イー・ウーマン（ewoman）

自覚症状管理（真打ち・栃木県・50）

普段とは異なる痛みや痒みなど全身に起きた変化を、頭・右目・子宮…など部位別に管理できると、病気になった際に役立つのではないか。特に、日付が限定されている点は、診断の上でも重要だろう。入力は、普段と異なる症状を感じた時のみ。情報量としては乏しいが、症状の頻度や傾向が、病気の発見や日常での留意点につながる要素はあるように思う。

病院との連携（パフィンドーナッツ・埼玉県・51）

幅広く健康管理ができるイメージが湧いてきました。病院に行くべきか？　行くならどのような病院がよいか？　可能なら病院を具体的に教えてくれて、予約や問診までアプリ上で済ませることが出来る、通院が不要であれば、どうすればよいかとアドバイスをして頂けると便利だと思います。個人情報になるので、会社内での活用は少し怖いかなと思っています。

生理用品のサブスク（えこりん・神奈川県・43）

今回初めてフェムテックというワードを知り、少し調べてみました。海外では生理用品のサブスクリプションサービスがあるとの事！　ユーザーの生理周期や経血量に合わせて最適な量の生理用品が自宅に届くシステム！　よく買い忘れる女性（私）にピッタリです！

提供される情報の正しさの確保（ゆりえってぃ・奈良県・27）

私は妊娠中にその日数に合わせてアドバイスをもらえるアプリを5種類ダウンロードしています。毎日違うコメントが表示されるので少しずつ知識を得られ、不安が軽減されます。ただ、なるべく医師が監修しているアプリを選んでいても、時々誤字脱字があるものもあり、複数人でチェックされているのか心配になることがあります。アプリによる情報伝達が容易になってきているからこそ、どのアプリなら信頼できるのか公的機関等に発信していただけると嬉しいです。

ゲーム感覚の健康管理（Jerryb・東京都・52）

体重、歩数、食事を記録できてエクササイズ動画が見られるアプリを使っています。月経周期でやせやすい時期があると聞いているので、月経期間の記録と連動してプログラムを提案してくれるアプリがあったら使ってみたいですね。

知らずに使っていたかも。（じゃすみん・東京都・53）

歩数、体重、食事内容、生理等の健康管理を行うアプリを使用しています。時にはヘルスサーベイも実施してくれます。これがフェムテックなのでしょうか？知らずに使っていたことになりますね。健康問題ですが私は頭痛持ちです。特に低気圧が接近した時に痛くなることが多いです。ですからフェムテックで頭痛と上手に付き合う事が出来たら助かります。不便な点は記録に時間が取られるところです。

もっと早く知りたかったです。（まおにゃん・茨城県・56）

私はヘルスケア関係の仕事をしていながらフェムテックについては全く知りませんでした。女性の健康に貢献できる事がしたいといつも思っていたのでフェムテックには大変興味があります。女性は月経周期やホルモン状態で大きくパフォーマンスが変わるので、その辺のコントロールに活用出来ればよいと思います。

楽しく健康管理（おがわ・東京都・57）

自分の経験や娘を持つ親として、女性は小中学生から自分の体について知り、自分の体や心に起きる様々な変化をポジティブにとらえることができればいいと思っています。よって、楽しみながら月経や基礎体温のデータなどの入力（例えばキャラクターが入力を促し、入力に応じて洋服などのアイテムをゲット）でき、月経サイクルなどの状況に応じてアドバイスをくれるなど、ケア方法も学ぶこともできるようなアプリがあればいいと考えます。

更年期や閉経の数値化（いしかな・埼玉県・50）

更年期に関する先輩方の話は、「私はこうだったけど、普通はこうらしいよ」とどれも推測の話が多いと私は思います。先日、定期通院している婦人科の血液検査で、この数値だともう閉経だと言えるね、と説明いただき、これまで不定期だった生理がいつ終わるのか？ともやもやしていましたが、数値で示されて納得感も大きく、他の検査数値の変化や、体の変化なども合点がいきました。予測でもいいので、更年期や閉経がいつ頃になりそうかわかる数値で示すサービスは、需要あると思います。

頻尿には効果があるのでしょうか（Tosuku・東京都・59）

フェムテックのイメージが少し分かりかけて来ました。私はお手洗いが近い傾向にあるのですが、これに関してはフェムテックで対策は取れるのでしょうか？

デリケートな課題の解決に（yukodeluxe・東京都・48）

フェムテックという言葉は初めて知りました。女性の健康というデリケートな領域ゆえに、正直なところ、専門医や友人にもなかなか相談しづらい部分もあり、そういった部分のサポートもしくは解決にテクノロジーが活用できるのではないか、と漠然と感じました。フェムテック、今後注目していきたいです。

電子カルテをマイナンバーで（きまこ・埼玉県・49）

私の場合、大学病院や開業医など、かかりつけ医が複数あるため、カルテも分かれています。統合した電子カルテをマイナンバーより閲覧できれば、一度に説明ができて便利だと思います。情報漏洩など危機管理面に不安はありますが、親が緊急搬送された際「おくすり手帳」不携帯で常備薬すらわからず、医師への情報共有に時間を要したので、利便性は見逃せません。

　ヘルステック、フェムテックの事例を参考に、ご自身の身近な健康にまつわる不安なことや不便だと思うことを振り返っていただき、
「こんなサービスや商品があれば」という具体的な声を届けていただいたことで、議論が深まっていると実感しています。

　真打ちさんは「日頃からの自覚症状管理」、おがわさんとJerrybさんは「ゲーム感覚の健康管理」ができると理想的とコメントされています。まさに欧米では、ゲーム性を持たせることで楽しく継続的に行動変容を促す、医師が処方する「治療アプリ」の研究開発が進んでいて、禁煙やうつ病の治療などをアプリで行う時代になりました。

　ゆりえってぃさんのように情報の正確性を不安視される方も多いかと思いますが、手軽だけれど効果検証が不十分な面もある経産省管轄のサービスと、厚労省が承認するプログラム医療機器という分類に当たる「治療アプリ」の2パターンのサービス、製品が存在します。

　また女性の健康データ管理の観点から、日本では月経周期管理アプリのルナルナが最も普及しているフェムテックサービスですが、欧米では最近、ハーバード大学がAppleと共同で取り組み10年で100万人の女性を登録する次世代の研究Apple Women’s Health Studyを発表し、フェムテック領域への参入を表明しています。

　このプログラムに参加した女性には、月経周期・妊娠・更年期障害など健康に関する定性的な情報を提供し、また調査用アプリを通じて、iPhoneやApple Watchから収集したフィットネス・心拍数など定量的データを自動同期して提供することもできるようです。このプロジェクトを通じたビッグデータの収集後、研究が行われ、更年期障害のようにメカニズムが不明瞭な疾患の解明も期待されていて、女性の健康に関する、予防から治療まで幅広いサービスが開発される展望があります。

　次に、「予約や問診までアプリ上で済ませることが出来ると便利」とパフィンドーナッツさんがコメントされていて、きまこさんもご意見を述べられていた利便性に関してお話ししたいと思います。
　
　医療現場の業務効率化、利便性や医療の質向上などに寄与すると期待が高まるヘルステック市場で成長しているオンライン診療。日本でも条件によって保険適応が認められ注目を浴びていますが、欧米では特化型オンライン診療サービスも普及し始めています。
　例として、米国スタートアップMaven Clinicという女性と家族のためのオンライン診療サービスは、約46億円の資金調達を行っており、妊娠から産後の間、予約からオンライン問診、メッセージでの相談機能そして出張中の女性のために母乳配送サービスまで展開しています。

　まおにゃんさんは「女性は月経周期やホルモン状態で大きくパフォーマンスが変わる」というコメントをされています。
そこで、B2Bビジネスのフェムテックをご紹介し、企業を介した女性の健康の課題解決案をご紹介します。

　欧米ではダイバーシティーとインクルージョンを重視する経営を求める社会の声が高まっており、特に女性の活躍推進が叫ばれる中で、妊娠、出産フェーズの女性をサポートする体制を始めとし、女性の健康課題解決に努めることによる生産性向上、優秀な人材の獲得及び確保の観点も注目を浴びています。

　例えば、FacebookやMicrosoftのような大企業向けに生殖医療つまり不妊治療の福利厚生サービスを提供する米国のスタートアップProgynyは年間で売上約1億ドルを上げ、昨年NASDAQへの上場を果たしました。

　日本でも女性の健康経営について議論が始まっていて、経産省が実施した健康経営に関して企業の関心が最も高いものとして、女性特有の健康問題対策が56%を占め第一位で、男性のメタボ対策49%よりも高かったというリサーチ結果があります(複数回答可)。

　また、一般社団法人　日本医療政策機構が公表している資料では、働く女性の健康ケアの放置をすることによる経済損失は、年間6.37兆円にも及ぶとされています。
さらに、経産省の調査結果として、すでに働く女性の健康支援に取り組んでいる企業の例には、生理休暇や女性特有のがん検診受診の促進などが上位の回答結果ですが、実施している企業は2割弱に留まっています。

　経産省を筆頭に女性の健康経営という指標が重視される風潮が高まると、フェムテック商品やサービスを導入する企業が増え、フェムテックの認知度向上、サービスを享受できる女性の増加など多くのメリットがあると考えています。

　今回のようなディスカッションをきっかけに、これまで医療現場に声が吸い上げられてこなかった、女性や外国人、あらゆる文化、価値観を持つ人々の潜在的な課題を、最先端のテクノロジーを活用することで解決できるサービス、製品が増え、医療の質が向上されることを期待しています。
　
　少しでもヘルステック、フェムテックにご関心を持っていただいた方は、社内で議論する場を設けたり、yukodeluxeさんが「デリケートな課題」と指摘されていますが、私が運営するヘルステックセミナーでは、女性が参加しやすいダイバーシティーとインクルージョンを重視しディスカッションしやすい場創りを心がけていますので、是非お気軽に足を運んでみてください。

セミナー情報：Healthtech Women JapanのFacebookで配信しています。
ブログ：一般社団法人国際ヘルステック協会のホームページで配信しています。


★関連するテーマの円卓会議
・健康管理のための毎日の習慣、ありますか？
　議長：佐々木かをり
・相談できる婦人科医、いますか？
　議長：鈴木美香
・オンライン医療、一気通貫の実現に期待しますか？
　議長：林いづみ

• 2020.01.17
• 竹之下千尋 一般社団法人国際ヘルステック協会代表理事・Healthtech Women Japan代表/一般社団法人ヘルス・アンド・ウェルビーイング・アライアンス理事・Womb Business Incubator Co-founder/日本臓器製薬株式会社海外事業本部企画部部長