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会議番号:3265 開催期間 2013年10月25日- 11月01日
消費税はコストのひとつ、という考え方には異論が多く寄せられました。よく読んでみると、「税金は性格が違う」「税金部分は見えるようにしてほしい」という理由のようです。 まず、総額表示についてですが、1日目のコメントでも解説したように「総額表示」のもとでも消費税額を表示することは問題ないし、実際多くの小売店では、例えば105円(うち消費税5円)と、税額を書いています。総額表示は、総額を明示することが消費者の利便である、という観点から導入されたもので、税金かくしのためではありません。 また、税と原材料費や輸送費などとは異なるので、コストとして一緒ではないという意見に対しては、実際事業をするほうからみれば、あるいはものを買うほうからみれば、すべて価格を構成するもの、という点で同じというような意味です。ガソリンスタンドのガソリン価格には、揮発油税、地方道路税、消費税などがかかっており、価格の半分ほど占めていますが、すべてコストとして総額表示になっているわけです。 フランス大蔵省の消費税担当課長が私にこんなことを話しました。 「フランスでは、消費税引き上げ時に、事業者が表示にこだわることはない。消費税の引き上げは、いろいろな原材料費や電気代・ガス代・人件費などが上がる中で、コスト増加の一要因にすぎないという認識が事業者には浸透している。消費税引き上げだけを考えて価格を改定することはしない。いろいろなコストの状況を見ながら、消費税率引き上げ日にこだわらず、売れ筋の商品は少しずつ値段を引き上げ、売れないものは価格を据え置かざるを得ない。要は、自らのマージンが確保されていればよいと考えている。消費税率の引き上げの前日に徹夜して価格表示を書き換えるという話は、日本だけの話ではないか。」 そもそも消費税の納税額は、(売り上げ×消費税率)-(仕入れ×消費税率)で計算して納税します。商品一つ一つに消費税率が対応しているわけではありません。このことからも、商品ひとつひとつの表示を徹夜して張り替えるという作業は的外れのように感じられます。 こんな話をしていたら、あるスーパー業界の方が来られて、「自分のスーパーは、消費税率引き上げを機会に、売れ筋のものとそうでないものとを分けて、価格を大幅に見直す予定だ。売れ筋のものは、10%、20%引上げる。そうでないものは価格は据え置きか引き下げる。こうすることでマージンを確保する。」とおっしゃっていました。 消費税と価格の問題は、奥が深い問題です。あなたは、上記のフランスの話や、スーパーの話、「マージンを確保する価格設定」についてどう思いますか? 「総額表示」[△△円(税込)、△△円(うち消費税□円)、△△円(税抜価格○○円)という、これまでの表示]がいいと思う方(YES)、「税抜表示」[○○円(税抜価格)、 ○○円(本体価格)、 ○○円+税という、10月1日から認められている表示]がいいと思う方(NO)、 どちらもご意見をお聞かせください。★森信議長の過去の円卓会議より・女性の社会進出のために配偶者控除を廃止し、財源を子育てに使うことに賛成ですか?・消費税の「軽減税率」導入、賛成ですか?・増税に関する議論。理解できていますか?
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