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会議番号:3394 開催期間 2016年06月03日- 06月10日
安倍首相は参院選で、消費増税の公約変更について民意を問うと表明しました。民意をまとめる原則は多数決だから、改選議席の過半数を与党で獲得すれば、公約変更は了承されたわけで、増税の延期を実施する、というのが首相の論理でしょう。 この論理にしたがえば、首相が改選議席の過半数獲得を勝敗ラインとするのは「妥当な線」(いまいくんさん)ということになるし、消費増税の延期では与野党が一致しているなかでの選挙ですから、「ボヤけたタイミングでは、やはり与党が強い」(まうやんさん)という見方も当然でしょう。 首相のアジェンダセッティングは巧みだと思います。増税延期で「国民の信を問う」というのですから、与党が改選議席の過半数を獲得できなければ、増税延期はなし、ということになるのではないでしょうか。 これまでの世論調査では、増税延期は多数派ですから、首相の設定した争点にしたがえば、与党はいわば自動的に過半数を獲得することになるわけで、「ずいぶん甘い勝敗ライン」(あさーかすさん)ということになります。「勝敗ラインをどう見るか」という私の問いかけも、何やら首相の術中にはまっているような気になります。「何が勝敗ライン?」(n.danさん)と問いたくなるのも無理はありません。 かつてのメディアなら、首相の公約違反に焦点をあてて、その是非を選挙の争点にもっていくような気迫があったように思いますが、最近のメディアは、そんな気もないようですし、消費増税延期の是非についても、いろいろな識者の賛成論や反対論を示して、国民に問題提起をしようという意気込みもないように思えます。 舛添都知事への「やめろコール」は鳴りやまず、朝のワイドショーは、「本日の舛添コーナー」が定番になっています。政治資金の私的流用ですから下衆の極みかもしれませんが、メディアは舛添たたきにうつつを抜かしている時期なのか、と言いたくなります。 1年半の消費増税の延期による約3兆円の税収減をどうするのでしょうか。増税で景気が失速すれば、税収減はそれどころではないかもしれませんが、普通の家庭で収入減が見込まれれば、支出を切るのが当たり前です。首相の口から、具体的な歳出削減策が出てこなかったのはとても残念です。「行財政改革で3兆円を削減しますから、増税延期による社会保障の後退はありません」という新たな公約でも出てくれば、選挙目当てなどという批判も出てこなかったと思います。 今回の参院選から、初めて18歳と19歳が有権者となり、投票します。消費税は若い世代の未来と直結しています。「若い世代にとにかく投票して欲しいです」(mayupyonさん)という気持ちは、この会議に参加された全員が抱いているものだと思います。 こうした若い世代を含め、消費増税延期の行方を多角的に「監視」していきましょう。★関連するテーマの円卓会議・消費税引き上げ。先送りに賛成ですか?★高成田議長の過去の円卓会議より・原発差し止め、支持しますか?・中国と台湾の握手。これからの日中台の関係、気になりますか?・東日本大震災から4年。風化したのでしょうか?(2015年3月実施)
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