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会議番号:3727 開催期間 2023年10月20日- 10月27日
イスラエルやハマス、さらには米国などの指導者に訴えたいことは何ですか、説得する方策はありますか、という難題を出しました。正解のない問いだけに、みなさん悩まれたことと思います。 いま焦点になっているのは、ハマスがイスラエルで拉致した人質の解放と、イスラエルによるガザへの地上侵攻です。人質解放と停戦を第三国が仲介できれば、当面の危機は回避できそうですが、双方とも折り合いそうにありません。イスラエルはハマスをせん滅するまで停戦に応じる気はないでしょうし、ガザに地下通路網を張り巡らしたハマスもイスラエル軍をガザに誘い込んで大きな打撃を与える作戦でしょう。 互いに気のすむまでやれと放り出せば、人質の生命が脅かされ、ガザの多くの市民が殺されるのは確実です。そうなれば、それに対する怒りがイスラエルとイスラム世界に高まれば、中東全体に戦火が広がる恐れもあります。 そんな事態を避けるには、双方に自制と妥協を求める仲介者が必要ですが、それには「双方が納得する仲介者は誰?」(シンゴパパさん)という問題が出てきます。 これまでの中東和平の歴史を振り返ると、1978年のイスラエルとエジプトとの和平(キャンプ・デービッド合意)の仲介者は、米国のカーター大統領でしたし、1993年のイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)とのオスロ合意を最終的にまとめたのは米国のクリントン大統領でした。イスラエルを説得できるのは米国だけかもしれませんが、早々とイスラエル支持を打ち出し、国連安保理でも停戦決議に拒否権を発動した米国のバイデン政権では、それは難しそうです。 「宗教の最高指導者」(真打ちさん)というのは、いい提案ですね。「宗教や慣習は違えど、人間だという揺るぎない共通点」で、対話ができるのは、ユダヤ教やイスラム教の宗教指導者です。ロシアのウクライナ侵攻では、ロシア正教がロシアの国家宗教であることを暴露してしまいましたが、ユダヤ教やイスラム教の指導者には、人類愛で双方を説得してほしいと思います。このふたつの宗教が仲介に動くためには、ローマ法王の協力が必要かもしれません。 イスラエルとハマスの話し合いの場を「日本政府が主導して提案するような英断」(unagiさん)を岸田首相にも期待したいところです。ないものねだりかもしれませんが、「外交の岸田」の片りんを見せてほしいと思います。日本は、国連に加盟する1956年よりも前の1953年から国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じて、パレスチナの難民支援をしていて、パレスチナ側にも、日本の指導者の声を聞く耳があるかもしれません。 いつになるかわかりませんが、当面の危機が終わったところで、パレスチナの経済復興に国際社会は手を差し伸べる必要があります。「皆でパレスチナの人たちの生活を豊かにしていけば解決の糸口がつかめるかもしれない」(blueberry53さん)からです。2007年以来のガザ封鎖で、この地区での失業率は45%、15歳から29歳の若者では61%に達していました。ハマスをなくすのは、イスラエルの武力ではなく、ガザ市民の生活の安定です。 また、「日頃からの平和の尊さの徹底、教育においても、倫理観の醸成を提案したい」(alberthawkingさん)というのも賛成で、世界での平和教育なら、世界で唯一の被爆国である日本としても活躍する機会はあると思います。人間として当たり前のことが忘れられている時代ですから、当たり前のことを繰り返し訴えていきたいですね。 中東問題は難しい、というのは日本人にとっての共通認識だと思います。それでも、中東への理解を深めておかないと、今回のような武力衝突だけでなく、エネルギー危機などへの対応でも知恵が回らないと思います。私たちが私たちの問題だという意識で、中東問題の理解を深めるにはどうしたらいいでしょうか。みなさんの意見をお聞かせください。
★高成田議長の過去の円卓会議より
・ウクライナ侵攻から1年、あなたにできることありますか?(2023年2月)
・中国・習氏続投。脅威ですか?(2022年10月)
・「次世代型原発」新設へ。賛成ですか?(2022年8月)
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