イー・ウーマン（ewoman）

施行されたら使用するが（unagi・東京都・54）

個人的には気が進みませんが、年間4000円の還付でも家計を考えると受け取りたいので使用すると思います。しかしずいぶん高リスクな話だとは感じます。カナダ型はこの頃よく耳にするので注目し、一番効率的で、安心感もあると思います。議長は「新聞が軽減税率を主張している」ということでしたが、私がとっている新聞では軽減税率の代替案も説明されていますし、今朝もカナダ型を推している専門家のコラムが載っていました。媒体によって違いがあるのではないかと思います。

カナダ案を提案（にしひがし・茨城県・43）

カナダ案を提案することは可能でしょうか。消費税10％の導入により、明らかに消費マインドは落ちると思います。今以上の賃金アップの実現、所得税の減税などをしない限り、景気の上昇傾向を保っていくのは大変だと私は思います。

個人情報の統制を懸念（りりあむ・奈良県・43）

クレジットカード等で買物履歴や志向がDB化・分析される現状で個人資産や税収まで紐付けされ生活全てが丸裸、軽減税率の為に情報管理されたくありません。低所得層の救済処置ならば、議長のおっしゃる通り、所得制限付きの還付で事足りると思います。これは育児手当と同じですね。奈良市であれば年に一度必要書類を提出するだけ、審査に通れば期日毎の自動振込です。自治体にノウハウがあるので導入もスムーズかと思います。

新聞が主張というけれど…（mayupyon・東京都・44）

私はマイナンバーカード自体を使いたくないので財務省案には反対。「カナダ型」か「軽減税率（生鮮食品）」のどちらかが良いと思いますが、まだ結論は出ません。それから、議長は、新聞が軽減税率を主張しているため代替案の内容やメリットがきちんと説明されていないとコメントされていますが、私が読んでいる新聞では「消費税の負担軽減策」の連載などもあって、内容的にも比較説明がちゃんとされていると感じます。

本末転倒（Jerryb・東京都・48）

システムの開発と導入の負担が大きいので、カードを使う案には反対です。食品など生活必需品に軽減税率のあった海外で暮らしていましたが、自動的に贅沢な物の税金が高くなるのでこれはいい仕組みだと思っていました。ただ、その国でも何の税率を軽減するかについてはロビー活動が繰り広げられており、日本ではなじまないのはわかります。税金が足りないから増税するのに、システムにコストがかかるのは本末所得なので、所得による簡素な還付でいいんじゃないかと思います。

カナダ型給付が合理的（DiamondBar・東京都・46）

マイナンバーの導入で金融所得を含めた世帯所得の把握ができるようになるので、これをベースに給付するのが公平感が強いと思います。ただ、安全のためカードを携帯したくないという意見の多さに驚いています。中国や香港など身分証明証なしでの外出が処罰対象の国は少なくありません。運転免許証や健康保険証は持ち歩くのに？　マイナンバーカードへの意識の強さを感じました。

カナダ型で子育て世代に給付？（いぬいるか・東京都・55）

軽減税率は事業者に負担を、財務省案は消費者（国民）に負担を強いるので、やはりカナダ型低所得者給付金が理にかなっていると考えます。ただ、デメリットの「低所得だが資産を多くもつ者へも給付」が、たとえば「収入は年金のみだが資産はある高齢者」だとするならば、それよりも「子育て世帯」を優先する給付制度が実現してほしいと思います。日本の子どもの高い貧困率をこれ以上あげないためにも……。

一週間ありがとうございました。皆さんの様々なご意見をうかがうことができて、大変勉強になりました。
 
今までの投票結果を見ると、Yesが2割、Noが8割となっており、財務省案は皆さんに受け入れられていないようです。そうかといって、軽減税率の支持者はほとんどおられませんでした。代わりに、多くの方が、カナダ型の給付に賛成しておられます。実は、多くの学者や識者も、カナダ型の給付を支持しています。
 
前回、カナダ型は民主党案で政権交代したのだからとりえないこと、公明党は選挙公約をしたのだから、実現したいということ、新聞が当事者なので、カナダ型給付の紹介や、メリットデメリットを報道しないということなどを書きました。日ごろ公正中立な報道といいますが、ひとたび新聞が特定の立場（自らの業界の利益）に立つと、私益（新聞への軽減税率の適用）と公益（どんな低所得者対策が効果的・効率的か）を混同するようなことが起きるわけです。この点は、今後も注意が必要です。
 
私は、この問題の本質は、「財源」だと思います。すでに、消費税10％への引上げを前提にして、子ども・子育てなど社会保障の支出に充てることが決まっているわけです。それにもかかわらず、例えば食料支出を8％の軽減税率にすると、1.3兆円（消費税率0.5％分）の財源が吹っ飛ぶわけです。こう考えると、飲食費や新聞まで軽減にしてほしいという主張が、いかに乱暴なものかがわかると思います。つまり、そのようなことにはならないと思います。
 
こう考えてくると、政治の怨念を取っ払って、国民的な立場で議論をして、3000億円程度の低所得者対策を、税率ではなく、低所得者への給付で行うことで十分ではないでしょうか。誰もが、低所得者限定の消費税負担の軽減には理解を示すはずです。でもそれは、税率を軽減するという方法で行う必要はありません。別の形で、つまり社会保障給付という形で、低所得者を限定しつつ行う方が効果的だ、ということです。これは、もう一度、税・社会保障一体改革の原点に返る、何のために消費税率を引き上げるのかということを改めて考えるということでもあります。
 
それには、皆さんの今回の議論が国民レベルで必要だと思います。


★森信議長の過去の円卓会議より
・消費税引き上げ、先送りが良いですか？
・所得税、あなたは今の個人単位から世帯単位へ変えることに賛成ですか？
・国民の番号制度導入に、賛成ですか？（2010年11月）

• 2015.10.02
• 森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹、中央大学法科大学院特任 教授