12月17日
今回は、乳がんの治療中の方からの投稿や、乳がん検診の経験談などの投稿をお寄せいただき、ありがとうございました。 ぺりさんからは、「毎年検診を受けているのは多すぎるのではないか」と検診の受診頻度についての投稿をいただきました。2日目のコメントでもお示ししたように、対策型乳がん検診の受診頻度は「40歳以上、2年に1回のマンモグラフィ」が推奨されておりますが、個人の乳がんリスクを考慮した場合は、個別に利益と不利益のバランスをみて検診受診項目・間隔を考慮する必要があります。 がんのうち10%程度は、生まれもった遺伝子の変化が原因となるとされ、例えば、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)(注1)体質であることがわかった場合などは、通常の乳がん検診(マンモグラフィ・乳房超音波検査)に加えて、年1回の乳房MRI検査が推奨されるなど、個人のリスクに応じての対応が必要です。また、妊娠中の乳がんの発生率も増加傾向にあり、3000分娩に1例程度あるとされ、晩産化の影響もあるかと思われますが、プレコンセプションケア(注2)としての乳がん検診のあり方も検討する必要もあります。何歳頃からどのような検査をどのような頻度で受診した方がよいかは、パートナードクターや検診を受診した際に、ご自身にとって適正なアドバイスを求めると良いと思います。 Noの方からは、「マンモグラフィが痛くて苦手(Jerrybさん)」のため「検診を敬遠してしまう(nekosaurusさん)」との投稿をいただきました。確かに乳房を板のような機械で挟んで撮影するマンモグラフィは誰もがそれなりの痛みを感じると思いますが、乳房を圧迫して撮影することで、乳腺の重なりを避けてより見逃しの少ない画像を得ることができ、また同時により放射線被ばく量(注3)を下げることもできます。特に、乳腺が多い方や、月経前はホルモンの関係で乳房が張りやすくより痛みを強く感じるケースが多いです。閉経前の方の場合、検診日を上手く調整できれば、月経後~排卵日前の間に受診されるとよいでしょう。 乳がん検診で乳がんが見つかり治療中のaprilislandさん、乳がんで左乳房を全摘された「少年に同じ」さんは、ご自身の経験から「定期的な検診で初期に見つけることが必要」「早期発見が大切だと実感」とのコメントをいただきました。こうした経験者の皆様からの貴重な声は、「頭では検査の必要性を理解(nekosaurusuさん)」していても、なかなか受診行動に結びつかない方々に受診行動を促す大きなきっかけとなることと思います。 日本人の2人に1人ががんにかかる時代。乳がんは今や9人に1人が罹るがんとなっています。しかし、これまで何度か実施している円卓会議でも、検診を受ける方は受ける、受けない方は受けない、という傾向が続いています。その背景には、正しい知識を知る機会が少ないという現状、健康教育を受ける機会がなかったという理由もあるかと思われます。 最近では、学校でのがん教育も始まりつつあります。中学校、高校の新しい学習指導要領にも盛り込まれ、中学校では2021年度、高校では2022年度から全面実施される計画になっています。子どものころから、がんについての正しい知識を学ぶことは、がんを無暗に恐れることや、誤解や偏見をなくし、子どもたちだけでなく、その家族の意識変化につながることにもなります。以前、高等学校で子宮頸がんについての健康講座を実施した後に、聴講した高校生のお母さまが娘に言われて検診を受けに来ました、というケースもありました。 がん検診の受診率を上げて、早期発見・早期治療につなげて命を守るためには、ヘルスリテラシーを向上させていくことが大切です。 そこで、今回はヘルスリテラシーを向上させていくためにはどのような取り組みが必要か、ピアの皆様からご意見を頂戴したいと思います。 お子様が学校でがん教育を受けた、がんの市民公開講座を受けたなど、がんや健康管理についての学びの場について皆様の周囲(学校・職場・地域など)の現状、また、どのような機会があれば、健康教育を受けやすいかなどを教えてください。 たくさんの投稿をお待ちしております。 (注1)遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC: Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome)とは、BRCA1もしくはBRCA2という遺伝子に生まれつき変化があることで乳癌、卵巣癌、前立腺癌、膵癌などになりやすいため、定期的な検査や予防的な手術が考慮されます。アンジェリーナ・ジョリーさんが予防的に両乳房、続いて卵巣を切除したころから広く認知されるきっかけにもなりました。 (注2)コンセプション(Conception)は「受胎」を意味し、プレ(Pre)は「その前」。男女を問わず、妊娠前の健康管理によって質の高い生活を図り、将来的に妊娠・出産の可能性を高めることにもつなげるとする考え方。米疾病対策センターや世界保健機関が推奨し、各国に普及しつつあります。 (注3)マンモグラフィによる被ばくは、自然放射線量に比べて低く、人体への影響を心配する必要はほとんどありません。★鈴木美香さんが登壇します! ぜひご参加ください。静岡フェムテック推進フォーラム2021年12月20日(月) 13:30~15:30 現地参加(先着100名)もしくはオンライン参加(zoom) 女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決する製品やサービスの情報が学べます。 詳しくはこちら★鈴木議長の過去の円卓会議より ・「女性ホルモン薬」ピル・ジェル等、使っていますか?・コロナ疲れ。体調変化ありますか?・気象の変化。体調に影響ありますか?
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