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会議番号:3380 開催期間 2016年02月19日- 02月26日
たくさんの投票・投稿ありがとうございます。今回は漢方の理解を深めるためによい方法をお伺いしました。 身近に相談できる窓口があるとよい(n.danさん、真打ちさん)、20名程度のミニセミナー、対話型セミナー(mayupyonさん)、体験者の話も聞けるセミナー(めぐっちさん)などのご意見を頂戴しました。 健康関連の話題では、多くの方を対象としたものであると、一般的な話題にとどまる傾向がありますが、小さなセミナーですと、それに加え、質疑応答などの時間も取れるため、非常に聴講される方の満足度が上がる傾向にあります。 しかし、健康の話となると、真打ちさんのいうようにデリケートな内容も含んでくるので、個別に対応できる窓口の普及が進むと良いと思います。最近はドラッグストアなどが気軽に立ち寄れる健康ステーション的な役割を担いつつあり、簡易的な血液検査や健康相談もできる窓口を開いているところもあるため、今後そのような場の発展・普及も期待されるところではあります。 にしひがしさんからは、漢方の副作用や内服方法についての質問がありました。漢方は身体にやさしいというイメージを抱かれがちですが、漢方も西洋薬と同じように副作用もあります。漢方は病気そのものを治すものではなく、症状の改善を目的とするものですから、漢方服用後、何らかの不快感や異変があった場合は服用を中止して医師や薬剤師に相談してください。また、西洋薬との併用の際には、生薬と成分が重なり過剰摂取になる場合もありますので、確認が必要です。 kkoさんからは服用のタイミングを知りたいとの投稿がありました。基本的に漢方は、食前・食間の服用が基本ですが、胃が弱い方などの場合は食後に服用してもらうこともあります。身体を温める作用が強い漢方の中には、就寝前に服用すると目が冴えてしまい寝付きにくくなるものもあるので、確認した方が良いでしょう。 また、味がダメで服用できないという場合は、体質的に合わないと判断し無理に服用を勧めないことが多いです。漢方に使われている生薬の効用を味で大きく別けると、苦いものは身体を冷やす、辛いもの(麻黄・附子・細辛など)は温める、甘いもの(甘草など)は水を溜める・気分を落ち着かせる、などの効果があります。このような考え方を知っておくと、食材選びにも通じるところがあり、食養生の一つのヒントにもなるかもしれません。 それから、漢方の「形」についての質問もありました。漢方処方名には、「~湯」(葛根湯など)、「~散」(五苓散など)、「~丸」(八味地黄丸など)、「~飲」(茯苓飲など)などがありますが、その語尾によって形状や服用方法が違うのが本来の漢方です。現在は、利便性などを考え、エキス剤(顆粒)や錠剤になっていることが多いですが。「~湯」は湯液であり、煎じて飲むもの、「~散」は生薬を刻んでそのまま飲むもの(煎じると香りが飛んでしまうもの、香り・アロマ効果も期待される生薬)、「~丸」は生薬を煮詰めて蜂蜜などで丸薬にしたもので、胃腸を守る作用があります(胃に強い生薬)。「~飲」は、湯液だが少し胃腸には強いので、一機に飲まず、少しずつ飲むような漢方です。 先人たちは、色々考えたものだと、いつも漢方を勉強すると感心してしまいます。 検査データに異常がないにもかかわらず、多くの訴えがある場合、西洋医学的には多愁訴症候群や神経症傾向として対応が難しい症例として扱われる傾向がありますが、漢方医学的には、患者さんが訴える一つ一つが診断の手がかりとなります。四診によって、患者さんを良く見て、触って、お話を聞かなければ、診断に至らないのです。 そうした診療自体が患者さんとのコミュニケーションも深め、患者さん側からすれば、よく話しを聞いてもらえたという満足感・安心感にもつながります。また、色々問診されることに慣れてくると、患者さん自身でも自分の体調の変化に敏感になり、早め早めに対応ができるようになってくるように思います。 また、多くの訴え・不調に対して、例えば「イライラ・不眠・便秘・冷え」を西洋薬で対応しようとすると、4種類の薬を処方しなければいけない場合もありますが、漢方では一処方で済んでしまう場合もあることもあります。この点においては、患者の身体的・経済的負担が少なく済む点で、漢方の一つのメリットといえます。 仕事・育児・介護・自分や家族の病気などぞれぞれの悩みや不調を抱えて日々がんばっていく中で、自分の身体は自分で守る、未病のうちに不調をとる、というセルフメディケーションの一つの手段として、自分の身体の声によく耳を傾け、漢方を上手く活用していただければと思います。 今回の円卓会議の中では皆さんから多くの投稿をいただきながら、漢方は同じ症状でも体質などにより対応が異なるため、個々の質問にご満足いただける回答ができなかった点も多かったかと存じますが、お許しください。 最後に、3月1日から8日までは「女性の健康週間」です。女性の健康に関する様々な公開講座が全国各地で開催されます。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が共催するシンポジウムでは、佐々木かをりさんも登壇されます。ぜひこの機会にご自身の健康管理についても考えてみてください。 一週間ありがとうございました。★鈴木議長の過去の円卓会議より・過去1年、婦人科検診を受けましたか?・婦人科系の体調管理。漢方を使ったことがありますか?・いきつけの婦人科、ありますか?
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