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会議番号:3631 開催期間 2021年03月05日- 03月12日
みなさん、ご意見、ありがとうございます。 現在の国のワクチンの分配は、医療関係者優先接種370万人分、同時に接種できるわけではないので、各病院の采配に任されているところは大きいです。基本的には、新型コロナ感染症患者を診療している部署、部門を中心に接種が開始されているようです。 今後、複数種類のワクチンが承認されれば、2回とも同じワクチンを接種する必要があるので、手続きやロジを簡潔に、かつ迅速に行う面からは、地域ごと、時期ごと、が選択される方針かもしれません。DiamondBarさん、Futachanや、黒船さん、Jerrybさん、ニライカナイさんの意見に近いと思います。ただ、本来は、YOHEIさんや真打さんのように、感染リスクの評価をした上で接種を選択できれば、より効果的ですが、短時間でのオペレーションとなると難しいかと思います。 今日は、mRNAワクチンの安全性について解説したいと思います。 Pfizer/BioNTechの臨床治験では、約4万人に参加いただき、実際のワクチンを2万人に接種しました。そのため、2万人に1人以上の発現確率のある健康被害は検出できますが、それ以下の稀な健康被害は検出できないということです。また、ワクチンで使用されているmRNAは、ヒトの遺伝子情報には関与しないと考えられていますが、mRNAワクチンは過去に使用経験がないことから、時間経過とともに起こる有害事象には注意しなければなりません。 治験結果の安全性評価で有害事象として報告されたもので、比較的多いものは接種部位の疼痛でした。軽症から中等症の疼痛頻度は70〜80%台程度です。インフルエンザワクチン(不活化インフルエンザワクチン)の疼痛頻度が10〜22%程度ですので、明らかにmRNAワクチンの疼痛頻度は高いです。さらに、1回目後の約30%、2回目後の約15%に日常生活に支障の出る中等度以上の疼痛が報告されています。 Moderna及びAstraZeneca/Oxfordの有害事象の比較をTable2 a,b にまとめました。 ※()内の%は、プラセボ群の頻度です。 Tale2a COVID-19ワクチンの臨床治験における1回目接種後の有害事象の頻度Table2b COVID-19ワクチンの臨床治験における2回目接種後の有害事象の頻度 例えば、全身性の有害事象では、55歳以上よりも16-55歳で、また、1回目よりも2回目の後に多く報告されています。特に、全身倦怠感と頭痛は、16-55歳での2回目接種後でそれぞれ59%、52%で報告されていますが、一方で、()内のプラセボ群でも、それぞれ23%、24%が報告されています。ワクチン接種ではなく、食塩水の接種でも、この出現頻度なので、有害事象のすべてが、ワクチン接種と関連するものではない、と考える必要があります。重篤な有害事象としてアナフィラキシーが報告されています。Pfizer/BioNTechの1,893,360回分の接種を行った後、米国CDCには、21症例のアナフィラキシー報告がありました。これは、10万回に1.1回の割合です。アナフィラキシー発症時間はワクチン接種後、平均13分(2~150分)ですが、15症例は15分以内に症状出現しています。死亡報告はありませんが、4症例(3症例はICU)が入院し治療を行っています。国内でも、医療関係者先行接種4万人の中で、60歳代の医療関係者がアナフィラキシー症状を発現しました。 ワクチンによる直接的な副反応ではありませんが、ワクチンを接種したことによってより症状が増悪する現象「ワクチン関連疾患増悪現象(vaccine-associated enhanced disease, VAED)」があります。これは、ワクチンを接種後、新型コロナウイルスに感染した場合、接種を受けた人が接種を受けていない人より症状が増悪する現象です。過去には、RSウイルスワクチンでこの現象が出現し開発が中止された経緯があります。 また、ワクチン接種によって予め作られた抗体が体内に存在している状態で、新型コロナウイルスに感染した際、体内に侵入したウイルスと体内既存の抗体が結合し重症化させる可能性があります。これを「抗体依存性感染増強(antibody-dependent enhancement, ADE)」といいます。ジカ熱ウイルスワクチンは、ADE効果が強かったことからワクチン開発が頓挫しました。 具体的な比較はできませんが、局所の腫脹と同じレベルで、VAEDやADEは起きません。これらの現象が起きる確率は、頻度的には少ないと思いますが、今後の経過を見ていく必要があります。 ワクチン接種後、有害事象は必ず起きます。ゼロにすることはできません。これらを理解したうえで、接種を希望するか、希望しないかを考える必要があります。 さて、最終日に向けて皆さんからご意見をいただきたいのは、感染症の危機管理についてです。今回、国内産のワクチンの開発製造が遅れをとり、安全性の担保に時間がかかり、結果的に海外産ワクチンの契約が遅れ、国内に入るワクチン量は非常に少なくなってしまいました。安全性を担保した段階で契約を決断した頃には、すでに「いつ納入されるかわからない状況」になっている。そんな日本の決断は、賢明だったのでしょうか? それとも、イスラエルのように、国産ワクチンが迅速に作れないならば、ある程度安全性には目をつぶって、高いお金を払って、治験に参加するような手段をとって迅速に海外ワクチンを国民に接種したほうがよかったですか? この2つは極論です。皆さんからのさまざまなご意見、お待ちしております。 ※結果的に安全性は高かったので、イスラエルの選択は、功を奏しました。★田村議長の過去の円卓会議より・コロナとインフルエンザ。対策、できていますか?・地域の感染症情報、気にしていますか?
・母乳と粉ミルク。赤ちゃんの健康に影響があると思いますか?
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