イー・ウーマン（ewoman）

子育てのゴールとは（小西ミハル・埼玉県・58）

この条例を作った方は子育てをしたことがあるのでしょうか？　確かに子どもは大切です。その命を守る義務が親にあります。しかし、それは子どもから一瞬たりとも目を離してはいけないということとは直結しません。一人で生きていける大人、社会人を育てるのが子育てです。様々な経験、体験をさせるのが親の仕事です。お使いしちゃダメ、留守番しちゃダメ、子どもだけで遊んじゃダメって…。いったいどんな大人を育てたいのだろうと思います。

驚くと言うよりも（SallyChan・東京都・53）

驚くと言うよりもあきれました。埼玉出身の友人からネット署名を依頼されて知りましたが、よくもまあこんな案が作られたものです。私は子育てはしておりませんが、自分が育った昭和の環境を鑑みても、とうてい納得できるものとは思えません。虐待を禁止するあまり、過保護になっていく反面、育児放棄のような無責任極まりない事態もあるので、私自身が直接的でなくとも知らぬ存ぜぬではいられないと思っています。

親だけで子育てしている現代（かおるーん・神奈川県・50）

家や地域に誰かがおり、子どもを見守る環境にあったのは前時代のことで、現代では、親だけでわが子を見守らざるを得ないのが一般的です。その親も、共働きや長時間労働であり、家にいる主婦であっても一人ですべてを担っているような過酷な状況であろうと思います。誰の協力も得られない子育て環境下で、ごく普通の家庭で子どもだけで行動することを許容されなければ、親は通常の社会生活を送れなくなることが容易に想像できます。それが今回の条例の問題点だと、私は思います。

机上の空論（かすが）

今回の条例案は、子どもの保育・保護が可能な施設が十分に整備されていないにも関わらず、親とわずかでも離れた段階で虐待とした。虐待の定義が広範過ぎ、子育てが全くわかっていない机上の空論である。また、仮にこの条例案通りに子育てをした場合、依存性が高く、子離れ親離れの出来ず、自立しない子どもが成育して行くことは想像に難くない。まずは子育て施設を十分整備した上の話なら、ある程度は納得もできると私は考える。

児童虐待の根本的な原因（黒船・神奈川県・56）

取り下げられて良かったです。女性活躍を推進しているのに、矛盾しかありません。議員に女性が多ければ出てこないでしょう。豪州や仏など諸外国でそういった法令が通用するのは、就労環境や仕事への意識、そしてプライベートのあり方が根本から日本と異なっているからだと私は思います。日本と諸外国のどちらが良い悪いではなく、現状の日本では、子どもだけでいても安全な環境を保つことと、その上で子育て世代が安心して子どもを預けて出掛けたり、仕事に集中できる環境を整えることだと思います。

子どもたちを守るのは誰か？（シンゴパパ・静岡県・56）

今回のニュースで考えたことは、「子どもたちを守るのは誰か？」ということです。小さい子どもを出来るだけ一人にしないという考え自体は間違っていないと思いますが、それを担保するのは誰なのか？　親だけか？　年長の兄姉や周囲の大人は？　短い時間でも一人になった子を見た周囲は通報する義務があるとのことだが、その人たちは見守れないのか？　引き続き考えたいと思っています。

例示することは意味がある（blueberry53・大阪府・67）

このような行動制限につながる条例をつくる際には、事前の十分な意見調整が必要と思います。ただ、条例にしなくても子どもにとって何が虐待に当たるかを具体的例示で示していくことは意味があると思います。それについて色々な意見があっても、その過程を踏むことで理解は深まります。また、家庭環境等の状況別で配慮することが大切なことを例示することも、気が付かないうちに起きることを防ぐことになるのではと思います。

自立と見守り（真打ち・栃木県・54）

取り下げは、総意が反映された適切な判断だと思う。可決されていたら、善良な保護者からも条例違反が続出していただろう。例えば、子どもだけの留守番では、家庭ごとに決まりを設けているケースが多く『宅配でも用心の為ドアを開けない』等は、20年以上前から見る光景だ。また、子どもがその対応を、辛い・嫌だと感じていないか、成長過程の子どもに慣習のように押し付けていないか、時々意思確認が重要では。子どもの自立を促しつつ、適切な見守り環境を再考したい。

投票の状況はYESが約９割となっています。
 
埼玉の方からも投稿が届きました。「確かに子どもは大切。しかし、子どもから一瞬たりとも目を離してはいけないということとは直結しません。」（小西ミハルさん）
 
今回の条例の改正案については、子育て世帯からの反対意見が相次ぎました。特にさいたま市PTA協議会をはじめとして、地元の親たちがすぐに声を上げ、署名活動を行って意見を直接伝えたことが、取り下げにつながったと言えるでしょう。
 
ネット署名した方から「驚くと言うよりもあきれました。私自身が直接的でなくとも知らぬ存ぜぬではいられない」（SallyChanさん）という投稿がありました。
 
「机上の空論」であるというかすがさんからの、「今回の条例案は、子どもの保育・保護が可能な施設が十分に整備されていないにも関わらず、親とわずかでも離れた段階で虐待とした。虐待の定義が広範過ぎ」という投稿には、多くの方が頷いたのではないでしょうか。
 
アメリカや北欧などでは、「10歳（または12歳）以下の子どもを家に残す、子どもだけで外を歩かせるなどは、虐待で通報される」と言われています。もちろん法律で年齢を明記して禁止している国もあるのですが、すべてではないようです。
国民の意識として根付き、それが守れるような環境になっている。このあたりが子育てに対する文化なのだろうとも思うところです。
 
ですが、それを現在の日本にそのまま当てはめることは不可能と言うのは、誰でもわかることではないでしょうか。
 
長時間労働が当たり前、保育園の待機児童はやっと解消されつつありますが、学童に入れず小学1年生の大きな壁を感じている親たちにとって、親が残業のない働き方をしていて、ベビーシッターの利用が当たり前になっているような国の在り方をそのまま強制させられる。
 
このような状況になれば、親子を家の中に閉じ込め、少しでも目を離すと虐待であると通報されるかもしれないというストレスにさらされ続けながら子育てしなければならないということにもつながるでしょう。
 
そんなに大変なら、子どもを産みたいと思っていた、もう1人欲しいと考えていたけれど断念するという方もいるのではと思ってしまいます。
 
埼玉県「虐待禁止条例改正案」取り下げ。良かったですか？
子育て中の方は、周囲の理解が得られないなど、子育てで何が困るのかを具体的に教えてください。また、子育て中の方はよろしければお子さんにも意見を聞いてみてください。
子育て中の方もそうでない方も、何をしていけば虐待をなくせるのか、ぜひ具体的に考え投稿いただければと思います。


★高祖議長の過去の円卓会議より
・こども家庭庁、期待しますか？
・児童虐待、過去最多。通告、ためらいますか？
・部活での暴力。防ぐ方法、ありますか？

＜運営事務局より＞
投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。
・自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿は、「私は」を主語に変更させていただく場合もありますのでご了承ください。
・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。
・議長からの各日の投げかけ（赤字部分）に答えた内容で投稿してください。

• 2023.10.16
• 高祖常子 子育てアドバイザー、インターネットサイト「こそだて」編集長、NPO法人児童虐待 防止全国ネットワーク理事