イー・ウーマン（ewoman）

残業前提の職場の見直し（綾ooo・東京都・44）

公務員です。職員配置もギリギリで、女性が1年育児休暇を取っても代理の方が来ません。男性の育児休暇の方もすでにいますが、同様です。私には小学校の低学年の子どもがいますが、深夜までの残業もしています。残業前提の職場になっています。このような状況で、2週間休暇を取ったとしても、休暇前後に多くの残業をする体制にならないか心配です。残業ありきの組織の見直しが改めて必要だと考えます。

貴重な経験（にしひがし・茨城県・49）

今、常に24時間体制で、業務が回っている職場で働いていますが、皆が育休をとれる環境を整備すれば、不満はおきないと思います。ただ、人を今より多く雇わないと回らないので、会社側は負担が増えますが、税制を優遇して、負担を減らせばよいと思います。親としての役割をすることは、人として成長するよい機会で、家族が幸せなら、どんな困難も乗り越えられる、そういう強さも培うことができると思います。

情報の共有（DiamondBar・東京都・52）

プライベートと仕事は別という考えが主流になり、家族構成などさえ話す機会が減っています。安定期までは妊娠を報告しづらいとか、パートナーのことで仕事に影響を与えたくないなどの話も聞きます。ただ、事前に準備ができている1か月の休みと、急に聞かされた時の対応は違ってきます。上司へは早めに相談し、近くなったら仲間にも共有することで休暇中の仕事の分担をチームで対応できる体制ができると思います。産休を取るのが当たり前で、「迷惑をかける」という意識をなくしたいです。

事前に分担（おがわ・東京都・58）

一番の課題は、育休取得者の業務を滞りなく進めることかと考えます。対応例として、最近同僚が一か月の休暇を取得した際には、彼が休みに入る前に自分の業務をリストアップし、部内会議で検討した上でメンバーに振り分ける、という作業を行いました。結果、日頃からお互いの業務をある程度把握している職場ということ、また、復帰の日程が決まっていたこともあり、同僚の休暇中も比較的うまく業務を進めることができたと思います。

不在に慣れて段取りするいい機会（リンダ山本・海外・その他・60）

私は、育休を2週間×2回で取得するケースが多いと推測する。ドイツでは、2週間程度の不在は、男女を問わず。病欠でも休暇旅行でもしょっちゅう。事前にわかっていれば、周囲に連絡、代理を頼む、先取りするなど、段取りして対応。不在でも仕事は回っていく。日本でも、ワーママは子どもの病気等に備えて段取りするのが普通なのでは。これを他に広げるいい機会になると思う。段取りすれば、ぎりぎりのきつい納期で依頼されて残業が発生、というのも少なくなる。結果として生産性も向上するのでは。

リモートワークの活用を（まうやん・東京都・50）

私には子どもがいないので、想像でしか語れません。男女ともに産休育休を取る人も、取る予定のない人も、もう取ることもない人にとっても公平な制度であってほしいと思います。男性が休むと困る、ではなく、男女関係ない制度であってほしいです。ただ、昨年秋に姪が生まれ、弟はリモートワークを選びました。弟の会社では子どもが産まれたタイミングでリモートワーク選択が増えるそう。リモートワークも上手く活用できたら良いでしょうね。

これから（n.dan　・広島県・47）

夫は早く帰ってきてくれましたが、育休は取得しませんでした。休みにくかったのだと思います。今だったら、テレワークができます(今日も娘が休校になった為、在宅してくれています)。これから制度ができれば、育休も取りやすくなるのだと期待します。

誰かが取得中がデフォの未来（ドゥーイグレック・東京都・61）

このコロナ禍で、保健所、病院、検疫、そうした社会資本的な場所の人員構成が平時の構成であるために大変なことになっています。こうした仕事は緊急時を想定した人のやりくりが必要なことを今我々は学んだと思います。少子化も今の日本では社会的緊急事態です。1人が産休を取った位でごたつく組織ではだめだという認識で、いつも誰かが男女問わず産休、育休を取っている職場であることが普通になるよう、認証制度なのか、罰則なのか、まずは公表することが必要だと思います。

職場全員の意識（やっちゃん２４・大阪府・52）

男性が産休を取得するための壁は、上司はもちろん職場にいる社員全員の意識だと思います。職場でお子さんが産まれたのでと、有休を数日取得した社員がいましたが、なんとなく気まずい雰囲気が流れていました。有休ですしおめでたいことなので祝福ムードでいいと思いますが「子どもが産まれたから数日休むらしい」とマイナスな印象で話す人がいました。陰口や嫌な雰囲気を発生させないためにも社員全員の意識改革、理解が必要だと思います。

子どもは社会の共有財産（ＩＰウーマン・東京都・52）

「大量の男性が休む可能性」は、育休よりも病欠の方が多いのではないでしょうか。病欠は先が見えないですが育休は終りがあるので、かえってリスクは低いと思います。その人にしかできない特殊スキルを持った人が育休に入ると大変かもしれませんが、そういう人は他社に引き抜かれるリスクが元々高いですし、たかが数週間程度乗り切れない経営者はそもそも失格です。子どもはママだけでなく、パパも家族も地域も会社も一緒になって、社会全体で育てる、という視点をもった経営者が増えてほしいです。

高度成長期はもう終わった（マッくん・宮城県・60）

私は高度成長期の古い考え方、古い企業体質こそがハードルになっていると考えます。大企業、中小企業といった企業規模や業種、或いは個人の職種などによって事情は様々なので、一概には言えません。しかし、どの様な事情であっても、すべての企業、現場が考え方を変えなければならない時です。1ヶ月とか育休を取れなくても、時短、時差出勤、或いはテレワークの活用など、できることから始めてみるのはどうでしょう。また、政府は育休を推進している企業へ何らかの優遇措置を取って欲しいと思います。

社会全体の問題（kazuoi・福岡県・41）

上司の理解、雰囲気、人員全てに問題があると思う。たまたま私の場合は会社に恵まれた部分が大きかったが、別企業に勤める友人はやっと２週間が限界と聞きました。代わりができる人員に余裕がある企業ならなんとかなるとは思いますが、今の経済状況でそれができるかというと、いくら財政的なサポートがあるとはいえ、難しい企業が多いと思います。

さて、いよいよ最終日。皆様、活発な投稿ありがとうございます。
 
早ければ22年春から法律としてスタートする、男性育休・・・というか新制度の「出生時育児休業」（男性産休という位置づけ）についてのご意見を伺いました。法律で企業に対する取得促進の義務づけをするのですが、運用をうまくしないと、結局「名ばかり育休」になってしまいます。男性が妻の出産後８週間のうち最長４週間（分割可能）を休むとなると、日本企業はどうしても男性の方が数が多いので、男性産休を受け入れる職場の風土はどうなのか、何がハードルで、どうしたらうまくいくのか、というのが最後のお題です。
 
解決策としては、リンダ山本（海外・60歳）さんから
 
「事前にわかっていれば、周囲に連絡、代理を頼む、先取りするなど、段取りして対応。不在でも仕事は回っていく。」というご意見が。まさにその通りですね。同僚の１ヶ月の休みの前に「業務をリストアップし、部内会議で検討した上でメンバーに振り分ける、という作業」をした」というおがわ（東京都・58歳）さんの体験もありました。
 
すでに「１ヶ月の男性育休必須化」をしている積水ハウスでは「事前の業務の引継ぎ」のおかげで、効率化が進み、属人化が減るという良い影響がありました。さらに積水ハウスでは男性育休を取る前に夫婦で子育てを今後どうやっていくかという話し合いをして「妻のサイン」がないと、休暇が取れないことになっています。つまり家と会社の両方で段取りを確認するのです。
 
「残業前提の職場」で働く綾ooo（東京都・44歳）さんからは「職員配置ギリギリ」の職場で、残業が前提で、もしこんな状態で２週間休むとなると「休暇前後に多くの残業をする」恐れを指摘しています。「残業ありきの組織の見直しが改めて必要」というご意見。本当にその通りですね。
 
「会社の負担増には、税制優遇」という、にしひがし（茨城県・49歳）さんのご意見。それも良い案ですね。子育てというのは、未来を担う国の大事業でもあるので、企業も国も負担して参加しなければいけません。
 
そして、忘れてはいけないのは「男女ともに産休育休を取る人も、取る予定のない人も、もう取ることもない人にとっても公平な制度であってほしいと思います。」という、まうやん（東京都・50歳）さんの視点です。
 
今子育てをする女性の制度取得は進んでおり、多くの女性が産育休から時短という制度を使って復帰しています。しかしこの時短が長期に渡っており、周囲の同僚に「負荷」を与えていることが調査をして明らかになりました。これは私が300名のウェブアンケートで調査したものです。「不満や不公平が２割、負担を感じる人が３割強」でした。やっちゃん２４（大阪府・52歳）さんは、職場の「気まずい雰囲気」に触れています。誰もが子どもがいるわけではないし、介護はまだ遠い話。子育てで退職しない人が増えたのは良いことですが、数の増加に企業がきちんと対処しないと、周囲の負荷は増えるばかりです。さらに男性産休となると、さらに取る人が増えます。「産育休を取る予定もないし、過去とったこともない」という人たちに「お互い様」では通用しません。
 
では何が効果的かというと「フレックスタイム」と「テレワーク」でした。まッくん（宮城県・60歳）さん、n.dan（広島県・47歳）さん、まうやんさんなどの投稿にもありましたが、フレックスとテレワークで、どんな人も柔軟に働けるようになり、またどんな理由でも休暇がとりやすくなることです。またコロナでフレックスやテレワークになってから「時短からフルタイム」に戻す人も増えているので、周囲の負担も減ります。男性産休についても「全員が柔軟に働きやすく、休暇を取りやすい」職場にしていくことが急務です。
 
今回は本当にたくさんのご意見ありがとうございました。


★白河議長の過去の円卓会議より
・ハラスメントを禁じるための法整備、必要ですか？
・セクハラをなくす良い方法、ありますか？
・セクハラを会社に報告したこと、ありますか？

• 2021.05.21
• 白河桃子 相模女子大学大学院特任教授、昭和女子大学客員教授、東京大学大学院情報学環客員研究員