イー・ウーマン（ewoman）

消費税を10％に引き上げる際の低所得者負担軽減について、財務省案が公表されました。買い物時に消費者が消費税10％分を支払い、「酒類を除く飲食料品」に関しては、後から2％分を払い戻す仕組みです。マイナンバー制度で希望者に配られる個人番号カードを、会計の際に店舗の端末にかざすことが必要となります。
 
財務省案に対しては、生産者、卸、小売と、あらゆる取引段階で大きなコストを生じさせる軽減税率よりはすぐれているとする意見があります。
 
一方、マイナンバーカードを活用することになれば、国民全員がカードを取得することは予定されておらず、また、カードを使うことには抵抗もあるので、この案の実行可能性には疑問が残るところです。
 
私はこれまで低所得者だけに給付（還付）をする案を様々な場面で提唱・公表してきました。例えば300万円以下の世帯に2万円給付するというカナダ型の方法で、民主党や自民党の若手議員などの支持があります。
 
このように、3つの案が飛び交う中、公明党は軽減税率にこだわっており、議論の行方は見えない状況です。
 
冒頭で述べたように、財務省案ではマイナンバー制度で希望者に配られる個人番号カードを、会計の際に店舗の端末にかざすことが必要となります。このことについて、自分がカード所持を希望して払い戻しを受けたいと思うか、皆さんの意見を教えてください。
 
軽減税率にマイナンバーカード。あなたは使いますか？
 
消費税の話は我々国民全員に直結する問題であります。財源の問題、執行コストの問題などを皆さんと議論しながら、どのような案が真に負担軽減につながるか、考えていきたいと思います。
 

★森信議長の過去の円卓会議より
・消費税引き上げ、先送りが良いですか？
・所得税、あなたは今の個人単位から世帯単位へ変えることに賛成ですか？
・国民の番号制度導入に、賛成ですか？（2010年11月）

• 2015.09.25
• 森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹、中央大学法科大学院特任 教授