働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3423 開催期間 2017年01月20日- 01月27日
1週間、たくさんのご投稿を頂き、どうもありがとうございました。 介護制度を利用者の視点からよりよくするために、皆さまから生の声を頂ければと思い、私は今回初めてこの円卓会議の議長を務めさせていただきましたが、皆さまが本当に真剣に参加してくださったおかげで、とても多くを学ばせていただきました。 1週間を通して、Yesが90%を下ることはなく、多くの方々が介護制度の改善を期待していることがわかりました。Noの方の投稿では、介護制度の詳細がわからないためという方が多かったです。 3日目は、施設介護サービスについてご意見を伺いました。 まず、「老健にいた祖母に会いに行ったところ、様々なおかずを一緒くたにご飯と混ぜ、食べさせているのを見てショック」を受けた、月のしずくさんは、「職員さんの余裕がないのかもしれませんが、日々の生活の中でできるだけ本人のしたいことを尊重してもらえればと思います。」とおっしゃっています。 また、「食事中に利用者がいるすぐそばで引き継ぎの報告。『●●さんはトイレに失敗』など、本人が目の前にいるのに大声で報告。」する「老健の職員の対応に驚いた」という、あさーかすさんは、「介護サービス情報公表システムをみると地域ではダントツの退職者数。課題の把握と改善をお願いしようと知人と話しています。」 どちらの方も、人手不足に言及されていますね。毎日の介護で疲弊し、人として思いやる余裕がなくなってしまうのでしょうか。 ご家族が介護施設に入所されているJerrybさんも、「入所してから介護士さんの入れ替わりの激しさを目の当たりにしています。」「働く人にきちんと報いる制度になってほしい。」とおっしゃっています。 在宅介護を担う家族のケアが必要であるのと同様、施設介護の質の向上のためには、現実に毎日の介護にあたる方の働き方を改善することが必要ですね。 また、医療と介護の連携について、unagiさんからは、「離れて住む義母が肺炎で入院し、あっという間に動けなくなって要介護5に。その状態で『肺炎は完治したので退院を』と迫られ、家族は困惑しました。」「病院と連携をとって施設入所をサポートできないのか疑問に思います。」と、問題が指摘されています。 「地域包括ケア」システム の構築が進められていますが、運用実態は市町村により様々なようです。 医師であるyu-hoさんからは、「介護保険は私たち医師にとっても複雑で使いにくいです。サービスの種類が細かく区切られており、介護度によっては必要なサービスが使えません。事業者ごとの違いを出しにくく、競争原理が働かない」「現行の細かいサービスの区分をやめ、介護保険から支給する一人当たりの総額だけを要介護度に応じて決めれば良いのでは」というご意見を頂きました。 さらに、認知症についてのご意見も頂いています。 hidyさんは、「義母が通院していた脳神経外科で認知症と言われなかったため、何年も介護保険のことを知らずに苦労し身内関係も最悪化。」「必要な人たちは渦中にあるゆえに情報を得られないのかもしれません。」「病院に介護保険の冊子や案内・申請書を置いてほしいです。」とおっしゃっています。 そして、認知症の義父の介護をされている、にしひがしさんからは、「毎日接していて、3食の食事も身の回りの世話をしていたら、私の体調がおかしくなってしまいました。(義母も介護のストレスから3年9か月前に急逝)」「家計に負担のない料金設定に(月5万円以内)くらいで週3回くらい施設を利用できることを希望します。」という、切実な声もいただきました。 私たちにとって、どれも他人事ではありませんね。 介護の問題は、縁がないように思えても、私自身も経験していますが、国民すべて、どなたにとっても、自分や家族が要介護状態になると、とても身近で切実な問題に変わります。 今回の皆さまのご意見を伺い、私は、介護制度の見直しにおいて、次の4つの視点が重要であると思いました。 ①まず、利用者目線に立った時、介護の「入口」で、要介護状態を適切にアセスメントして、人生設計に相応しい介護サービスを判断し、十分納得した上で、施設や事業者を「選択できる仕組み」を整備すること。 ②次に、各介護事業者の「質」を理解した上で、どのようなサービスを組み合わせて選ぶか(保険内外を問わず)、個々人のニーズに応じた多様なサービスを柔軟に受けられる環境を整備すること。 ③さらに、要介護状態となっても自宅で過ごすことを希望される方のため、在宅介護の限界点を高めるための方策を検討すること。 また、施設介護が必要な方が、経済力に応じた負担で、ニーズに合った施設を選ぶことできるか、今一度総点検を行うこと。 ④加えて、介護サービスの利用者の視点とサービス従事者の視点の両方から、介護サービスの質の全体的な向上を図るため、事業者が公平な条件の下で切磋琢磨し、利用者にとって望ましい多様な介護サービスが提供される制度になっているか検討すること。 皆さまに今回いただいた様々なご意見、視点を、これからも参考にして介護サービス改革に取り組んでいきたいと思います。1週間お付き合いいただき、どうもありがとうございました。 ≪公開ディスカッションの御案内≫ さて、今回の円卓会議では、実際に介護でご苦労されたご経験や将来の介護に対する不安のお声を数多くお寄せいただきました。 また、「混合介護のルールを作って欲しい」(綾oooさん)、「メディアに挙げられるのは苦労話のみ。実際にこのようにやれば良いという話を知りたい」(kyoko004さん)というように具体策の提示を求めるお声も数多く頂戴したところです。 私が委員を務める内閣府・規制改革推進会議では、まさにその「具体策」を探るべく、介護サービス改革に係る審議を重ねています。 そして、この議論を更に深めるべく、2月21日(火)午後に「介護サービスの提供と利用の在り方」をテーマとして、「公開ディスカッション」を開催いたします。 通常の規制改革推進会議と違って、公開ディスカッションでは一般の皆様の傍聴を受け付け、インターネットによる生中継が実施されます。 いま、介護サービス改革の検討は山場を迎えています。私たちがニーズに応じた介護サービスを選択でき、要介護状態を過度に不安に思わずにすむためには、どのような方策が考えられるでしょうか。 この1週間の皆様との議論の内容を紹介しながら、様々な介護関係者と、真剣な議論を行いたいと思います。 ぜひ、「公開ディスカッション」にもご参加(※)ください! 皆様、この1週間素晴らしい議論をありがとうございました。 ※来週末、内閣府ホームページにおいて詳細が公表されます。公表され次第、このページでも内閣府ホームページへのリンク等をご紹介いたします。 ★2/5更新2月21日(火)14:00~17:00 規制改革推進会議公開ディスカッション「介護サービスの提供と利用の在り方」をテーマとして開催いたします。一般の皆様の傍聴を受け付け、インターネットによる生中継が実施されます。 円卓会議の内容も紹介されます。ぜひご参加ください! 傍聴受付はこちら★林議長が登壇された 「第19回国際女性ビジネス会議」リポートはこちら
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