イー・ウーマン（ewoman）

赤字の縮減（おれんじ７８・神奈川県・35）

私は、財政赤字が減少していけば、成果が出たと評価できると思います。少なくとも赤字国債は発行しないでいける状態を保ってほしい。がんばって生産効率を上げて納税しても、それが財政補填に使われなければ、とてもやるせないです。株価や成長率は、原理的には政府が操れるものでも操るべきものでもなく、中間指標でしかないと思っています。

賃上げの実現を。（レッズ・埼玉県・32）

私は自分の賃金が上がった時に成果として評価します。意図的に物価を上げようとしているのですから、賃上げはセットと考えます。賃上げをしてもらわないと生活が苦しくなるだけです。企業の収益が増えて賃金に反映されるというのが自然な姿ですが、政策としてリフレを試みる以上、政府は企業に対して賃上げをもっと強く要請してほしいと思います。

低空でも幅広く成長を（Zonnetje・海外・その他・37）

GDP成長率の高さも大事だと思いますが、成長の持続で評価したいです。株価は大手企業の象徴という気がしますし、失業率を下げるのが目的で、不必要な歳出が増えてしまうのでは、とも懸念されます。歳出の削減も望みますが、投資といえる歳出までも削って堅くなってしまうということは避けてほしいです。選挙時ごとの勢いが政治家には大切でしょうが、成長は長い目で見たいです。

失業率低下に注目（ゆきなな・海外・その他・32）

私は、今回に限りGDPの成長率の高いことがニュースで大々的に取り上げられているのを目の当たりにし、成果があったのだと認識しました。しかし、この数字から生活に密着した実感はありませんでした。より生活に密着して実感するのは、雇用が増え、失業率が下がった時です。職業柄、周囲からも嬉しい報告が相次ぎ、明るい気分になります。

短期的成果より長期的枠組み変革（mamisan・東京都・42）

短期的判断でよいなら、安倍首相は既に成果を上げており、企業への賃上げ要請からも成果が上がると思います。しかし今の日本経済が信用を取り戻すには、長期的な枠組みの改革こそ必要だと思います。財政赤字然り。何が問題で何が対策か既に分かっていても、それを阻む勢力があって出来ない。例え一つであっても、既得権を切り崩して必要な変革の足がかりだけでも作れば大成果だと思います。増税然り。財政赤字を減らすための予算案を通過させたら、増税になっても、私にとって長年待ち望んできた成果となります。

安定した幸福感を得られる経済に（ayaPa・神奈川県・37）

アベノミクスでは、経済の根本が立て直されている感じがしません。その場しのぎ、まやかし……うわべだけ、数値だけ取り繕っても、実質が変わっていないと思います。高度経済成長のようにみんな貧しく、いつかは豊かな生活がしたい、というハングリー精神が無い今、劇的な経済成長は難しいと思います。なのに、あの頃の成長を目指そうとするところが根本的に違うと思います。それを実現しようとするからバブルになる。安定した幸福感を得られる経済にそろそろ目標を変えてはどうでしょうか。

ヘッジファンドの一掃（Ai・兵庫県・39）

株の乱高下を引き起こし、公的資金投入の原因となる倒産や円高を引き起こすヘッジファンドを一掃する規制を国際舞台で成立させたら、評価に値すると思います。マーケットの資金の前に、60兆円の公的資金注入なんて無力です。その60兆円が福祉や雇用のセーフティーネットのために使われたら、日本は格差社会からの脱皮をはかれるのではないでしょうか。

アベノミクスは、ある程度の成果を挙げてもらわないと日本は本当に困ったことになると思います。円安、株高で順調に来ましたが、このところ歯車がまったく逆回転しているかのようです。これがアベノミクスの信認が低下したということなのかどうかは、まだ判断できません。ただこうした傾向が続くと（たとえば円が90円より高くなるとか）、打つ手がかなり限られてくるでしょう。
 
日本経済にとって最大の問題は「持続可能な成長」ということだと思います。成長は必要ないという意見もありますが、成長するということは雇用が生まれる条件ですから、幸福度を上げるためにもやはり成長は必要でしょう。２％程度の物価上昇も必要だと思います。もちろん賃金も上昇しなければなりません。
 
成長戦略で重要なことは、大きくは「既成概念」を打破するということでもあります。政府や企業では、それは既得権益を打破するということにつながります。また私たち国民のレベルで言うと、これまでの日本の在り方ではなく、21世紀、さらにはその先を見据えた在り方の模索ということでもあります。戦後日本が享受してきた経済的繁栄を越えて、日本という国の枠組みをも超えた社会の在り方を考えるべきときなのかもしれません。
 
それがどういう姿なのか、なかなか見えてきませんが、少なくとも従来の枠組みを取っ払って考え、議論することが必要かと思います。どうもありがとうございました。


★こちらもお読みください〜藤田議長の過去の円卓会議より
・日銀の黒田新総裁に期待しますか？
・安倍首相に期待しますか？
・「民意」って「正しい」のでしょうか？

• 2013.06.14
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹