イー・ウーマン（ewoman）

子育て環境と教育の充実（月のしずく・京都府・42）

先日地方議員の方々と話す機会がありましたが、待機児童や子育てへの関心はイマイチ低いと感じました。子育て世代は「票」にならないと思われているようです。安心して質の高い保育・教育が受けられ、両立に無理のない働き方をすることは、贅沢でもわがままでもなく、ごく基本的な要求です。これが実現しないと子育て世代は生き辛く、世の中に閉塞感が漂うと思います。資源の乏しい日本が生き残っていくためにも、子育て環境と教育の充実は必要なはずだと私は思います。

俯瞰的に政策を論じ合いたい（ゆみ子・愛知県・34）

医療費の財源です。患者さんの薬剤費は毎月多額の方が大勢みえます。そして負担額が０円だったりします。色々問題があることを承知で言いますが、ちゃんと服用されてる患者さんばかりではない。そのお金で、いったい何人の雇用が賄えるのかと思うと、苦しくなります。安保法案を成立させたときに、安倍首相の何かしらの強い思いによって、国の方向性が決められたと感じました。個人の思いと政治の損得で、一国の政策が曲げられることのないように、せめて選挙に行こうと思っています。

持続可能な介護システムを（ayaPa・神奈川県・40）

若者の財源でお年寄りを支える今の介護システムには無理があると私は思います。高度経済成長期に稼いできた60代、70代は、不況期の若者世代とは違い、貯蓄があり、自分で自分を支えられる方が多いです。実際、旅行費用を世代別に見ると、60代で大きく伸びています。介護への財源を絞る必要があると私は思います。政治家は大票田である60代、70代の票を失うことになるのが怖いので、この政策を打てずにいますが、私は喫緊の政策だと思います。

介護の問題（にしひがし・茨城県・44）

認知症の義父の介護、2歳になる娘も育てています。子どもは成長します。周囲から学び、社会の中で懸命に一人前になろうと、自然と能力を身に着けています。認知症の義父は、部屋の掃除、身の回りのこと、全てケアが必要です。この老人をトラブルの多い介護施設に入れることさえもできません。この老人だって、70歳くらいまで社会人として納税し、人を雇用し、家族を養ってきたのです。介護の問題、ケアする側の人材の教育、レベルアップを強く望みます。

消費低迷の元凶（いまいくん・埼玉県・53）

私は、社会保障の中で最も優先して欲しいのは年金です。将来不安があるから経済的に多少の余裕があっても消費せずに貯蓄してしまうんです。個人的には破綻することが目に見えている現在の年金制度を廃し、消費税で年金を賄う方向に早く変更して頂きたい。その財源確保のためには、消費税率を20％に上げても構わないと思っています。高齢になって年金だけで暮らせなければ生活保護を受けなければならず、結局その財源は税金です。であれば最低限の生活を税金で保障して欲しいと私は思います。

どの政権でもムリ（ぱせ・千葉県・46）

個人的には年金原資ロスの問題とか格差是正とか、非正規雇用の安定化とかたくさんあるが、あえて封印。議論を引き戻して恐縮だが、今回の選挙の争点は安倍首相の悲願である「改憲」と私は考える。自民党憲法草案を読めば「国民が権力に支配されるか？それとも権力に箍をはめる続けるのに成功するか？」の分水嶺かと。なので私は今選が現実の諸問題を前進させる事を期待していない。（国防については、一般国民のレベルで判断すると、英国のEU離脱のように最適解がでない恐れがあるので保留）

不安だらけ（n.dan　・広島県・42）

子どもが小さいので気になっていることは子育てですが、介護・年金・医療といった老後（まずは自分の親）の方が不安に感じています。どちらにしても財源をどうするのかが気になります。選挙の結果によっては、憲法改正がどうなるかも違います。広い視野でみないといけないと考えていますが、今はよくなると思える選択ができずにいます。

すべてを解決するのは難しいので（kko・海外・その他・51）

病気に関しては自分自身がどうなるのか、事前に予測できません。医療制度さえしっかりしていれば、国民は安心して、目の前の問題に全力で取り組むことができると私は思います。病気の心配をしなくてよければ、高齢でも健康な人は社会に貢献できるし、子育て、介護などの問題にも全力で取り組めて、将来の心配は減るのではないでしょうか。病気になった人がすべて安心して治療できるような環境を整えて欲しいです。いろんな不平等があっても、病気の人には平等であって欲しいと思います。

「ぱせ」さんのご意見は、今回の選挙は「改憲阻止」のための選挙だということでしょうか。少しそのことについて議論してもいいかと思います。
 
私の基本的な立場は、改憲か護憲かという問題の立て方はもう止めようというものです。憲法で時代に合わなくなっているところは改正すればいいでしょう。どこが時代に合わないかは国会などの場で（もちろん言論界でも）議論を闘わせればいいと思います。そして国会議員の3分の2以上の賛成があれば、国民投票という手続きが踏まれるわけです。そのときに「正しい」判断を国民がするかどうかは分かりません。たとえば北朝鮮が日本の上空を飛ぶミサイルを発射すれば、憲法9条を廃止しようという空気にだってなりかねないと思います。日本の歴史上でも世論が道を誤ったことは何度かあります。その結果、とんでもないことになるとしても、それは民主主義のコストと言わざるをえません。
 
「ゆみ子」さんの薬剤費の問題は、たしかに大きな問題です。いま年間の医療費のうち薬局調剤費は7兆円を超えています。そのうちどれぐらいがムダになっていると考えられるかとあるチェーン薬局の人に聞いたことがあります。彼は「2兆円ぐらいでしょうか」と答えました。このムダをどうやってなくせばいいかというのが大きな問題ですが、ひとつの方法は国民ID（医療IDを別に発行してもいい）を使って、重複などをなくすことではないでしょうか。それが医療費の根本的な解決になるとは思えませんが、少なくとも国民皆保険という制度を少しでも持続させることにつながると考えます。
 
年金にせよ、健康保険にせよ、「若者の負担で老人を養っている」というのはその通りですが、実は今までもそうだったのです。ただ若者が多かった時代にはその負担ができたから問題にならなかっただけです。そうすると、老人への社会保障給付を減らすかどうかということになります。年金の支給年齢を引き上げるというのがこれにあたります。医療費では負担能力のある老人の窓口負担の割合を引き上げる（1割とか2割を3割に）ことも考えられます。そのときに問題になるのは「負担能力」をどこで把握するのか、ということです。私は国民IDで資産も含めて負担能力を把握するのが良いと考えますが、ここには個人情報保護も含めて反対論があります。
 
この社会保障と財源の話を延々とやってきたのは、選挙で耳に心地よい政策を並べ立てる時代は終わりつつあると考えているからです。そういった「公約」は現実の壁の前には何の役にも立たないものです。そして財源論を見れば、増税は避けて通れません。こうした現実を踏まえれば、増税を国民に問う政党があってもいいと思いますが、残念ながらそれほど芯のある政党も政治家もなかなかいないのが現実です。
 
さて皆さんにお尋ねします。何人かの方が書かれていたように、日本の将来ビジョンをどう描くかということが今の時点でとても重要だと思います。それは何となく経済が成長して、何となく生活が豊かになっていく時代が終わってしまったからです。福祉財源が限られているとすれば、老人と子どものどちらを優先したらいいでしょうか。両方やって欲しいというご意見をあえて無視しての質問です。なぜなら、どちらかを選ばなければならない時期が目の前に迫っていると思うからです。とても気の重い問いですが、皆様の投稿をお待ちしております。


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• 2016.06.29
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹