イー・ウーマン（ewoman）

金融政策、財政政策の限界（DiamondBar・東京都・47）

金融政策と財政政策は短期的には効果があるのでしょうが、長続きするものではなく、もうそろそろ効果の限界が来たのだと私は思います。また、アベノミクス第3の矢である成長戦略や規制緩和は、ほとんど何もできていないように思います。少子高齢化による労働人口の減少に対する対応、特に子育て世代が仕事と子育てを両立できる環境整備や、外国人労働者の受け入れなどを行う必要があり、働く人が増えずに成長は成しえないと思います。

デフレマインド脱却が本筋（blueberry53・大阪府・59）

アベノミクスは大胆な金融政策を中心とした景気刺激策と言われますが、私は大切な要素として、デフレマインドからの脱却という面があると思います。デフレにどっぷりとつかっていた中から脱出するには心理面からも大胆な変革が必要だったと思います。それに関して、アベノミクスは一定の成果が上がっていると思いますが、今の構造改革では不十分だと思います。ただ、失敗ということで片づけ、デフレマインドへ戻るような政権の迷走だけは決してしてはならないと思います。

将来の子どもたちのために（ゆみ子・愛知県・34）

民主党から政権が変わった時に、円安、株高で国内の景気は上昇していました。アベノミクスには、一定の評価をしています。だからこそ、増税に踏み切る機会なのだと思います。国の借金がとてつもない額で財源の確保が必須である今、もはや景気に頼るだけでは心許ない。将来の子どもたちのために、今の大人は年金、消費税などで割りを食う決断をする必要があると考えました。

1人当たりの収入が減る世代も（violet-m・神奈川県・45）

アベノミクスの成果の一部は認めますが、「物価上昇率はプラスになったが、賃金上昇率がそれに追い付いていない」ため、景気が良くなった実感がわきません。全国消費実態調査からも、50代の人は昔と比べて給与が下がり、40代以下もこれからあまり増えないことが統計的に見えてしまっています。働いても給料が上がらない、だから主婦も働きに出ましょう、そんな一億総活躍は嫌です。選挙前のばら撒きでなく、民間の給料を上げることに力を入れて欲しいです。

税全体で考え直す時期（costas・東京都・49）

デフレ解消も成長も、供給が容易に海外逃避可能なボーダレス世界では誰の手にも困難に見え、この点で批判はしませんが（TPPの行方も注目ですが、残るは海外市場の爆拡くらいしか。但し武器輸出依存は反対です）、「信用」するのは一貫して不誠実な政治手法から無理です。経済政策も年金原資をつぎ込んだ株価維持、「トリクルダウン」「道半ば」の連呼に不信感。そこでせめて格差是正・中間層以下の購買力復活を目指し直接税を見直すなど、消費税に限らず税全体で論じる今が契機ではと考えています。

評価できません（mayupyon・東京都・45）

まず、議長が示された4つの象限はポリティカルコンパス的でわかりやすいと思いました。私自身は第3象限の立場で、アベノミクスに対しては低評価です。いくらデフレから脱却したと言われても個人消費は低迷、子どもの貧困、雇用・賃金など問題は山積み、財政再建も経済再生も成し得ていないと思います。国民のためというより一部企業のためのアベノミクスではないかと思います。

先行き不安をなくすのが経済対策（シンゴパパ・静岡県・49）

財政出動で市中にお金をあふれさせ、円安に誘導し、外資を呼び込み株価を上げるのがアベノミクスだと考えますが、オイルマネーなどの外資が引き上げると株価は下がり、先行き不安の影響で、市中のお金が運用されないのが現状かと思います。増税して得たお金を、子どもを産み、育てる費用に充てる（子どもの医療費、学費無償化）ことや、職業支援の充実に使うなど、働き、子どもを育てることの先行き不安をなくすのが経済対策として大切だと考えます。

そもそもアベノミクスとは？（いーちゃん・青森県・55）

地方に住んでいるとアベノミクスの恩恵に授かった人はいるのかと思うほど実感は無い。アベノミクスの話がニュースで出るたびに、別世界のこととしてしか理解できなかった。一部の人のためのアベノミクス、だけど増税は皆同じ。恩恵のある人たち、企業から徴収すれば良いのにと思う。東日本大震災の復興のため収入を減らされたり増税させられたりして、生活は苦しくなるばかり。安倍首相は何もわかっていない。屁理屈で国民を翻弄させないでほしい。

議長である私からの「アベノミクスをどう評価するか」という問いかけに対して、いろいろなコメントが寄せられました。ありがとうございます。
 
安倍首相への信頼は「イエス」でも、アベノミクスの現状については、「そろそろ効果の限界が来た」（DiamondBarさん）、「一定の成果は上がっているが、今の構造改革では不十分」（blueberry53さん）など、このままではだめだという条件が付きました。DiamondBarさんは「少子高齢化による労働人口の減少に対する対応」が必要だとして「仕事と子育てが両立できる環境整備」などを提言しています。
 
「ノー」と答えた人の多くは、「いくらデフレ脱却といわれても個人消費は低迷、子どもの貧困、雇用・賃金など問題は山積み」（mayupyonさん）、「アベノミクスの成果の一部は認めるが、賃金の上昇は物価の上昇に追いついていない」（violet-mさん）、「地方に住んでいるとアベノミクスの恩恵に授かった人はいるのか思うほど実感はない」（いーちゃんさん）、など厳しい見方ですね。
 
一方、「ノー」のなかでも、アベノミクスに「一定の評価をしている」（ゆみ子さん）は、だからこそ消費増税をして、「将来の子どもたちのために、今の大人は割を食う決断をする必要がある」という意見です。「増税して得たお金を、子どもを産み、育てる費用に充てる」（シンゴパパさん）という意見もありました。
 
安倍発言で、消費税の引き上げ時期に焦点があたっていますが、「消費税に限らず税全体で論じる」（constasさん）必要があるという意見もでました。「一部の人のためのアベノミクス」であるのなら、「恩恵のある人や企業から徴収すればよい」（いーちゃんさん）と、所得税や法人税などの直接税を見直すことを提言する意見もありました。
 
さて、次の参院選は7月10日と決まりましたが、与党だけでなく野党の多くも消費増税の延期に賛成しているとなると、選挙の争点がぼやけていくようにも思えます。安倍首相は、改選議席の過半数を与党（自民党と公明党）が獲得することを、消費増税時期についての公約変更に対する「国民の信を問う」とした参院選挙の勝敗ラインとしました。この勝敗ラインをどう見ますか、みんなで考えてみましょう。





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• 2016.06.08
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員