イー・ウーマン（ewoman）

募金や寄付に活用してほしい（cheetan・千葉県・48）

大きな災害などがあると、必ず街頭で募金活動が行われます。協力したい気持ちはあるものの、本当に被災地の支援につながる使われ方をするのか、常に半信半疑です。大規模な活動であるほど、活動経費もバカにならないと思います。それら経費の削減が叶い、寄付された額の大半がしっかりと支援に回ると嬉しいです。また、古米や余剰米を購入して難民キャンプに届けられるようなシステムがあればと思っています。

医療の分野で（いぬいるか・東京都・57）

何かと手続きが煩雑な医療の分野での展開に期待します。たとえば、病気になって医療保険を請求する際、病院から直接保険会社に電子データを送り、自動的に入金される。医療費限度額申請なども行政と病院と銀行との間で自動的に行われるなど……。具体的にはどんなシステムになるかわかりませんが、医療情報と決済の一本化が出来たら便利だと思います。ただやはりセキュリティは気になりますが。

個人取引がよりスムーズに（unagi・東京都・56）

個人同士の決済がフィンテックで手軽にできるようになれば、私のような個人事業主やフリーランスの人同士で発注がより手軽になり、業界が活性化するのではないかと思います。今やメールアドレスや電話番号、住所を知らなくてもSNSで連絡できる時代です。口座番号を知らなくてもお金のやり取りができる時代がくると思います。ただ、高齢者などを守る仕組みがないと、犯罪に利用されやすいのではという懸念もあります。

発展（真打ち・栃木県・47）

今後、大手銀行による仮想通貨の発行で利用者が激増すると考える。信頼性の向上で若年層以上の世代が『組織から個人』への意識に移行する大きなきっかけにもなるだろう。40年前、OA機器の普及は多くの人から"仕事を奪う"とされ、なじみの薄かった機器に人が支配される印象があった。決裁の短縮や業務の効率化は、行員や公務員の従来の仕事を脅かす側面もあろうが、新たな仕組みは、新たな仕事を生むものだ。今後の展開に大いに期待する。

キャッシュレスな海外旅行（Zonnetje・海外・その他・42）

先日ユーロ圏から英国(ポンド圏）に旅行した際、ユーロ圏の銀行パスでWifiを使った支払いがあちこちでできました。レートまで気にしなかったのですが、旅行時に必要以上に外貨の現金を用意する必要がなく、余った外貨をどうするか気にする必要もない分便利な旅ができました。税金の問題等がありますが、海外からの引き合いを同様に決済できるようになれば(海外在住の者には特に）便利になると思います。

災害支援、介護など（あさーかす・大阪府・45）

フィンテック、聞いたことはありましたがあまり理解できていなかったので、今回は勉強になりました。新幹線もバスもスマホひとつで乗り降りできる今、出張がとても楽になったと感じています。先日、中国四川省で地震がありましたが、こういうときにすばやく義援金を送る仕組みにフィンテックを活用できないかと思いました。また、介護保険の支払いなども、遠距離に住む家族が確認できる形にできるのではないでしょうか。

安全面の技術の向上（n.dan　・広島県・43）

インターネットでの場合、どうしても安全面が気になって利用していません。ただ面倒だったり高額になってしまっていることに関しては、利用者としてまずは技術の向上をお願いしたいです。

皆さん、こんにちは。日経の関口です。今回も１週間お付き合い下さり、ありがとうございました。「フィンテック」のテーマを私なりにご説明したつもりですが、少しはお役に立てたでしょうか。法規制やサイバー攻撃の問題などほかにも深掘りしたい点はありますが、それはまた次の機会にしたいと思います。

前回はフィンテックをどんなふうに活用したらいいか、アイデアを皆さんにお聞きしました。「手続きが煩雑な医療分野に期待したい」（いぬいるかさん）、「個人同士の決済を手軽に」（unagiさん）、「募金や寄付に活用してほしい」（cheetanさん）など、いずれもなるほどというご提案をいただきました。ただn.danさんほか皆さんが指摘されたように、セキュリティ面での安全性確保がその前提になるかと思います。

昨日、家電量販店のビックカメラで「ビットコインで支払いができます」という案内を見て、びっくりしました。日本でもネット通販などではビットコインを受け付け始めましたが、現実の店舗で使えるところが少なかったからです。2020年の東京五輪に向け、海外から観光客が増えることから、日本でも仮想通貨受け入れの要請が今後は高まってくることでしょう。

真打ちさんがフィンテックは「『組織から個人』への意識に移行するきっかけにもなるだろう」と指摘されていたのが印象的でした。日本では何か問題があると「国や企業が悪い」といわれることが多かったと思います。その分、政府や大企業が安全性を担保する仕組みを用意し、結果として高コストな経済になっていたと思います。

フィンテックはそうした高コスト体制に風穴を開ける技術ですので、そのメリットを受ける個人は資産管理や安全対策などの面で今度は自分で責任を負う時代が来ることを意味します。インターネットが登場した時もそうでした。電子商取引やネットバンキングなど便利になった半面、サイバー攻撃やプライバシー侵害など新しい課題に直面することになりました。その意味ではフィンテックについても我々はもっと仕組みを勉強し、それを有効に活用できる知恵を身に付けていく必要があるでしょう。

本当に１週間ありがとうございました。私も皆さんからいろいろなことを学ばさせていただきました。また次回もイー・ウーマンの円卓会議でご一緒できることを楽しみにしております。


★関口議長の過去の円卓会議より
・Windows10への無償アップグレードしましたか？
・アップルは端末ロックを外し、FBI捜査に協力したほうがいい？
・アップルウオッチ、欲しいですか？

• 2017.08.11
• 関口 和一 （株）ＭＭ総研代表取締役所長、元日本経済新聞社論説委員