働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3771 開催期間 2025年03月07日- 04月25日
皆さん、こんにちは。ITの調査コンサルティング会社、MM総研所長の関口です。今回もたくさんのご投稿をありがとうございます。「日本はAI時代をリードできると思う」と答えられた方は3月20日夕方の時点で28%と前回よりも増えましたね。おがわさんからも「日本が得意とする分野でリードしてほしいと思い、Yesに変更した」というご報告がありました。 前回、「米国発の生成AIが日本に普及した場合の影響」について皆さんのご意見をうかがったところ、いろいろ貴重なご指摘をいただきました。シンゴパパさんからは「米国発の生成AI技術が日本に普及するということは情報(データ)とアルゴリズム(思想)を握られるのではないか」というご指摘をいただきました。DiamondBarさんは「ビジネスや生活で発生しているコストの多くを外国に支払うことになる」と警鐘を鳴らされました。 実はDiamondBarさんが指摘されたように、グーグルやアップルなど「GAFAM」と呼ばれる米大手IT企業の情報サービスが日本で普及したことから、日本は毎年、多額のお金を米国に支払わねばならなくなりました。いわゆる「デジタル赤字」と呼ばれるものです。財務省が発表している国際収支の内訳を見ると、「通信・コンピューター・情報サービス」という項目が2024年は年間約2.5兆円もの赤字になりました。これは米国のクラウドサービスが日本に普及し始めた10年ほど前から急速に増え始めたもので、支払い先は主に米国です。これにはi-Phoneなどのハードウエア製品の支払いは含まれていません。 かつては日本の情報サービスは国内のIT企業がコンピューターのハードウエアを自ら製造し、それを自前で運用する「オンプレミス」と呼ばれるコンピューターの使用方法が主流でした。そのためソフトウエアなどのライセンス料を除けば、特に米国にお金を支払う必要はありませんでした。 ところがクラウドサービスが日本にも普及したことで、クラウド事業に出遅れた日本のIT企業はコンピューター市場を米国のクラウド事業者、すなわちGAFAMなどに奪われてしまったのです。海外に比べ、日本はアップル製品の人気が高く、スマホやタブレットのハードウエア製品とクラウドサービスの両方で米国に多額のお金を支払う構造になってしまったのです。デジタル赤字は情報サービスだけを指していますが、これにハードウエア製品の支払いを加えるとデジタル赤字はもっと大きな額になるでしょう。 もうひとつの課題がシンゴパパさんが指摘された情報主権の問題です。今までは国内のコンピューターで情報処理をしていたのでデータも国内にありましたが、米国中心のクラウドになると我々日本人のデータは米国にあるサーバーやデータセンターに吸い上げられてしまいます。日本政府もこれを問題視し、GAFAMなどには日本国内にデータセンターを置くよう求めていますが、日本のデータセンターも米国から管理されているわけですので、何か有事の際には日本の情報が米国に吸い上げられてしまう可能性は否めません。 さらに米国の生成AIサービスを日本人が大量に使うようになると、日本人の思考や問題意識、行動履歴なども米国に筒抜けになってしまいます。生成AIはインターネットやクラウドに次ぐ重要な技術革新として評価できますが、使い方を誤ると大変なことになってしまいます。 そこで皆さんへの質問ですが、AI時代のメリットを日本国民が正しく享受できるようにするには、日本の政府や企業にはどんな方策を取って欲しいですか。そしてあなた自身は生成AIにどう向き合っていく必要があると思いますか。まずは「日本はAI時代をリードできると思うか」という問いにお答えいただいたうえで、皆さんのご意見をいただければ幸いです。私から皆さんへの質問は今回が最後になりますので、たくさんのご投稿をお待ちしております。★関口議長の過去の円卓会議より・GAFAに対する規制、必要だと思いますか?・タクシー配車アプリ、使っていますか?・ChatGPT、使ったことありますか?<運営事務局より>・3月28日(金)まで全4回、毎週金曜に議長コメントを更新します。それを受けた投稿を、水曜朝までを目処にお送りください。・投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿は、「私は」を主語に変更させていただく場合もありますのでご了承ください。・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。・議長からの各日の投げかけ(赤字部分)に答えた内容で投稿してください。
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