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会議番号:3637 開催期間 2021年04月16日- 04月23日
今日も素晴らしい投稿を有り難うございます。「ジェンダーギャップ指数で、日本が120位」となるとどうしても、格差の目立つ経済や政治に話題が行きますが、全ての源は教育。そして、健康。そう考えると、今週最後の今日の議論は大切です。 理系を学習する女子「リケジョ」が少ないというのは、本当に、女子学生たちの自然な選択なのでしょうか。例えば幼稚園や保育園、小学校で、以前は、出席簿が男子から始まっていました。男児がアイウエオ順に名簿の先に書かれていて、女子はその後。これを3歳から17歳まで続けられるので「男子優位」が知らない間に、「自然なこと」として身についていきます。教師も、親も、子どもたちも。 大学卒業時は、「文理計、文系、理系いずれの推計においても男子学生よりも女子学生の方が成績が有意に高いことが示された」(安田宏樹氏:2015)にもかかわらず、大学進学する女性が少ないのは、なぜ? 教科書に出てくる科学者が男性で、新しく誕生するロボットは男子(ASIMOくん、ペッパー君)。女子のロボットは、とても女性らしい目的のもの。テレビに出てくる専門家も男性が多い。小学校の教師は女性が多く、大学の教授は男性が多いのは、なぜ? そしてそこから多くの人が印象として、無意識のうちに理解し、身につける考え方は? 真打ちさんも、unagiさんも、教師や家族が「男子なら理系・女子なら文系」「女の子は理工系には向かない」などという思い込みがあるのでは、と指摘しています。 私は、教育の目的は、学び手が選択肢を広げることだと思っています。 知識や考え方を学び、自分のこれからの学びを広げること、多様な意見に耳を傾けられる人になること、様々な人生の局面でも多様な角度から出来事を捉えて良い選択ができる人となること。つまりダイバーシティな人間を育てることだと思っています。ですから、日本の男女格差について考えるとき、この教育は、大きな課題です。ここを改革できれば、政治分野、経済分野のスコアも上がってくるでしょう。 ◆教育分野の改革アイディア: ・国立大学の運営費交付金の配分要素に女子学生比率を入れる(Lily27さん) ・交付金を多額に得ている国立大学(例えば上位10大学)に女子学生の定員を設ける(Lily27さん) ・国公立大学にクオータ制を導入して40%は女子学生とする(理系では30%)(ニライカナイさん) ・女性の教師を増やす「クオータ制」や「罰則」(小川さん) と、教育機関で教える側も学生も女性を増やすことを積極的にすることが提案されました。以前、ニューヨークにあるコロンビア大学の附属、バーナードカレッジを訪問した際、女性教授が言いました。「女子校だから、ここでは女性がのびのびと学び、リーダーがたくさん誕生するんです」と。男女共学だと男性に遠慮して女子学生がリーダーシップを取らなくなるのだそうです。しかし女子しかいない学校だと、生徒会長も、学級委員長も、イベントのリーダーも女性。リーダーとなることが自然なこととして身につくというのです。 そうなのかもしれません。考えてみると私は、神奈川県立外語短期大学附属高等学校に通いましたが、県立にもかかわらず、入学の際に男女の比率が決まっておらず、入試の成績の上から160人が合格するというリベラルな公立高校でした。ですから、私の学年は学年160名のうち、男子は20名前後。私は、3年間女子だけのクラスにいたのです。だから、「リーダーは男性」という概念がなく成長したのかもしれません。 また、健康/医療分野も重要です。 なぜ、避妊用のピルは長年保険適用にならないのか。不妊治療も、菅総理が2020年に「不妊治療への保険適用を実現」を語って話題になっていますが、男性の「精索静脈瘤」の手術は2018年より保険適用です。なぜ男性への対応は、保険適用などの法整備が早いのか。私は、委員の多くが男性であることも大きな理由の一つと考えています。女性関連の医療は、自分ごとでない。無意識のうちに、力を入れないからではないでしょうか。ですから、pagiさんのご指摘も、もっともです。メタボは、男性の健康が頭にありますよね。「健康診断」でさえも男性向けなのです。管理職になる頃に多くの女性が直面する更年期障害は、健康診断ではオプションなのです。 ◆健康分野の改革アイディア: ・女性向けの健康診断を(pagiさん) ・婦人科系の健康教育の機会を(pagiさん) 今週1週間、「ジェンダーギャップ指数120位」ということから、経済、政治、健康/医療、教育と考えてきました。日本は、OECDの成人力調査では、世界1位の成人力を持っている国です。この優秀な女性がいる国で、男女の機会格差、賃金格差、意識格差をつけているのは、もったいない。男女平等の権利という面でも重要なことですが、同様に、社会を良くするために、企業が成長するためにも必要な変革です。これを読んだ皆さんが、自分のこととして、意識を点検し、行動の変革をしてくださることを願います。日本が、世界が、機会の格差のない社会となりますように。1週間、有り難うございました。★佐々木議長の過去の円卓会議より・ダイバーシティインデックス、興味ありますか?・日本の男女格差、世界111位に落下。日本は大丈夫?(2016年10月実施)・名字が変わると不便なこと、ありますか?★関連テーマのアーカイブより ・日本の性差別をなくす。あなたができること、ありますか?(治部れんげ議長)・男性の育児休業義務化、賛成ですか?(野村浩子議長)・ハラスメントを禁じるための法整備、必要ですか?(白河桃子議長)
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