働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3637 開催期間 2021年04月16日- 04月23日
先日、2021年3月31日に、「ジェンダーギャップ指数2021」が発表されました。これは、ダボス会議を開催していることで有名な、スイスに本部のある世界経済フォーラム(WEF)が毎年、経済・教育・医療・政治の4分野14項目のデータを比較して、男女の格差を調べているものです。今回日本は、何位だかご存知ですね? 156カ国中、世界120位です。 2019年が153カ国中121位ですから、ほとんど変わりません。その前も以下の通りです。当然、主要7カ国(G7)では最下位です。 2018年は、149カ国中110位。 2017年は、144カ国中114位。 2016年は、144カ国中111位。 2015年は、145カ国中101位。 2014年は、142か国中104位。 総合順位だけでなく、4つの分野をみてみると、健康/医療は、65位。教育は、92位。経済は117位で、政治は147位です。 これは、それぞれの品質や水準ではなく、その国の中で男性と女性のギャップがあるかどうか、という指標。性別によって与えられる機会が違うとか、条件が違うなどの格差がないかを点検して、数値化しているのです。ですから日本の健康/医療や教育はもう少し順位が高いのでは?と思うところですが、実は男女間のギャップがあるということ。例えば日本は初等教育では世界1位ですが、中学高校大学になると男女格差がある。そんな結果です。 そして日本の男女格差の大きな課題は、経済と政治。 「政治分野における男女共同参画推進法」は、ご存知ですか。男女の候補者を同じ数にするということを目標にして2018年に成立した法律ですが、守っている政党はほとんどありません。国会議員の女性の割合も、女性閣僚の比率もとても低く、世界が注目しています。 経済では、まず収入における男女格差が大きいです。そして、管理職や役員の女性の割合が極度に低いのです。女性管理職を増やすということが掲げられたり、女性取締役を増やすためのガバナンスコードの改正もありますが、まだまだ遠い。そして、あまりに速度が遅いのです。 一人の人間の権利を守るために、互いの存在に敬意を示すために、ジェンダーギャップは解消されなくてはなりません。しかし、実はそれが権利の解消だけでなく、より良い社会を作るためのアイディア創出であったり、より成長する企業社会を作るためにも役立つことがデータでもわかるようになりました。私自身、ダイバーシティを専門にして講演やコンサルティングなどを行うようになり20年が経ちます。その間、政府の審議会委員を務めたり、上場企業の社外取締役を務めたりなど、いろいろな場面で、変化を起こそうとする人たちとともに仕事をしてきました。権利というアプローチと、成果があるというアプローチの両面で取り組む必要がある課題であると考えています。 今週は、この重要なテーマを、イー・ウーマンの基本ルール「I statement」で、それぞれが自分の視点や体験から、この大きな大切な課題にどんな解決策があるのかを提案し、考える一週間としたいと思います。まずはぜひ自由に、提案をお寄せください。できれば、ご自身の立場(役職)や経験、住んでいる/働いている都市などもわかるように書いていただけるとありがたいです。潜在的に素晴らしい能力を有した女性たちがいる日本です。格差をつけている場合じゃありません。 ジェンダーギャップ指数120位。日本を変える方法、ありますか? あなたの良い提案をお待ちしています。★佐々木議長の過去の円卓会議より・ダイバーシティインデックス、興味ありますか?・日本の男女格差、世界111位に落下。日本は大丈夫?(2016年10月実施)・名字が変わると不便なこと、ありますか?★関連テーマのアーカイブより ・日本の性差別をなくす。あなたができること、ありますか?(治部れんげ議長)・男性の育児休業義務化、賛成ですか?(野村浩子議長)・ハラスメントを禁じるための法整備、必要ですか?(白河桃子議長)
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