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会議番号:3459 開催期間 2017年09月22日- 09月29日
この円卓会議を始める際に、今回の選挙は、政権選択とはいえず、安倍政権の信任にとどまると述べましたが、わずか数日にして、大波乱の選挙になりそうです。小池都知事が率いる「希望の党」に民進党が事実上、合流することになり、小池人気も手伝って、政権交代の可能性も出てきたからです。今回の選挙の結果に期待しますか、というこの会議の投票でも、「イエス」の比率が少し伸びたのも、“小池効果”かもしれません。「nekosaurus」さんも「希望」がイメージ先行としながらも、「自民党にうかうかしていられないと危機感を持たせ、無党派層への刺激になると」として、「イエス」にしたと述べています。 さて、安倍首相が打ち出した消費増税分のうち2兆円程度を少子化対策などに使う、という提案について、これが選挙の争点になるかいついて、みなさんから意見を出していただきました。 「若い世代の選挙票目当てなのでは?と思えるほど取って付けたような提案だ」とみるのは「nekosaurus 」さん。「これからますます増える高齢者への手当を今の制度のままでは、教育の無償化は無理だ」と判断しています。「DiamondBar」さんも、「増え続けるであろう年金、介護、医療の費用はどう対応するのか」と疑問をなげたうえで、高齢者対策を考えなければ、「なしくずしに消費増税分が使われてしまう」と危惧しています。「月のしずく」さんも、教育の質の問題を考え中れば、「今の無償化では単なるばらまきに終わりそうです」という見方です。 また、「violet-m」さんは、子育てと教育を「時間とお金がある人だけの贅沢」にしてはいけないとして、安倍首相の提案を評価しています。「高度経済成長で先送りした負の遺産を、恩恵を直接受けていない子どもたちに押し付けている現状」を変革しなければというのです。一方、「真打ち」さんは「〇〇無償化はありがたい制度な反面、国力の弱体化を招く懸念もある」と指摘しています。質を考えないばらまき政策は、国民の依存体質を強めてしまう恐れもあるということでしょう。 経済成長が鈍化し、税金の自然増収が多く見込まれない時代に、新しい歳出策を提案するには、財源をどうするかの議論が必要だと思います。消費増税の一部を流用というのは、結局、財政赤字をふやすだけで、さらなる消費増税を招くことになるのは必然だと思うからです。安倍首相の提案は、その意味では、拙速であるし、解散のためのこじつけつけのように見えてしまいます。 「真打ち」さんは、2年後の消費税増税分の使い道に緊急性は感じられないので、「首相の言う"国難"との表現で、北朝鮮問題と同列に扱うことには疑問がある」と指摘しています。北朝鮮問題について意見を求めたときにも、安全保障論議は選挙の争点になりにくいという意見がありましたが、避けてすむ話ではありません。「blueberry53」さんは、「選挙の争点にしないということで、国民を不安にさせることになるならば、それはポピュリズムと言わざるを得ません」と発言しています。 「希望」が民進党の候補者を全員公認するかについて、小池代表は、「安保法制にすべて反対とした人」などには、慎重な姿勢を示しているので、安保問題が選挙の入り口では話題になりそうです。しかし、自民党も「希望」も、安保法制については、同じような主張だと思われ、安保論議が争点にはならないかもしれません。 今回の選挙は、「希望」旋風で大荒れの結果になりそうで、北朝鮮情勢がさらに悪化する前に体制を整えるという安倍さんの狙いは、はずれてしまうかもしれません。とはいえ、現在の米朝間の挑発合戦をみていると、北朝鮮情勢はかなり深刻なものになると私は思っています。だから、「私に全面の信頼を委ねて」というのが安倍首相の言いたいことでしょうが、私は逆に「第2次朝鮮戦争に断固反対する」という首相のほうが日本の平和と安定に寄与すると思っています。日本の首相が米朝戦争に消極的であれば、米国も北朝鮮への攻撃に動きづらいからです。 強化された安保法制を認める「希望」が躍進した場合、トランプ大統領への日本のメッセージはどうなるのでしょうか。自民党の勝利のときと同じように、米国の軍事行動への承認と思われることにならないでしょうか。小池さん自身がどう思っているかは別にして、「希望」に投票する有権者の多くは、そんなつもりはないし、米国がそう受け取るとすれば、それは「誤ったメッセージ」だと言うでしょう。 小泉政権時の郵政解散では、郵政民営化に反対する議員に向けて小泉首相が放った「刺客」の動向がメディアの焦点となり、結果的には自民党に大勝をもたらしました。今回の選挙でメディアが焦点とするのは、「希望」の動向で、保守対リベラルという政治の大きな構図を考えたときには、保守のなかのコップの嵐におわってしまうおそれもあります。私たちは「いまここにある危機」を冷静に考える必要があると思います。 一週間の議論、ありがとうございました。★高成田議長の過去の円卓会議より・東北産の農林水産物。食べていますか?・米国第一主義、日本に対応策はありますか?・消費増税延期。安倍総理、信頼できますか?
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