イー・ウーマン（ewoman）

国民的議論の場をつくってほしい（blueberry53・大阪府・56）

期待していたのは政権の安定です。これは、政争に明け暮れるのではなく国民的議論が適切に行われる環境が生まれるからです。例えば、原発問題では、感情論に流されない国民的議論がまだなされていませんし、年金問題も増税も財政問題についての国民的議論がなされていない気がします。自公政権に次に期待するのは党内議論に時間を費やすのでなく国民的議論を行える場をつくることだと思っています。

冷静な判断をする期間（walk714・海外・その他・38）

「投票」が国民にとって唯一の意思表明ですが、振り返ると自分の考えというより、折々の政策の短期的な結果、報道に影響されて投票していた気がします。どの政党も、勝つためには民意に沿って方針を変える人気投票で、今ではどこも同じというあきらめ感がありました。憲法改正に関しては不安な面があるものの、3年という期間を与えたのは投票しなかった人含め自分たち。効果のある政策が軌道に乗るよう、冷静に見守る選択をしたと思っています。

新聞の役割（barbie・東京都・49）

次の選挙まで意思表明について、国民の想いを汲み上げるのがマスメディア（特に新聞）の仕事だと思います。ですが、そのマスメディア自体がうまく機能していない、厳しく言えばその能力がないと感じます。新聞の論調も、この機を逃さずがんばれ調だったり、政権がうまくいっていないときは、具体的代替案ではなく批判のみだったり。新聞が、有識者の左右の論調で表面上中立姿勢を示すのではなく、独自の奥深い取材で、諸問題のPros&Consを示すことは、不可能なんでしょうか？

対外的にはメリット（DiamondBar・東京都・44）

首相がコロコロ変わり、外国と交渉しようにも継続的な話ができず、信頼もされないという状況からやっと解放されると思うとホッとします。 特にアジアの中での存在感を増し、日本全体にビジネスチャンスを増やすような外交を期待したいです。一方で、国民の側から政権に対してノーと言えないのは不安です。自民党支持イコール原発賛成ではない人も多いと思います。個々の問題に対して、国民の考えが反映される機会が3年間もないのは恐ろしい気がします。

方向性に賛成ではないが（おれんじ７８・神奈川県・35）

自民党の公約に賛成しているわけではありませんが、長期政権となりうる1点のみでは期待したいです。原発政策、社会保障、財政再建のいずれも短期的に実現できるとは思いません。目先のウケだけでなく、効果まで責任をとるつもりで、しっかりと取り組んでほしいです。野党側も早期解散を訴えるのではなく、議論により交渉により、どうよりよい方向に誘導するかに心を砕いてほしいです。

決まった今は期待をしたい（遥海空・東京都・39）

これだけの問題山積のなか、改革をするためには3年くらいの時間が必要かと思います。小泉政権以降、めまぐるしく総理が変わり、政権交代、それに翻弄されながら国民は置いていかれてきたような気がします。今回の自公圧勝が期待通りではないとはいえ、国民が選んだ結果、国民にも責任があると考えます。ネット選挙も良い機会でしたから、国民の声をもっともっと吸い上げてもらえるような政治を行ってくれることを願っています。

監視と自覚と政治に参加を（violet-m・神奈川県・42）

鈴木寛さんが2年ほど前の対談で「首相が1年以内に変わってしまうような状態では党としてやりたいことをかたちにできない。私たちに時間をください」という内容を訴えていました。これから3年でどのような結果が出るのか、きちんと見定めたいと思います。しかし、1票の格差や、投票率の低さもとても気になります。民主主義という厄介な宝物を、国民がきちんと管理できますように。

有権者も有意義な3年間を（Zonnetje・海外・その他・37）

時間がなかったからという言い訳はできませんから、各党の実行力が問われるはずです。有権者が意思表明をする機会は確かにありませんが、次の投票まで各党が何をしたいのか、そして各党に何ができるのかを見る機会としたいです。2.5年後に、今回の選挙で売りとした公約がどこまで達成できているか楽しみです。

violet-mさんの「民主主義という厄介な宝物」という言葉に、とても共感しました。政治の形態としてはとても効率的とは言えないのですが、それでも民主主義以上に多くの人が納得できる制度というのは今のところ思いつかないのも事実です。この制度を私たちがどのように生かすか（あるいは殺すか）、それは私たち次第なのでしょうね。きっと。
 
3年間で取り組まねばならない課題はいっぱいあります。いちばん大きいのは社会保障改革でしょう。それから財政再建（増税）、TPP。いずれも国民に痛みを要求するという政治家が最も苦手とする課題です。結局、民主党はそういった痛みを国民に納得させられず、党内も治めきれないままに昨年末、大敗北を喫しました。
 
現在の安倍政権は、まだ何も痛みを要求していません。高齢化し人口も減る日本が、将来の姿をどう描いていくのか。おそらくこの姿は、私たちが見たくないものでいっぱいなのだと思います。たとえば、今は年齢に関係なくどこの病院でも診察してもらうことができますが、そのような「ぜいたく」な制度は維持できなくなるでしょう。しかしそれをどうすれば、できるだけ多くの人が「公正」と感じる制度にできるか。議論と説得を辛抱強くやることが必要です。
 
今回の参院選が期待に沿うものではなかったと圧倒的にたくさんの方が思われている一方で、選挙のない3年間をできるだけ有意義にしてほしいというZonnetjeさんのご意見に、成熟した有権者を感じます。同時にメディアにいたことのある人間として、現在のメディアが十分に期待に応えていないというbarbieさんのご指摘にはグッとくるものがあります。またの機会に、いろいろ議論させていただきたいと思います。


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• 2013.07.26
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹