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会議番号:3727 開催期間 2023年10月20日- 10月27日
多くの市民が日々傷ついているのに、なにもできないもどかしさは、ロシアのウクライナ侵攻のときにも抱いた感覚ですね。「これ以上広がらないよう願うしかない」(しょこさん)というのはみなさんも共有していると思います。 ウクライナでは、ロシアの一方的な軍事作戦でしたから、さまざまな国際法違反を重ねるロシアを非難し、ウクライナへの連帯を叫ぶことができました。しかし、今回は、イスラエルの建国に対するアラブ・イスラム世界からの反発という長い歴史が背景にありますから、ハマスの「テロ」を一方的に非難することはできません。考えれば考えるほど、「中東問題の根深さを実感する」(かすがさん)ということになります。 戦争になり、民間人が殺されると、相手への憎しみは倍増します。「敵を倒せ」が双方の合言葉になりますし、自国へのほんの少しの批判も「売国奴」と批判されるのは、どこでも同じでしょう。第三者も中立という立場を維持するのも難しくなり、双方から「踏み絵」を迫られます。もはや理の通る世界ではありませんから、「当たり前のことを表明するだけで脅迫される」(ま・さん)のも当たり前になってしまいます。 戦争状態の国民心理は、当事者にならなければわからないと思います。しかし、相互の信頼関係が乏しい国同士で、相手国の軍事組織によって民間人が殺されたり、強姦されたりといった情報が流れた場合、それがたとえフェイクであっても、またたくまに国民の怒りは燃えたぎるというのは想像がつきます。私たちは戦争から遠く離れていると思っていますが、過去の歴史をみれば、ひとつの事件をきっかけに国民感情が高ぶり、戦争に突入するといったことはありうることだと思います。「地球という惑星で起こっている出来事に興味関心を持つ」(Vaellaさん)のは、自分を高めるとともに、「明日は我が身」という想像力を鍛えるためでもあります。 パレスチナ問題の「解決」には、「歴史に学び、落とし所を探る」(シンゴパパさん)努力が双方にも国際社会にも求められ、そのカギは「信頼回復」でしょう。そして、信頼回復に必要なのは、憎しみの連鎖を断ち切る「寛容」の精神だと思います。どの宗教にも「教義に寛容性を説く文脈があった」(Kylinさん)という指摘は、その通りで、こういう時期にこそ宗教者たちから「寛容」という言葉を発してほしいと思います。 戦争を考えるときに、「誰が何のために起こしたのか」(DiamondBarさん)は、重要な視点です。推理小説でも、「cui bono」(誰の利益になるのか)は基本です。この戦争で、ハマスはイスラエルに打撃を与えただけでなく、イスラエルとUAEとの国交正常化から始まるイスラエルとイスラム諸国との関係正常化(アブラハム合意)の流れがサウジアラビアにも及ぶのを防いだという見方もあります。「アラブ各国からも厄介と見られている」(BUNBUN01さん)面もあったガザを世界の同情が集まる場所にしたという評価もあるかもしれません。汚職疑惑などで求心力の低下していたイスラエルのネタニヤフ首相は、今回の戦争で求心力を取り戻しているように見えます。一方、米国のバイデン大統領は、中東の安定化に失敗したとの批判が出るのは当然で、トランプ前大統領がほくそ笑んでいても不思議ではありません。そして、いつの時代も政治家の思惑に翻弄され苦しむのは民衆です。 いま、ニューヨークタイムズ紙の電子版を読んでいたら、コラムニストのトーマス・フリードマン氏がイスラエルに対して「ハマス一掃作戦」ではなく、「人質救出作戦」の実施を提案していました。そのほうがガザ市民の被害が少ないというのでしょうが、地上作戦はやむなしなのでしょう。彼はユダヤ系アメリカ人といわれています。私たちには、パレスチナの平和と安定のために、どんな提案ができるでしょうか。イスラエルやハマス、さらには米国などの指導者に訴えたいことは何ですか。説得する方策はありますか。みなさんで知恵を絞ってみましょう。
★高成田議長の過去の円卓会議より
・ウクライナ侵攻から1年、あなたにできることありますか?(2023年2月)
・中国・習氏続投。脅威ですか?(2022年10月)
・「次世代型原発」新設へ。賛成ですか?(2022年8月)
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