働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3484 開催期間 2018年03月09日- 03月16日
こんにちは。弁護士の林いづみです。この「働く人の円卓会議」で皆さまとのディスカッションを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。 私は、内閣府「規制改革推進会議」の委員として、医療・介護分野のワーキンググループ(WG)を担当しています。当WGでは、「Society5.0に向けた医療の実現」を今期の改革の重要事項として、「オンラインを活用した一気通貫の医療」について議論をしています。 日本は、世界最先端の超高齢化社会に突入しており、世界中から、「日本がその課題にいかに対応するのか?」、と注目されています。 対応策の一つとして、医療分野でのIoTやAIを始めとする革新的技術・データの活用によって、治療や予防の精度・効率を高めることで、医療従事者の負担軽減や、医療費の抑制に役立つとともに、患者が医療機関や薬局に出向くことなく在宅のまま、オンラインで受診から服薬指導や、薬の授受まで、「一気通貫」の医療を完結できれば、通院困難な患者の利便性・満足度の向上や健康長寿に繋がるもの、と期待されているのです。 通院困難な患者の側から見れば、オンライン医療の促進は、在宅(職場等を含む)で受けられる医療の機会を増やすことでもあります。そこで、今日から1週間、利用者の観点から、皆さまと一緒に、この問題を考えていきたいと思います。 ◆高齢化に伴い在宅医療のニーズが急増している 我が国では、総人口が減少するなかで、高齢化率が上昇しており、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は2016年には27.3%に達し、2065年には、約2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上になると言われています。(内閣府「平成29年版高齢社会白書(概要版)」) 高齢者のいる世帯は全世帯の約半分、そのうち「単独世帯」「夫婦のみの世帯」が過半数であり、単独世帯の高齢者の4割以上が孤立死を身近な問題だと感じています(2014年)。2025年には65歳以上の認知症患者数が約700万人(65歳以上の高齢者の5人に1人)になるという推計もあります。 また、徒歩圏内に商業施設が少ない町村では、加齢などによって自動車の運転が難しくなると、自力では食料品等の調達が困難になるおそれのある高齢者が少なくないといわれています。 高齢化に伴い、全国的に、在宅医療の中でも訪問診療(患者宅に計画的・定期的に訪問し、診療を行うもの。往診と区別される。)を受ける患者が大幅に増加し、そのうち85歳以上の患者が6割を占めています (在宅患者訪問診療レセプト件数は、2008年の272,540から、2015年の699,534へ急増。社会医療診察行為別統計(厚生労働省)P38)。 また、佐賀県南部医療圏では、85歳以上の救急患者及び新規入院患者の急増に伴い、退院後在宅へ帰る患者の退院直後のケアを継続するために、独居や老々世帯を中心にIoT・AIを活用した「在宅見守りサービス」の実証実験が進められています(平成29年11月6日規制改革推進会議第5回医療・介護WG資料1[裕愛会織田病院 提出資料])。 このように高齢化に伴い在宅医療のニーズが急増することが予想されています。しかし、在宅患者の増加とともに、在宅患者を支える家族等の高齢化や、医療従事者の高齢化も進むことが見込まれています。果たして、今後、私たちの住む地域で、在宅医療を継続できるでしょうか? 「オンライン医療、一気通貫の実現に期待しますか?」に、まずYES/NOで投票しその理由とともにI statementで投稿してください。 さらに、YES「期待する」という方は、オンラインに限らず、「どういう人が、どういう場合に、在宅医療を受けたいと思うか」についてもご意見ください。 色々な立場の皆さまの投稿をお待ちしています。★合わせてお読みください! ・林議長の過去の円卓会議「介護制度、変えてほしいことありますか?」・林議長が登壇された「国際女性ビジネス会議」リポート・関連テーマ「病院と薬局の分離。メリット感じていますか?」
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.