働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3484 開催期間 2018年03月09日- 03月16日
今回は、「スマートフォンやタブレットなどのIT機器を活用したオンラインでの在宅医療を利用したいですか?」と題して、ご意見を伺いました。3月14日11時00分時点で83%の方が“YES”に投票されています。17歳から61歳まで幅広い年齢層の皆さまからたくさんのご投稿をいただき、本当にありがとうございます。皆さまのご体験や率直な思い、ご意見やお考えを一つ一つ読ませていただきました。 投げかけについて、皆様からオンラインでの在宅医療を利用したい理由をいくつも投稿いただきました。 免疫抑制剤を服用しているヌマミズキさんからは「オンライン診療があれば、人混みに入る機会が減らせて助かります」、ナカサワさんからは「おたふくかぜなど感染力の強い病気の疑いの場合、あらかじめオンライン受診で目星をつけておけば、大勢が集まる待合室で同席することも避けられるのではないでしょうか」と感染症予防の観点でご意見をいただきました。 また、le petit princeさんは「初期の体がだるい時でも仕事を休むことが出来ず、最終的に悪化した状態で病院に行きました」との妹様の御体験から、重症化予防の観点でオンライン診療を活用したいとのことでした。また、複数の方から花粉症や軽い皮膚炎、精神科の診療等に有効という意見を頂いています。 他には、効率的な医療提供による、様々な波及効果に期待する意見も多く見られました。 17歳のJkstyleさんからは「支える人の負担軽減につながる」と、DiamondBarさんからは「単なる便利な仕組みではなく、介護や育児の支援にもつながる仕組み」という意見、Futachaさんからは「慢性疾患の場合は、通院時間や待ち時間の短縮になる」といった意見を頂きました。 NOに投稿されたblueberry53さんは「触診なしで診断することやコミュニケーションが間接的になるなど医療行為への質の不安」を指摘されています。また、賛否両論を通じて、対面診療との使い分け(ナカサワさん)、IT機器は介護する家族が手伝う(DiamondBarさん)、医療費が懸念(レッズさん)、などの留意点を挙げられています。なお、平成30年度診療報酬改定により、オンライン診療料やオンライン医学管理料等が新設され、限定的ですが保険適用も始まります。(参考記事がこちらにあります) みなさまのご意見を受けて、厚生労働省で行っているオンライン診療のガイドライン案が真に国民のニーズに応えるものなのか、今一度、利用者の視点を反映させる必要があることを痛感しました。さらに、投稿から、慢性病等で服薬されている患者が医療機関や薬局に出向くことなく在宅のまま、オンラインで受診から服薬指導や、薬の授受まで、「一気通貫」の医療を完結することが、多くの国民に期待されていることをあらためて実感いたしました。 しかし、この一気通貫のオンライン診療の実現にあたり、制度上の課題があることが分かっています。 現行制度上、一般用医薬品のインターネット等での販売は可能ですが、処方せん医薬品については、薬剤師が対面で服薬指導した上で販売すること(対面販売)が義務づけられています。(医薬品医療機器等法9条の3)。 したがって、現行制度では、患者が通院困難なため在宅でオンライン診療を受けても、薬剤師が患者の居宅等を訪問して処方せん医薬品を届けるときに対面で服薬指導をしない限り、患者は薬局に行かなければ処方せん医薬品を受け取ることができません 。 また、厚生労働省の「電子処方せんの運用ガイドライン」(平成28年3月31日付)では、紙媒体の「電子処方せん引換証」を薬局と患者の間で交換することが求められています。したがって、通院困難なため在宅でオンライン診療を受けた患者でも、医師が発行して患者宅に郵送された紙ベースの引換証を薬局に持参しなければ、処方せん医薬品を受け取ることができません。 実際に、南相馬市立病院ではオンライン診療を行うことで「患者の自宅での生活状態が見える」、「医師の移動の距離や時間を割愛して効率化を図れる」といったメリットを多いに感じるが、「通院困難な患者にオンラインで診療を提供しても、結局は処方せん医薬品を薬局に受け取りに行かなければならない」といった問題点を指摘しています 。 団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となる2025年の超高齢社会では、在宅医療のニーズが急増します。私たちは、待ったなしで対策を考えなければなりません。 そこで、3日目は、一気通貫のオンライン医療の実現にあたり課題となっている服薬指導について、ご意見を伺いたいと思います。みなさんは、在宅で医師のオンライン診療を受けた患者に医師が処方した薬については、「薬剤師の服薬指導もオンラインで」行うことが望ましいと思いますか?在宅医療における服薬指導の在り方について思っていることを教えてください。また、オンラインを活用した一気通貫の在宅医療について、こうした配慮が必要ではないか、むしろこういったアイデアがあるのではないか、などのご意見、ご提案もお聞かせいただければ嬉しいです。 今週最後の投稿の機会になりますので、ぜひ1日目から読んでいただき、オンライン医療の実現に向けた制度全般についてのご意見、言い残したことなどもお聞かせいただければと思います。★合わせてお読みください! ・林議長の過去の円卓会議「介護制度、変えてほしいことありますか?」・林議長が登壇された「国際女性ビジネス会議」リポート・関連テーマ「病院と薬局の分離。メリット感じていますか?」
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