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会議番号:3484 開催期間 2018年03月09日- 03月16日
診察から処方せん医薬品の授受までを「一気通貫」で完結できる在宅医療の実現に向けて、1週間、たくさんのご投稿を頂き、どうもありがとうございました。高齢化に伴い在宅医療のニーズが急増する中、オンラインを活用した在宅医療に関する生の声を頂ければと思い、この円卓会議の議長を務めさせていただきました。皆さまが本当に真剣に参加してくださったおかげで、多くのことを学ばせていただきました。1週間を通して、YESが83%を下ることはなく、多くの方々が一気通貫のオンライン医療の実現に期待されていることがわかりました。NOの方の投稿では、オンライン診療の質や運用に対する懸念や不安などが中心でした。
3日目は、一気通貫のオンライン医療の実現にあたり課題となっている服薬指導についてご意見を伺いました。オンライン服薬指導に期待する投稿として、violet-mさんからは「体調を崩す→通院できない→薬が無くなる、という状況で、さらに体調を悪化させ、立て直しに時間がかかって苦労しています。オンライン診療とオンライン服薬指導があると大変助かります」との実体験を通じた投稿や、ひるねさんからは「薬局に行く手間もなくなりありがたい」との投稿をいただきました。
Noに投稿されたhiro2さんからは患者側に知識と経験も必要」として「医者に行くべきか否かを判断できる教育を受け、余裕がある場合はオンライン医療、そうでなければ医者に行く、ということを使い分けができると良い」との意見を頂戴しました。また、YESと投稿された月のしずくさんからも「外出できる時は通院等をし、外出困難になったときのみ薬の受け取りまでを含めた在宅医療を使いわけができると良さそう」との投稿をいただきました。時と場合に応じてオンラインと対面を使い分けたいというニーズがあることが分かりました。
また、「工夫をすれば、オンラインで服薬指導ができるのでは」という提案をいただきました。DiamondBarさんからは「お薬手帳が電子化されていればオンラインの面談でも適切な指導ができる」、ひるねさんからは「例えば薬剤をカレンダー型ポケットにセットした状態で郵送してくれれば、あとはオンライン指導でも可能」との投稿をいただきました。利用者の視点に立った素晴らしい提案だと思います。
また、おれんじ78さんは、「医師・薬剤師以外の看護師、登録販売士などの専門職をもっと活用することや、たとえば育児中の医師側が在宅でオンラインで診察すること」を提案されています。さらに、これまでの投稿にはなかった視点として、患者、家族、医療者の「三者間」で情報共有できる仕組みを望む声が複数ありました。自分の仕事と子育てがある中、毎月遠方の両親の入院、通院のケアのために実家へ帰っている「みもざさん」は「副作用のリスクや障害の恐れなど情報を示されるため、スカイプによるインフォームドコンセントや話し合った内容のデータ通信があれば、兄弟が一度に情報共有でき、患者本人も家族に見守られて心強いと思います。」とおっしゃっています。オンライン医療は医療従事者による多職種連携という視点だけでなく、家族間の情報共有の効率化という点においても有用であると思いました。
今回の皆さまのご意見を伺い、私は、一気通貫のオンライン医療の実現にあたって、次の3つの視点が重要であると思いました。① まず、診察から処方せん医薬品の授受まで、一気通貫のオンライン医療が必要とされる場面を、利用者目線に立って考えるとともに、その実現に向けてどのような課題があるかをしっかりと把握すること。② 次に、患者の状態や場面に応じ、オンラインと対面を組み合わせることが求められること。③ さらに、オンラインと対面の組み合わせや医療機関と薬局との連携をスムーズにする等の観点から、患者個人の医療データや医療機関等のデータを相互に適切に連結できる仕組みを構築する必要があること。
皆さまに今回いただいた様々なご意見、視点を、これからも参考にしてオンライン医療の普及促進に取り組んでいきたいと思います。1週間お付き合いいただき、どうもありがとうございました。
≪公開ディスカッションの御案内≫さて、今回の円卓会議では、実際にご家族が在宅医療を受けている方や医療機関に従事している方からの一気通貫のオンライン医療への期待の声を数多くお寄せいただきました。 また「例えば薬剤をカレンダー型ポケットにセットした状態で郵送してくれれば、あとはオンライン指導でも可能」(ひるねさん)というように制度上の課題に対する具体策の提示を求めるお声も数多く頂戴したところです。
私が委員を務める内閣府・規制改革推進会議では、まさにその「具体策」を探るための審議を重ねています。 そして、この議論を更に深めるため、3月27日(火)14:00~17:00に「オンライン医療の推進に向けて ~Society5.0のもとで拓ける医療の可能性~」をテーマとして、「公開ディスカッション」を開催いたします。通常の規制改革推進会議と違って、公開ディスカッションでは一般の皆様の傍聴を受け付け、インターネットによる生中継が実施されます。
私たちがニーズに応じたオンライン医療を利用できるようにするために、どのような規制改革が必要でしょうか。 この1週間の皆様との議論の内容を紹介しながら、様々な関係者と、真剣な議論を行いたいと思います。 ぜひ、「公開ディスカッション」にもご参加ください!(傍聴受付はこちら)
みなさま、この1週間素晴らしい議論をありがとうございました。★合わせてお読みください! ・林議長の過去の円卓会議「介護制度、変えてほしいことありますか?」・林議長が登壇された「国際女性ビジネス会議」リポート・関連テーマ「病院と薬局の分離。メリット感じていますか?」
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