イー・ウーマン（ewoman）

通院の時間（unagi・東京都・59）

高血圧などで定期的に病院に通っていますが、多忙な時期は通院の時間を確保することも難しくなります。平日の夜、もしくは土日に診療が受けられれば助かるのですが実現は困難だと思いますので、オンライン診療の展開に期待しています。

今後どのように関わっていくのか（le petit prince・千葉県・27）

今回の議会で初めて「フェムテック」という言葉を知りました。私は2年前から毎月の生理を管理するスマートフォンアプリを入れています。そのおかげで日々の体調の調子など生理周期に合わせて簡単に分析が出来るので気持ちの面でも楽になっています。今回の会議で今後、私たちの生活の中で「フェムテック」とどのように関わっていくのかを教えて頂きたいです。

今後の参考に（あやもと・秋田県・46）

初めて聞く言葉です。そろそろ更年期を意識する歳になり、自分の健康がこの先どうなるのか不安を感じていました。自分にどう活用できるのかまだイメージできませんが、今後に期待＆興味を持ちました。

信頼性の高い情報なら大歓迎（nekosaurus・愛知県・50）

健康管理への意識が高い人を狙った似非医学を推奨する医師などもいて、医療業界にいると、なぜ騙されてしまうのかと思うことが多々ある。私は、自分の健康管理すら医師に丸投げする意識文化があるからだと思うが、フェムテックにより信頼性の高い情報が得やすくなり、医療費削減につながればと思う。私は20年以上同じ婦人科を受診しているので不便なことは無いが、敢えて挙げるとすれば、他科を受診する際に診療情報が共有されていないので手間がかかることである。

手軽さと効果（DiamondBar・東京都・51）

私はスマホの歩数計機能で運動量をチェックしているが、体重や体脂肪は入力する手間が面倒で怠りがちだ。友人はブレスレット型のデバイスで歩数のみならず、心拍数を24時間計測し、質のいい睡眠がとれているかをチェックしている。記録をつける手間をできるだけ省き、データ化した効果が感じられるような仕組みがあれば普及するのではないか。予防医療や自分の体の特性を知るという啓蒙活動と合わせる必要もあると思う。

総合的な医療の連携（めぐっち・50）

人間ドックで貧血の診断により精密検査を受けました。生理による出血過多による貧血という診断でした。この場合、生理過多が改善されないと、増血剤を服用しても、蓋をしていない湯船に湯を注いでいるようなものだ･･･と。総合病院では婦人科と血液内科の受診が必要です。連携する組織であってほしいものです。

身近な問題として（いまいくん・埼玉県・56）

私自身が男性ということもありフェムテックという言葉は初耳です。ただ女性が多い職場で私の部下も女性ばかりという環境なので「男だから関係ない」では済まされないですよね。特に最近、部下が不妊治療を行ったりと実は身近な問題でもあるので、これを機会に勉強させて頂きたいと思います。

身近に（n.dan　・広島県・45）

「フェムテック」という言葉は知りませんでした。日頃の体調の変化などで知りたい情報を得ることができるのであれば、使用してみたいと思いました。ネットで調べたり検診は行きますが、もっと身近にできればよいと考えます。

　皆さん、「どんなことに困っているか」という問いに対して、
ご自身の健康課題や職場でのお困りごとを共有してくださり有難うございます。
他の方の投稿に共感される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

　まずは、フェムテックが実現する「手軽さ」についてお話したいと思います。
DiamondBarさんは、
「記録をつける手間をできるだけ省き、データ化した効果が感じられるような仕組みがあれば普及するのではないか」と手軽さの重要性が普及の鍵となるとコメントを下さっていて、
le petit princeさんは月経周期管理アプリを使用することで、
「日々の体調の調子など生理周期に合わせて簡単に分析が出来るので気持ちの面でも楽になっています」と実体験を共有してくださっています。

　私たちの日常生活の中で、自然な形でヘルスケアデータを収集し、解析し、
疾病発生リスクの提示や、行動変容を促したりするサービスが増えてきています。

　スリープテックの領域では、ウェアラブルのスマートウォッチを着用していなくても、IoT技術を活用しベッドに直接センサーを取り付けることで睡眠データを計測し、快眠に向けた改善アドバイスを受けることができる製品、サービスなども出てきています。日本でもヘルステックベンチャーは増えてきているので、例えばニューロスペースというスタートアップが、イスラエル企業と提携し、睡眠データを計測するIoTデバイスの開発などに取り組んでいます。

　フェムテックの事例では、イギリス発Elvie(エルビー)が開発販売している、仕事や家事をしながら搾乳できるハンズフリー搾乳機は、IoTセンサーによって自動的に母乳の量などのデータを収集することができます。母乳データが蓄積されると、将来的に母乳の栄養バランス計測など新たな便利な機能が加わることも期待されます。

　次に、医療情報共有による利便性の向上についてお話しします。
Nekosaurusさんやめぐっちさんからは、
「他科を受診する際に診療情報が共有されていないので手間がかかる」という声がありました。
米国や中国では、Uberなどのシェアライドに乗るように、
個人の診療情報やヘルスケアデータをスマートフォンのアプリを介して手軽に共有することが可能になってきています。
特に米国巨大IT企業のAppple、Amazon、Google、Microsoftなどが注目を集めていて、個人情報取り扱いの観点から、政府や企業が協力しセキュリティー強化も推し進めています。
日本はそもそも電子カルテの普及率が40%程度と低く、ヘルステック先進国からは遅れを取っていて、課題となっています。

　このように日本において課題は残っているものの、オンライン診療やスリープテック関連サービスなどヘルステック領域の製品やサービスは増えてきましたが、女性の声を医療に反映するフェムテック市場は、欧米と比較すると日本ではまだ知名度が低いことが現状です。

　n.danさんからは体調管理などを「もっと身近にできればよい」というお声がありました。
また、男性からの投稿もあり、
「部下も女性ばかりという環境なので『男だから関係ない』では済まされない」（いまいくんさん）という真摯なご意見も頂戴しました。
　
　これまで社会でタブー視されたり、女性に寄り添った形で開発が進んでこなかった女性の健康課題---男性なども含めた異なる価値観を持った多様な環境で議論し解決策を探る必要性があるのではないでしょうか。

　今回は、皆さんの投稿にあった「お困りごと」を参考にしながら、解決策の案として、「こんなサービスや商品があったら使いたい」というご意見を共有いただきたいと思います。すぐに解決策が思いつかない場合は、社内外で「どのような取り組みをすることで解決策が見つかるか」ご意見をお聞かせください。


★関連するテーマの円卓会議
・健康管理のための毎日の習慣、ありますか？
　議長：佐々木かをり
・相談できる婦人科医、いますか？
　議長：鈴木美香
・オンライン医療、一気通貫の実現に期待しますか？
　議長：林いづみ

• 2020.01.15
• 竹之下千尋 一般社団法人国際ヘルステック協会代表理事・Healthtech Women Japan代表/一般社団法人ヘルス・アンド・ウェルビーイング・アライアンス理事・Womb Business Incubator Co-founder/日本臓器製薬株式会社海外事業本部企画部部長