イー・ウーマン（ewoman）

スポーツはメディア（のぐあや・東京都・30）

「スポーツはメディアである」との話を聞いて、妙に納得したことを覚えています。スポーツは声を代弁し、大きくすることができます。例えば、日韓問題。両国の友情も描けますし、対立を描くこともできます。類似の「スポ根」ドキュメンタリーを見て、指導者と選手の絆も描ければ、いきすぎた指導としてマイナスに描くこともできます。スポーツそれ自体に社会的な「何か」を探す視点もありますが、「スポーツにどんな社会的価値（メッセージ）を付与したいか？」という視点もあるなと思いました。

スポーツは地域のツール（aibon・埼玉県・40）

首都圏の人口の多い部活が盛んな地域で育ちました。地元出身比率が少ないこの地域でのコミュニケーションツールはスポーツの技巧によるところが大きく、最終目標は部活推薦→実業団プロチームという構図です。成熟化した今と違うのは、高度経済成長時代は元々身体能力の高い人が自分の可能性を信じて率先して各地域から集まった結果、スポーツが失われた地域共同体の代替コミュニケーションツールになったからなのではないかと私は思います。

ルールの明確さ（おれんじ７８・神奈川県・40）

スポーツは、競技ごとに特殊なルールがきめられ、勝敗の決め方も明確だ。その明確な縛りの中で各選手が工夫をし、公正に競技することは教育上も娯楽としても意味はあると思う。一般社会ではルールが不明確なこともあり、公明正大に戦えば勝つというわけでもない。ただ、ある種の縛りをかけた社会の縮図とはいえるかもしれない。結果や数値だけを強調して必要以上に追い立てれば疲弊するのは、選手も社会人も同じだ。

人生を豊かにするもの（DiamondBar・東京都・49）

私にとってスポーツは趣味です。スポーツで給与をもらったり、人に教えたりはしていないので、本業に支障の出ない程度にしか取り組んでません。それでも、ストレス解消や仕事では得られない達成感を感じたりとスポーツを通じて人生が豊かになっています。スポーツを通じた人との出会いで新たなネットワークができるなど生活の一部にもなっています。スポーツと社会を切り離して考えるのではなく、スポーツは社会の一部だと思っています。

私の中では社会の一部（黒船・神奈川県・50）

これと言った特異な競技は無いけれども、いつも何かしら運動をしてきました。今は廃止されたけど、職場の部門対抗スポーツ大会を楽しみにしていました。人間関係を円滑にすることに一役買っているのがスポーツ。老若男女ありとあらゆる階層・規模の参加形態があって、プロスポーツや学生競技だけがスポーツではありません。やる側はもちろん、見る側も、その競技を話題にし、元気を貰って、時には一緒に悔しがって、そうやって参加できるのがスポーツ。社会の一部で切り離せません。

パラリンピックに大いに刺激（mr-mama・北海道・42）

スポーツが人生の縮図とは思いませんが、ここ数回のパラリンピック競技をテレビで観戦する中で、確実に障がい者に対する偏見が自分の中でなくなっているように感じます。体に障がいがあっても目標に対する取り組み方、企業の支援等はなんら健常者と変える必要はなく、それは日常の生活においても同様と思うようになりました。実技というよりも観戦の立場であれば、報道の仕方に大いに影響を受けるかもしれないと思います。

個が楽しめるスポーツを（walk714・北海道・42）

日本の子どもが始めるスポーツは、学校やクラブでも「先輩・後輩」の関係は残念ながら消えないと感じます。私自身、そうした押し付けな雰囲気が嫌でスポーツ嫌いな子どもでした。一方、大人になってから、スポーツクラブで水泳をしたり、ヨガに通うようになり「楽しさ」を感じるようになりました。子どもが参加するスポーツ団体の在り方が「チームワーク」の強制を過度に促している気がします。

個々の取り組みを尊重してほしい（Zonnetje・海外・その他・42）

跳び箱はとべず、逆上がりもできず、体育の授業でチームを作るとなるといつも最後の方に選ばれるという運動音痴でした。そんな私でも10年以上もスポーツ団体で働いています。スポーツと社会がつながっているとは思いますが「すべての人々が自発的にスポーツに取り組み」という一文には違和感を感じます。体を動かすのは散歩程度、スポーツイベントでボランティアというような、スポーツへのかかわり方でもいいのではないでしょうか。

閉鎖空間（ナカサワ・東京都・48）

私自身スポーツの経験はなく息子の話ですが、指導者に気に入られなければ試合に出さない、試合用の練習もさせないので、ずっと球拾い。言葉で説明が下手な指導者は「わかるまで考えろ」と放置。など理不尽さが沢山。根底には監督先輩への絶対服従があり、相談も抗議と解釈されるので、相談できる空気もありません。閉鎖的な別社会という印象です。部活に学外コーチを呼んだり、地域を巻き込むという案があるらしいのですが、少しでも学校外の意識を持ち込んでほしいです。

社会を勉強するためのツール（まおにゃん・茨城県・55）

スポーツは社会の縮図というよりは社会で体験することを勉強するためのツールなのではと思います。社会に出てから役に立ったことの多くは学校の授業ではなく、運動部で学んだと自分でも思いますが、スポーツより社会はもっと多様性に富んでいて、とても縮図とは言えないと思います。

たくさんの投稿をありがとうございます！
 
2日目の「スポーツとは、あなたにとって、また社会にとって何でしょう？」
「スポーツと社会はつながっていますか？」の問いかけに対して、
スポーツとは、　「地域でのコミュニケーションツール（aibonさん）」、「人生を豊かにするもの（DiamondBarさん）」、「人間関係を円滑にする（黒船さん）」、「障がい者に対する偏見がなくなった（mr-mamaさん）」、「社会を勉強するためのツール（まおにゃんさん）」など、多様なご意見をいただきました。
 
また、スポーツにおける勝利至上主義や、指導者のあり方は、
「チームワークの強制を過度に促している（walk714）」、「閉鎖的な別社会（ナカサワ）」など、教育の名の下に、私たちからスポーツの楽しい経験を奪い取っているようです。
おれんじ78さんがおっしゃる通り、「結果や数値だけを強調して必要以上に追い立てれば疲弊するのは、選手も社会人も同じ」ですよね。
 
スポーツには、散歩やボランティアなど（Zonnetjeさん）誰もが楽しめる活動から、競技スポーツ、部活動、プロスポーツなど様々な側面があり、社会との結びつきも教育、健康増進、地域づくり、経済効果など様々です。
 
「スポーツそれ自体に社会的な『何か』を探す視点もありますが、「どんな社会的価値（メッセージ）を付与したいか？」というのぐあやさんの投稿から、みなさんに次のことを考えて頂きたいと思います。
 
あなたは、スポーツを使ってどんな社会を創りたいですか？
そのために、あなたが、スポーツ関係者が、できることは何でしょうか？
 
会議最終日に向けて、たくさんのご意見をお待ちしています。
 




★村松議長の過去の円卓会議より
・スポーツとダイバーシティ。関係あると思いますか？
・あなたは仕事で、フェアプレイしていますか？
・人権週間。あなたの人権は組織の中で守られていますか？

• 2018.06.06
• 村松邦子 株式会社ウェルネス・システム研究所　代表取締役、公益社団法人　日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）参与、NPO法人GEWEL（ジュエル）代表理事